社会問題小説・評論板
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- いじめルーレット
- 日時: 2011/08/29 22:46
- 名前: 玲奈 (ID: ikU4u6US)
わたしは、虐められたって傷つかない。
わたしたちの6年4組は虐めにまみれたクラスだから。
月曜日、ルーレットで一週間いじめられる人を決める。
そして、虐める。
虐められたって傷つかない。虐める方も、ただのストレス発散。
だからそれでいいと思ってた。
でも、それを変えてしまったクラスメイトがいた—————
上のはプロローグです。
なんか残酷だけど、よろしくおねがいします。
- Re: いじめルーレット ( No.3 )
- 日時: 2011/09/23 21:15
- 名前: 玲奈 (ID: UsVfFHTT)
「みさと!理科室行かないの?」
わたしは前の席に座っているみさとに声をかけた。
「い、行くけど…?」
みさとは慌てて、何かを隠した。
その「何か」は、一万円札が何枚か入った封筒だった。
小学生が、あんな大金持ってるってのもおかしくないかな、とか思ったけど、特に気にしないでおいた。
「じゃ、一緒に理科室行こう。」
「うん。」
教室にはわたしたち2人しかいない。
廊下もシーンと静まりかえっている…と一瞬思ったが、
何か、誰かの騒ぐ声が聞こえてきた。
「ねぇねぇ!香穂!ちょっと飲んでみてって!ホント癒されるよ!」
(え…、亜美?何やってるんだろ。)
「亜美、どうし…。」
その瞬間、わたしは言葉を失った。
みさとも驚いた様子だ。
「あ、菜央。菜央も飲んでみる?クスリ!」
(クスリ…?それって麻薬とか覚醒剤とか…?えっ…つまり、亜美が……。)
「やめてよ、亜美ぃっ!」
「あ、香穂!亜美やめてよ、どうしたの?!」
「飲みなさいよ!!ほらっ!」
「きゃあ…っ。」
ゴクッ…ゴクン!
「ね?気分いーでしょ?」
なんだか、亜美が許せなかった。香穂とは小一のころからずっとクラスが同じで、大好きな親友だった。
その親友を…汚すのは…許さない。
バシッ!!
「菜央!」
「いいの、みさと。わかってほしいだけ…それだけだから。」
「…どうせ、わたしは要らない人よ。誰からも必要とされない人間は…わざわざ生きてなくたっていいじゃない。」
「え?ちょっと亜美…!?」
亜美は階段を駆け上がる。
わたしとみさとは必死で追いかけた。
そして、亜美がいたのは屋上だった。
「亜美?!ダメじゃん!フェンス上ったら!」
そういうわたしの声は少し震えていた。
「今さっき…菜央からも必要とされなくなったから……死ぬね?」
「え…え………?」
ヒュゥンッ
「あ…亜美っ!!」
校庭を見渡すと、すぐ下に、亜美の姿があった。
変わり果てた姿の…亜美が居た…………。
- Re: いじめルーレット ( No.4 )
- 日時: 2011/09/21 14:42
- 名前: 結南 ◆XIcxIbyC92 (ID: BgBE1Y9A)
亜美がこの世を去って一ヶ月…「麻薬」や「覚醒剤」はどんどん伝染(?)していった。
まずは、香穂。いまはひきこもりになってるけど、登校していた頃は、
亜美のように、とにかく色んな人にクスリを勧めていた。
「ねぇ、これ、飲んでみてよ。」
「これ、超イケるからさぁ、吸ってみなよぉ。」
薬を飲んだ(飲まされた)人たちは、香穂と連むようになり、
しだいに、怖がられるようになった。
ある日、香穂たちのグループの人たちは、ウザいと言っていた下級生を、
虐めた。
そして、自宅謹慎。それが終わっても、香穂たちは帰ってこなかった。
あれから、一度も香穂たちとあってない———————
「なーお!理科室行こっ!」
「あ、みさと。ちょっと待ってて、教科書教科書…あ、忘れた!!」
「えー?理科のセンセーきびしーのに。」
「うぅぅ…。しょーがない、素直に謝るしかないか…。」
「泣かない泣かない。」
「泣いてない!」
「ねぇ。私、保健室行くから教科書貸してあげようか?」
声をかけてきたのは、由依子だった。
「由依子!いいの?ありがとっ。」
「いいの、いいの。その代わりに…これ。」
「えっ?」
「はい吸って!」
「菜央!危ないっ!」
「きゃっ…。」
ドスン!バタッ!
