社会問題小説・評論板

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貧乏人は大嫌い!
日時: 2011/03/03 15:48
名前: ana (ID: Zx/QFw1y)

詩ヶ丘学園(うたがおか がくえん)

お嬢様学園。


登場人物

寿々風 莉唯 (すずかぜ りい) (中1)

学園でも1,2を争うお嬢様。才色兼備で文武両道。亜麻色の巻き髪に茶色の眼。
中学校でも金子を虐めたくて、金子の授業料などを払ってこの学園に来させている。いじめ大好き。

白桜 聖佳 (しらおう せいか) (中1)

莉唯の親友。小学校は私立で、莉唯とは違った。学園で一番お金持ちと名高いお嬢様。こちらも文武両道才色兼備。黒髪ロングストレート。優しいが実は虐め大好き。



田中 金子 (たなか きんこ) (中1)

片親で貧乏。ボロアパートに住んでいる。顔や勉強は中の上。
小学生のときも虐められていた。
いつかお嬢様になりたいと夢見ている。



Re: 貧乏人は大嫌い! ( No.1 )
日時: 2011/03/03 15:47
名前: ana (ID: Zx/QFw1y)



———「貧乏人」「臭いんだよお前」

そんなこといわれるのが日常だった。

でも、今日から違う。

アタシも「お嬢様」になるんだ・・・!


なんて喜べるわけない。

何故あの寿々風が、アタシをあの詩ヶ丘学園に入れようとしたのか・・・。

やっぱり、虐めるためだよね? 

でも、母親は言う。

「寿々風様が出してくださるのよ!ちゃんと行きなさいよ!」

何よ、自分は男と遊んでるくせに。

まあ、もういじめも慣れてる。


スカートと同じ、可愛い赤チェックのリボンをつける。

太股がなんだかくすぐったい。


誰もいない、汚いアパートを黙って出る。

春のさわやかな風が吹く。アタシは詩ヶ丘学園に向かって駆けていった。





Re: 貧乏人は大嫌い! ( No.2 )
日時: 2011/03/03 16:21
名前: ana (ID: Zx/QFw1y)

うーん、ちょっと遠い。

息が切れて、立ち止まる。

自転車で行ったほうがいいんだろうけど、なんせ自転車を持っていない。

というか、自転車禁止だったよね。

それに、親も来なくて良いことになってる。

アタシには嬉しい。

本来の理由は、お嬢様が多くて親が忙しいからだと思うけど。

でも、だからって皆アタシみたいに、惨めに走ってなんかいかない。

学園のバスがお迎えに来るらしい。

もちろんバス代なんて、ウチには払えるわけない。


貧乏は大変だ・・・。

そう思いつつも、体力を振り絞ってまた学園へ向かった。




———ついた・・・よ。

アタシは息を呑む。

なんて大きくてキレイな・・・。

テレビで見る有名大学より大きいか。

校庭には、同じ制服を身に纏ったお嬢様達がいた。

なるほど、皆受付でクラス表を貰ってたんだ。

アタシも早く貰おうと、受付に行く。


すると、誰かに引き止められた。

振り向くとそこには・・・寿々風と見知らぬ美少女がいた。

「お久しぶり〜金子さん♪」

「あ、あ、おひさぁ」

びっくりして、焦ってしまった。

「きたんだぁ。貧乏人のクセに。」

寿々風が上目遣いで哂ってきた。

内心イラッとすると同時に、やっぱりアタシを入学させた意図が分かったような気がした。

「じゃあ・・・、受付してく」

「そうそう、私の友達紹介するね!」

折角この場所から逃げようとしたのに・・・友達紹介なんて。

寿々風をちょっとにらんでみたが、気にしていないようだ。

「白桜 聖佳です。よろしく。」

隣の見知らぬ美少女・・・白桜さんが微笑む。

白桜?もしかしてあの白桜財閥の?

やっぱり、お育ちが良いようで。

なーんて初対面の子に皮肉れない。

「田中 金子です、よろしくねん。」

軽く返した。

「じゃあ2人とも、受付行きましょう。」

寿々風がまるで友達のようにアタシに言う。

白桜さんの手を引く寿々風の背中を追って、今度こそ受付へ向かった。


Re: 貧乏人は大嫌い! ( No.3 )
日時: 2011/03/03 16:47
名前: ana (ID: Zx/QFw1y)

おかしい、おかしい・・・。

寿々風と白桜さんが話している横で、クラス表に視線を集中させる。

名前順なのでこの2人が隣なのはおかしい事ではない。

だが何故・・・アタシが寿々風の後ろ・・・?

橘さんだって、園木さんだっているのに。

やっぱり、と思った。

この中学校だって、金で動くんだ。

今は優しそうにしてる、あの女教師だって・・・。

今日からまた始まる。

お嬢様たちの「貧乏人いじめ」が。


それにしても、校舎内もキレイだ・・・ここは本当に中学校か?

きょろきょろしているのは、皆も同じだ。



「アンタも同じクラスなんだぁ、マジ臭くなりそう。」

寿々風は囁いてきた。あはは、だってお湯代がもったいないって、お風呂あまり入らせてもらえないし。

アタシは黙り込む。



1-3・・・1-3・・・

どんな先生だろう。・・・アタシをいじめから守ってくれる子は・・・いないかな。

「莉唯〜、田中さん。1-3はこっちだよ。」

白桜さんが指差した先には1-3の教室があった。

まるで新しい講堂のような教室だ。

外観から分かっているけど、いちいち感動してしまう。

さて、最悪な位置の席に座るか。

やっぱり、公立とは違って皆知ってる人が少ないのだろう。

話してる人は少ない。

すると、斜め前の白桜さんが寿々風に話しかけた。

「莉唯、先生誰にしたの?」

だ、誰にした??どういうことだろう?

「花垣にしたわ。アイツ甘いし。」

「へええ。」

なーるほど。お金で先生も指定したんだ。

やっぱりどう考えたって、アタシみたいな貧乏人に居場所なんて・・・。


そのとき、何だか先ほど見たような気がする先生が入ってきた。






Re: 貧乏人は大嫌い! ( No.4 )
日時: 2016/05/23 16:24
名前: ケラー ◆bXRF026tgA (ID: otheHgZZ)

更新お願いしまっす!面白いでっす!


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