社会問題小説・評論板

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お兄さんがくれたもの
日時: 2011/10/31 18:30
名前: グメ@ (ID: DYKeE8.j)

説明はなーし!かくぞー、おー!

Re: お兄さんがくれたもの ( No.1 )
日時: 2011/11/01 17:26
名前: グメ@ (ID: DYKeE8.j)



どうして私はこんなに弱いんだろう


「ねーえフミ?うちら今日遊ぶから日直の仕事かわりにやっておいてねー!」


「それから明日が期限のプリントも片づけておいてよ。桜たちの分」


『そんなの嫌』『やりたくない』『どうして私が?』『あんたたちのでしょ?』


いろんな言葉が思い浮かぶけどきっぱりと言えない。


だから、


「うん…わかった。」


毎日このセリフを言ってしまうの…。





「…っもういやだ」


やるべきことをすべてやり終えると、私はさっさと帰った。


「うわ、外真っ暗になってる。」


そんなに時間かかったっけな。


掃除真剣にやりすぎて時間がたつのに気付かなかったとか…。


…ママ、心配してるかな。


今日こそは言わなくちゃ。


「私、学校で雑用を押し付けられているの」って…。





…言えないよね。


ママ、どんな反応起こすかな。私がいじめられていること知ったら。


きっとうちのママなら——


あ、家ついた。


ピンポーン


「フミ、おかえり。遅かったわね」


「ただいま。ちょっと日直の仕事が長引いちゃって」


「ん〜?昨日も日直だったじゃん」


ハッしまった。え、えーとえーと。


「間違えた!私、委員会だったの。」


「……そう?大変だったね。」


「うん、結構グダグダで…」


…ふぅ、何とかなった。


「ごはん出来てるからね。二人で食べましょう。」


「うん、わかった……」

Re: お兄さんがくれたもの ( No.2 )
日時: 2011/11/03 09:58
名前: グメ@ (ID: DYKeE8.j)



「加害者は、「目の前でちょろちょろウザかった」「冴えない子でクラスのお荷物だったから」などの理由で被害者の千和さんを殺害したようです。」


テレビで、いじめられて殺害された女の子のニュースをやっていた。


私が受けているようなモノより、もっと悪質なもの。


「目の前でちょろちょろウザかった。クラスのお荷物だったのか」


お母さんが悲しそうにつぶやいた。


お母さんもなんとなくはわかるよね。虐められている本人はどんなにつらいか。



虐められたことのある人にしか、きっとこの痛みは分からないんだろうけど…。


「テレビ、変える?こんな重いニュースより…。バラエティやってないかな〜?」



私がリモコンを手に持つと、お母さんは


「はは…ははは」


急にこんな、狂った調子で笑い出した。悪魔でも乗り移ったかのように…。え?なに…怖い


「目の前でちょろちょろウザかった?クラスのお荷物ぅ?」


「…ひ、ひどいよね!くだらない理由で…ひとのいのちをうばって」


「フミ、私もね…」


次の瞬間、お母さんの口から凄く…悍ましい言葉が出てきた。


「ヒトヲシニオイヤッタコトガアルノヨ」





…そのままお母さんは「ははは…」と、笑い続けていた。


私は…そのまま部屋に戻った。

Re: お兄さんがくれたもの ( No.3 )
日時: 2011/11/03 10:03
名前: グメ@ (ID: DYKeE8.j)



言えない…絶対。


お母さん、いじめをしたことがあったんだ…。



私がいじめられているなんて言ったら


狂って笑い続ける?


ヒステリックに泣きだす?


私が悪いって暴力をふるうかもしれない。


どれにしたってお母さんはすごく狂ってしまうんだ。


元々お母さんは大げさな人だった。


普段はおとなしくても、泣いたり笑ったり怒ったり…


凄く大げさなんだ。


だから…お母さんがああいう調子の時はいつもきまって部屋に飛び込んでいた。


いつもいつも。


お母さんが入ってこられないように、ちゃんと鍵をかけてね。


保留。

Re: お兄さんがくれたもの ( No.4 )
日時: 2011/11/03 10:23
名前: グメ@ (ID: DYKeE8.j)

tuduki.


私は携帯を取り出した。


こういう時は、沙耶だ。


「…もっし〜?フミ?」


「うん、フミ。」


「どーしたの?また、なんかあった?」


沙耶は、2年生の時からの親友。


「うん、また日直押し付けられた。」


「うっわ!また桜?」


「…と、ゆかちゃん」


4年の時に鹿児島に引っ越してから、電話で私たちは繋がっている。


「酷い!うんわ、ナイワ〜。ガキでしょ。ゆかと桜。もうあれだね。人に踏みつけられる床と、お金目当てで雇われるさくらだね。」


「うん、もうやだ…」


「確かに酷いけどね。あんたも突っぱねなさいよ。「いやだ」って。」


「できないよ…」


沙耶が言うほど、簡単には言えない。そんな勇気があるならばもう、言ってる。


沙耶がいなくなってから、ほかの友達もどんどん私から離れて行って…仲間なんて、一人もいないんだから。


「沙耶、そっちは平気なの?」


「ん?まーねー。」


実は沙耶は持病の持ち主なのだ。


体中が動かなくなる病気。


だから沙耶もきっと、私よりも傷ついた。


他と違う自分に、すごくコンプレックスを抱えて…。


とても繊細なんだ。


周りに迷惑をかけないために、明るくいる。


たったった


階段を上ってくる音が、部屋の外から聞こえた。


お母さんかもしれない…!



「フミ〜?入れて頂戴」


…。うん、機嫌がいい。


でも、でも、怖いけど…。


「ごめん、沙耶。いったん切るね。」


「わかった。バイバイ。…気をつけんのよ」


沙耶はきっと察してくれて、そう言ったんだろう。


うん、大丈夫。気を付けるから。


私はお母さんのお願は何でも聞いてきた。


お母さんが部屋に入りたいって言ったらいつも入れてた。


家でもこうだから学校でも弱いままなのかな?


ガチャッ


「ふふふ、ごめんさっき。驚かせちゃったわね。」


驚くっていうか怖かった。


「…うん、平気だよ。びっくりしたけど。」


「はぁ〜よかった。うちの子は繊細じゃないからこういう時助かるのよね〜」


むかつく。でも、そんなこと言ったらお母さんに怒られる。


だから、言わないの


「それに比べて鹿児島の沙耶ちゃんはすごく繊細だものね〜。大丈夫なのかしら。」


…そうね、沙耶は繊細だけど、平気だよ。強いもの。







私と違って強いんだもの


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