「大丈夫?菜央…。」
「うん、大丈夫だよ。ありがと、みさと。」
「菜央…由依子をとめるなら…今のうち、だよね。」
「うん。先生にいいに行こう。今ならまだ…。」
タッタッタッタッ………
「待って、菜央、みさと!お願いだから、先生には…。もうしないって
誓うから!」
「…絶対?」
「絶対しない!」
「…先生にはまだ言わないけど、次飲んだりしたら、今度は、警察に言うからね。わたし、由依子を信じてるから。」
「ありがとう…信じてくれて…っ。」
「わたしはさ…由依子に死んでほしくなんかないから言ってるんだからね…?」
「それじゃ、わたしたち理科室行くから。行こう、菜央。」
「うん。」
がらっ
「遅い!」
あ、由依子から借りてない!ダブルで怒られる…。はぁ。
- Re: いじめルーレット ( No.5 )
- 日時: 2011/09/21 14:46
- 名前: 玲奈 (ID: BgBE1Y9A)
↑のは名前間違ってますw
けど、うちが書いた物です。
だんだん…プロローグで書いたこと通りにならなくなっていく………。
- Re: いじめルーレット ( No.6 )
- 日時: 2011/09/23 21:13
- 名前: 玲奈 (ID: UsVfFHTT)
バサッ
「あ、みさと、なんか落ちたよ。ってえええぇもがっ。」
「菜央、シッ。」
〜みさとの家〜
「さっき落ちたの…十万円が何枚も入ってたけど!」
「あれは、わたしが稼いだお金。」
「ええええええええええええええええええ!!!!!!!!」
「か…稼ぐって…しょーがくせーがどうやって…。」
「は〜。菜央には正直、言いたくないんだけどね〜。実はね…。」
わ…わたしには言いたくないって…どゆこと!?
「ひ…ひどいよ!!隠し事があったなんて!」
「いや…だからぁ…。」
「わたしが嫌いだから言いたくないんでしょ?!ていうかそのお金…どうせ盗んだんでしょ!!」
「はぁ?違っ……「もういい!じゃあね!」ちょっと…菜央!!」
(最悪最悪!そりゃ隠してたみさとも最悪だけど、わたし…理由も聞かないまま怒鳴って、出てきちゃった……。)
「明日、ちゃんと理由聞かないとなぁ〜。」
卒業間近にして友達と絶交なんて絶対嫌だもん。
みさとは…大事な幼なじみだから…。
家——なんとなく検索してみた、みさとの名前。
「明倉みさと」
Enter…
あれ…何これ、ブログ?見てみよう…。
『こんちは〜。昨日女の子買っちゃった〜(^_^)v
小6の子でさ〜明倉みさとって名前〜。』
「!!!!!!!!!!!!!」
「みさとが…そ…んな…。ていうかこの人、みさとの名前出してる…!
誰かに見つかったらどうするの……。」
『ピンクの髪にポニーテールで、超可愛い子〜。
また買ってくださいって言われちゃったぁ☆』
気持ち悪…。
ううん、そんなことより、みさとだよ!名前も髪型も一致してる。
「可愛い」っていうのも、あってる。
もう…いてもたってもいられない!!
