社会問題小説・評論板

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君の吐いた嘘 いじめ
日時: 2011/01/16 23:36
名前: リクア (ID: ZUkStBmr)

こんばんは!!

このリクアの小説2個目!!

今回は実話だけでなく、9,5割をフィクションにしたものを書きたいと思います

それでは宜しくお願いします


○登場人物○
主人公
・翡翠 翼(ひすい つばさ)♀

いじめの主犯・裏切り者
・美空 久留(みそら くる)♀

主犯に従う人達
・郷田 當麻(ごうだ とうま)♂
・赤崎 澄(あかざき すま)♂
・瑠璃 京子(るり きょうこ)♀
・水原 みさ(すいはら みさ)♀


順次増えるかも…。

Re: 君の吐いた嘘 いじめ ( No.11 )
日時: 2011/02/15 17:09
名前: リクア (ID: tdJwkn8N)

マィ様>
お久しぶりです!
もちろん覚えていますよ!
前スレでは大変お世話になりました
これからも頑張っていきます!

Re: 君の吐いた嘘 いじめ ( No.12 )
日時: 2011/02/15 17:44
名前: リクア (ID: tdJwkn8N)

第三話『オ遊ビ』

あれから私は、ずっと嫌がらせに耐えていた

怖くて歯の奥がカチカチと鳴り、頭の中が恐怖で塗りつぶされそうになって、とにかくそれに負けないようにしていた

やがて終礼も終わり、みんなが席を立ち始める

私は誰よりも早くランドセルを背負い、教室を飛び出した

他の教室から出てくる児童に混ざって、狭い廊下を駆け抜ける

今、下駄箱に行ったら確実に久留と鉢合わせする

そうならないように、ひとまずは屋上前の踊り場に逃げ込もうと考えた私は一階へ続く階段では無く、最上階の四階へ繋がる階段を駆け上った

予想通り、屋上前の踊り場には誰も居なかった

外へは鍵が掛かっているため出ることは出来ないが、私は壁に頭をくっつけてそのままずるずると床に座り込んだ

ここには誰も居ない…

下駄箱へと向かう児童達の話声が遠のいていくを聞いて、少し安心した

心が落ち着くまで、少しの間ここに居よう………

ハァ、と溜息を吐いてゆっくりと目を閉じる

外から校庭で遊ぶ下級生や上級生達の声が小さく聞こえる

段々心が落ち着いていくのを感じたとき、不吉な声が聞こえた

「えー? 久留ぅ、後は探してない所は此処だけだよねぇ?」

サァッと顔から血の気が引いていくのを自分で感じた

この声は……京子だ!

どうすれば良い?

どうすれば逃げられる!?

でも、隠れられる場所も逃げる場所も無い…!

「♪らりるー、らりるー、うざぁい奴をみぃんなで〜
 
 やっつけよ〜よー ひゃっほおい!

 るんたったぁ、るんたったぁ!」

みさの声も、段々近づいてくる!

ということは…敵は最低でも2人居る事になる

焦っているうちに、陰から久留が顔を覗かせた

ドクンッと心臓が跳ねる

目の前が、何も見えない

絶望だけが、見える

「ア〜ッ! ビンゴオ!」

パアッと表情を輝かせた京子が、一番最初に私に走り寄ってきた

その手には、分厚い本が握られている

その本が振り上げられ…

「あははははははは!」

久留の狂ったような笑い声と共に振り下ろされた!

ずきん、と頭に鈍い痛みが走り、勢い余った本が私の鼻を掠めた

「お遊び開始!」

京子がそう言い放ち、久留須と一緒に襲いかかってきた

頭を掴まれ、本で殴られたり、頭にかかと落としをされたりする

ガンガン、と厭な音と一緒に頭が床に打ち付けられるたびに映像がとぎれそうになる

「死んじゃえば?」

京子は半ば飽きたようにそう言って、私の口の中に雑巾を突っ込んで去っていった

久留が時計を見てハッとした顔になる

「あ、もうヤバ、こいつ縛っていこうか」

久留は手近にあった縄を取り出すと、みさと一緒に私を縛り上げて階段を下りていった

「んー! んー!」

雑巾を口に突っ込まれて人を呼ぶことが出来ない声は、ただ虚しく空気をふるわせるだけだ

手を後ろで縛られていて、上手く使えない

どうしようか………

途方に暮れて居たとき、ふと廃材が目に止まった

此処は物置としても使われているから廃材も置かれていたりすることがあるのだ

一部が壊れて鋭くなっている

あそこに縄を引っかければ切れるかもしれない

そう思って、身を引きずってその廃材に近寄った

身をよじらせ、縄をその鋭い所に引っかけようとするのだけれど、上手く引っかからない

廃材と格闘すること約30分、ようやく私は縄を切ることに成功した

ブチン! と低い音をさせて切れたときは、心から安心した

けれど…まさか、いじめが放課後まで続くとは思わなかった

どうしよう、また明日もいじめられてしまうかも……

そう考え込んでいたとき、最終下校のチャイムが鳴り響く

ハッと我に返った私は、急いでランドセルを背負い、誰も居ない校舎内を走り出した

せめて、家に着くまでに悪魔に出会わないことを願って…

Re: 君の吐いた嘘 いじめ ( No.13 )
日時: 2011/02/15 18:29
名前: マィ ◆65BsDzCxQs (ID: 96KXzMoT)
プロフ: インフル?で学校休んでます…

酷い!!!!!!!!
放課後まで虐めるなんて!!!
久留!!!アンタは翼と友達じゃなかったの?!指切りしたじゃん!
ガンバ♪

Re: 君の吐いた嘘 いじめ ( No.14 )
日時: 2011/02/16 16:20
名前: リクア (ID: tdJwkn8N)

マィ様>
こんにちは!

