社会問題小説・評論板
- 第一話 ( No.2 )
- 日時: 2025/03/14 21:12
- 名前: 闇堕ち (ID: UgVNLVY0)
- プロフ: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=14113
ある日の放課後。
私莉子は今日は部活動が休みで、帰る方向が一緒の友達、菫を待っていた。
菫はどうやら、今日沖田類という無口で少し気難しそうな美形男子に告白すると言って、教室を出て行った。
今は4時、そろそろ帰ってきてもおかしくないが…
ガラッ
莉子「あ、菫!」
菫が来たことにより安心した私は、ほっと胸を撫で降ろした。
でもそれもほんの一瞬、ふらふらとした足取りの菫は、うつむいて今にも倒れそうになっていた。
莉子「あ…菫…」
私はゆっくりと菫に近づいた。
顔を上げたすみれの顔は、涙でぐしょぐしょになっていた。
莉子「す…菫…」
菫「…振られちゃった…ヒック」
菫はしゃくりをあげながらも、頑張って私に告白の結果を伝えた。
ああ、失恋してしまったのか。
いつもはおふざけで私を笑わせてくれる菫は、むしろ私が釣られ泣きしてしまうくらい大粒の涙を流している。
失恋って、辛いよね。
今まで好きだと思っていた相手にキッパリ嫌だと伝えられ、自分のことは本当は心で好きと言うもう妄想ほもできるのが難しくなる。
泣いて泣いて凹みまくって、また新しい相手を見つけるのにも時間がかかる。
特に菫はそうだろう。菫の恋は盲目だ。しっかり相手のことを考えているが、時に理性を失って自分の気持ちを優先するところがある。
そんな盲目な菫が、大好きな彼からキッパリ一言「無理だ。」と言われるのはとても辛いだろう。
莉子「つらかったね…つらかったね…」
菫「私ッ…うるさいからっ…いやってぇ…」
必死に感情を伝えようとしいている。自分がどんなに辛くても、相手が結果が気になっていことを察して。
莉子「無理に喋んなくても大丈夫だよ。いっぱい泣こう。」
菫「うん…」
菫は頷いてしゃべるのをやめた。
今は無理に喋んないほうがいい。余計思い出して辛くなるだろう。
莉子「帰ろ。もう時間だしね。」
菫は私にもたれかかって、一緒に家に帰った。
-次の日-
莉子「おはよう。菫!」
菫「…はよ…」
いつもは元気におはようと返してくれる菫は、聞こえないくらい小さい声で挨拶を返した。
なんだか菫に元気がない。失恋の影響だろうか…