「お母さん、行ってきます!」
「え?今から?」
ダダダダダダ……………ッ
ピンポーン
『はい。明倉ですけど。』
「みさとちゃん。わたし。」
『えっ、菜央…?』
ガチャ
「菜央、どうしたの?」
「みさと…さっきはごめん。稼いでたって…売春…だったんだね。」
「何でそれ…。まぁ、いいや、入って。」
「…それで、なんで売春ってわかったの?」
部屋にはいると、みさとは、ベッドにすわった。
わたしは、パソコンの前の椅子に座る。
「パソコン、借りるね。見てほしい物があるんだ。」
「……?」
カチカチ…カチッ
「ほら…これ。」
「どれ?———っ?!うそっ!!」
「書かれてるね…わたしのこと。」
「…………。」
「私の家…貧乏だしさ、しょうがないじゃん。」
「しょうがないって何それ!!犯罪なんだよ?!」
「でも…じゃないと生きていけないから。」
「……………で…でもさ、もうすぐ卒業だし、そしたら…。」
「それまでに死ぬよ!!お母さんの月収…すごい低いんだよ。なのに、家賃はあるし…もうどうしようもないんだもん!!」
「わたしは…やなんだよ。大好きな友達が汚れていくの。
香穂の時も、そんな思いでいっぱいだった。
だから二人で、解決策を考えよう…?」
「ムリだよ…解決策なんて……。」
「うーん…そーだっ!!いーこと考えた!」
休日—————
「フ…フリマッ?フリマじゃ無理だよ!!」
「だいじょーぶ。色々持ってきたから。」
「あ、そうだ。売りながら、小物とか作ろうよ。」
「みさと、NICEIDEA〜!!」
「何故ENGLISH?!」
「そういうみさともいんぐりっしゅじゃん。」
「ひらがな英語とか!発音、悪っ。」
「みさとが発音良すぎるの!」
「…あの〜、すいません。この、ぬいぐるみ、いくらですか?」
「!はい、そちらは300円です!」
「はい、300円ね。それじゃあ。」
「みさと…売れたね。」
「うん…売れた!」
- Re: いじめルーレット ( No.7 )
- 日時: 2011/09/23 22:24
- 名前: 玲奈 (ID: ooqUbj2l)
「果てしなく青い〜空に心ふる〜わせ〜。」
只今、卒業式真っ只中。
証書授与…一時間経ってるのに、まだ四分の一残ってるよ。
あ〜眠〜い。
「菜央。次だよ。」
「…は?」
「次で、三組が終わるでしょ?そしたら、次はわたし。それで、その次は菜央じゃない。」
オシャレなブレザーに身を包んだみさとが、わたしに言う。
「…あっ。ヤバいヤバい!えーっと、何言うんだっけぇ。」
『鈴堂月華』
副校長先生のアナウンスが響く。
「りんどうって、めずらしい苗字だね。どっかのお嬢様みたいな苗字。」
「あれ、知らないの?鈴堂さんは——ってわたし行かなきゃっ。」
鈴堂さんは…鈴堂さんは…鈴堂さんは何なんだよっ。
うぅっ…気になる…。後で聞くか…。
ていうか鈴堂さん、お金持ち?
ほとんどの女子が、スカートはプリーツみたいなのなのに、鈴堂さんは、綺麗な純白のフレアスカート。
レースが特に綺麗…。
でも、鈴堂さん、無表情…。
わたし、もうみんなには会わないかもとか考ると、涙でそうになるのに…。
この学校を去ることに、何の感傷もないわけ?
理解できない…。
そういや、鈴堂さんって頭いいんだっけ。
きっと、名門私立だろうな…じゃなきゃ、国立とか…。
まさか、この近所の森三中学はないだろうな。
みさとを、ふと見ると、ものすごく真剣な顔で、鈴堂さんを見つめている。
(こんなみさと…初めて見たかも。鈴堂さんに、何か感じてるのかな。)
『4組。明倉みさと』
あっ、行かなきゃっ。わたし次だっ。
長かった卒業式と、短かった小学校生活が、同時に幕を閉じた。
「あー。なんか、入学式が昨日あったかのような感覚…。」
「そーだねー。香穂と出会ったのも…たまたま、校門で会って…。」
しんみりした空気の中、突然、遥菜が割って入ってきた。
「ねぇねぇ!聞いて!鈴堂さん、鈴堂グループの令嬢なくせして、森三行くんだって!」
「へぇ〜…ってえええええ!?鈴堂グループ!?森三!?」
森三……森野第三中学校……極々普通の区立中ですけど!?
わたしも、都立中に落ちて、森三なのに…。
みさとも遥菜も、同じく森三だ。
「そういや、珠莉とか麻衣とか千紗もだなぁ。」
「千紗はともかく、珠莉とか頭いいのにね。なんで森三?」
「さぁ、なんでだろうね。」
このときのわたしは、まだ想像もつかなかった。
まさか月華が、あんなことをするなんて————————————
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