自分で書いておいて何ですが、放課後までいじめるなんて本当に最低ですよね!

指切りしたのに破られた約束は、私も今までたくさん体験しましたし・・・

とても辛いし、最低な行いですよね

それでは頑張っていきたいと思います!


コメント有り難うございました!

Re: 君の吐いた嘘 いじめ ( No.15 )
日時: 2011/02/16 17:22
名前: リクア (ID: tdJwkn8N)

第四話『地獄の始まりを告げる使者』

バタバタと大きな足音が校舎内に響く

放課後の誰も居なくなった長い廊下を、赤いランドセルを背中で跳ねさせながら全速力で走る

ようやく廊下の端っこまで駆け寄って、私は荒くなった息を整えた

膝に手をついて、霞む視界を何とか安定させる

「はぁっ、はぁっ…」

どうして、あんなに久留は急に変わってしまったの…!?

ちゃんと、昨日までは久留だったのに!

「ふあああ、今日は疲れたぁ! んじゃあ行くか澄!」

「ん、そうだな〜。今日は帰ったら早速ゲームしてよっか!」

後ろから、今は最も聞きたくない声が聞こえた

郷田 當麻と赤崎 澄の声だ!

まだ酸素の補給を必要とする体に鞭を打って、私は走り出した

幸いあの2人には私の存在はバレていないらしく、追いかけてきたり声を荒げたりしなかった

勢いよく下駄箱まで走り、殆どノンストップで体当たりするようにして靴を取り出して履き替え、上履きも放り込むようにして入れる

後ろから緩やかに足音が近づいてくるのを確認して、更に鼓動は早まった

額に嫌な汗をかきながら走り続け、学校から徒歩2分程度の家に着いた



   バタン!

いつもよりも大きな音を立てて玄関を閉めると、それに驚いたのか少し目を見開いたお母さんがリビングから顔を出した

やがて帰ってきたのが私だと悟ると、顔に笑みを浮かべて玄関まで出てきた

「おかえり、翡翠。あら? 汗をたくさんかいているのね。走ってきたのかしら?」

クスクスと笑いながらお母さんは私の前髪を掻き上げる

一瞬いじめられた事を言おうかと思ったけれど、その言葉は飲み込んだ

いじめられた事を話して、お母さんが苦しんでしまったらいけないと思ったからだ

幼い私なりに、それだけは考えた

大好きな母を苦しめる存在になってはいけない、と

それが間違っていることに気がつくのは、きっともっと大きくなってからだろう

今はその自覚は無いけれど…

リビングの電話が鳴る

それにいち早く反応した私は、走って受話器を取りに行った

受話器を耳に当てると、嫌な声が聞こえた

「ぃやっほお〜! 生きてるぅ? イヤ、生きてるよね? 生きてないと出られないもんね! で・ん・わ!」

その声の主は、三条 藍(さんじょう あい)だった

藍は、クラスの中では比較的おとなしい人で、頭も良い

それなのに、この状況は…何?

この口調からすると、どうやらいじめる側に加わったようだけれど、そんなことは在るはずが無いと信じたかった

「あっれえ? ひょっとして人語分からなくなっちゃったぁ? 私がこれから特別にそっちに行ってあげようか?」

ボオっとしていると、藍が恐ろしいことを言い出した

ハッと我に返った私は、急いで受話器に向かって叫んだ

「い、いいです! えんりょします!」

そう言うと、電話はぷっつりと切れた

   ツー、ツー、ツー…

その音が、耳に届く

これは、どういう事なのかな?

行かないって事? それとも…

その先を考えようとして自分が恐ろしいことを考えようとしていたことに気がつき、頭を横に振った

玄関からお母さんが戻ってくる

「どうしたの? 急に大きな声を出して」

不思議そうに首を傾げるお母さんに向かって、私は無理矢理作った笑みを向けて首を横に振った

「何でも無いよ。久留がちょっとびっくりするような事を言ったから、大きい声が出ちゃっただけ」

「そうなの。あなた、久留ちゃんと仲が良いものね」

そうほほえみ、お母さんは台所へ入っていく

久留、と言う名前が今は一番聞きたくない

突然始まったいじめ、うらぎり……

さっきの藍の言葉を思い出して、私はガバッと頭を上げる

もしかしたら、さっきの無言で切った電話は、肯定の意味だったのでは…?

そう考えると恐ろしくなって、私は家を飛び出して木の陰に隠れた

数分すると、やはり予想通りに藍が自宅にやって来た

中からお母さんが出てきて、私が居ないことを不思議に思いながらも告げると、藍は静かに頷く

そしてお母さんがドアを閉めた途端、大和撫子! と叫びたくなるような雰囲気は一気に不良の様な雰囲気になった

チッ! と思い切り舌打ちをして、さっさと帰っていく

私が逃げたことがバレちゃった

とりあえず藍の姿が見えなくなっても、用心して私はその木の陰からは数分間は出なかった

脚がしびれてきて、もう大丈夫だろうと思った私は、家に入った

恐怖がじんわりと頭の中を占領していく

ガチガチと大きな音を立てて歯が鳴る

やがて恐怖だけで支配された私の体も、記憶も、その後のことは翌朝までぷっつりと事切れた


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