社会問題小説・評論板

Re: 半分実話。〜短編集 ( No.1 )
日時: 2016/09/07 17:23
名前: はや (ID: buHy4jxo)

『リストカット』 〜藤島 愛
登場する人名は実際の人物と関係ありません。
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リストカット...世に言う、リスカって奴。
死ねないからリスカしてる、なんて言う人も居るけれど...。

  ーはしがき

暑さ上昇の真っ盛りの時期、月で言うなら7〜8月。
私は部活ぐるみでのいじめみたいなものを受けた。
どちらかと言えば裏切りに近くて、いじめと一言で纏めるには複雑過ぎた。
相手にだけ非がある訳じゃ無いし、とその件は一言で終わった。

コレは全て、友人の話。
私は今まで、この話を冗談だと思っていた。

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「でねー、自殺したらしいよ?その子」
「えぇ?自殺?怖い〜」

媚びを売るのが得意な女子生徒の小話を耳に挟みつつ、私はいつもの様に席に着く。
私はごく普通の女子生徒。名前は藤島 愛だ。
しかし、そんな私にも悩みはある。

それは....集団いじめだ。

集団いじめなんてもの、遠いようで近い。
故にこの学校でも、いじめが有りましただなんて報告で何度も児童を集めさせていた。
中には自殺した生徒も居るらしく、七不思議にも登場するくらいだ。
まさか私がターゲットになるなんて思わなくて日々苦しんでいる毎日だ。

___なんて、なめらかに話を切り出すみたいに話しても嘘だと思われてしまう。
私は冗談や作り話を話したり作るのが得意で、度々皆に話していた。
その中には勿論、暗い話_所謂、いじめとか差別をネタにしたのもあった。

「愛ちゃん、切羽詰まった顔してどしたん?愛ちゃんらしくないで?」
「あ、ああ〜...深雪、何もないよ」
「ん、まぁた何か、作り話考えてんの?」

ケラケラと笑うようにクラスメイトが話し掛けてくる。
この子は會田 深雪。
関西弁だから印象で恐れられるのが多いけど、優しいし友達思い。
時々優しいのが欠点になり、人に騙されやすい。

私は深雪を唯一の親友だと思っている。
私の悩みを信じてくれたし、さっきの言葉だって気を和ませる為だろう。

「まっさかー、そんな事考えてないよ」
「やっぱり....いじめの事やんな?」
「.......うん」