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笠原千波

　結局、『あの子』とは仲直り出来ないまま数日が経った。自分のなかで言いたい事がうまくまとまらないまま時間だけが過ぎていき、話しかけるエネルギーも萎んでいく。

　教室からは、いまだに騒がしい笑い声が響いている。とにかく──一旦外に出よう。乱れた思考を整えようと、誰もいない別室へと向かう。

「あれ？」

ふと視界に見覚えのある少女が飛び込んできて、私は足を止めた。その少女の手には、小さなカッターが握られていた。

──『あの子』だ。

　突然まわりの景色が鋭く見えて、背筋にひやりと冷たい何かが走った。私は無我夢中で走りだし、カッターを握る彼女の手を掴む。

「ストップ！」

「笠原さん……」

　彼女が驚いた表情で私をみる。言いたい事がまだ頭の中でぐるぐると混ざり合い、何ひとつまとまっていない。それでも、感情に突き動かされるようにして言う。

「本当にごめん！私『孤児で育ったから』なんて理由で嫌いになったりしないよ。勝手かもしれないけど……また友達でいてくれるかな？」

主人公side
鍵、閉め忘れたんだ…

笠原さんが謝ってきた
「本多君も心配してると思うよ？それに、実紗ちゃんだって…」
笠原さん…

「こちらこそ、申し訳ありませんでした…」
「え？ちょ、なんでそんなにかしこまるの！？」
？

「謝るには、当然なのでは？」
首を傾げる
「あはは…」
？？

「もー、分かった！仲直り！ね？」
黙って頷いた

To be NEXT4…