社会問題小説・評論板
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- —ライト—行き着く先は、光?闇?
- 日時: 2011/11/29 16:43
- 名前: 蓮 (ID: HKLnqVHP)
——行き着く先は、光?闇?
大体の人間は、『光』だろう。
・・・そして、僕は。
——『闇』。運命が僕を導いたのは『いじめ』への道。
僕が悪いからいじめるんでしょう?何もしてなかったら・・・
別に、いじめられる必要は無かったはずだけど。
・・・僕は悪いんだよね?
はじめまして、蓮(れん)です。
ジャンルはいじめ、逆ハー。
謝って人を殺めてしまった父親の息子の物語です。
息子、雷斗は自然と感情を持たなくなり・・・狂っていったり・・・
心臓の弱い方は観覧はご注意です。
この小説を読むときは自己責任でお願します。
まだまだ小説の初心者、アドバイスくださると幸いです。
では、宜しくお願します。
【目次】
[四月]一頁>>1 二頁>>2
[五月]一頁>>3
- Re: —ライト—行き着く先は、光?闇? ( No.1 )
- 日時: 2011/11/26 23:19
- 名前: 蓮 (ID: HKLnqVHP)
[四月] 一頁
僕の父親は、人を殺めてしまった。
父はトラックの運転手で、歩行中の女性を轢いてしまったんだ。
女性はあたり場所が悪く、即死・・・。
〝雷斗の親は人殺し〟
大きな文字で黒板に書きなぐられている。
僕は黒板を消し、席に着いた。
無論、机の上には死ね、等かかれたノートなどが大量。
・・・もう、涙は出てこなかった。
——僕の名は星名雷斗(ホシナ ライト)。高校一年生だ。
別にそんな素晴らしい優等生でもなく、平凡人で。
けどね。
父さんの事故のせいで僕は平凡人じゃなくなった。
・・・『人殺しの子』。
父さんが人を殺してしまったのは、四月一日。
エイプリルフールの日だから、嘘だと思ったけど・・・。
コレは、現実。
嘘なんかじゃ、無い。
——そして、四月二日。僕へのいじめが始まった。
学校に登校するなり毎日かけられる掃除後の水。
毎日盗まれるノート。
学校に居る間は廊下を歩くたび引っ掛けられる足。
テストとなると筆箱の中身は、無い。
下校時刻になると殴られたりする、自分自身・・・。
そういえば、この前は意味不明の薬で1週間睡眠状態になったっけ・・・?
「雷斗、お前まだ来てたのかよ?」
「・・・。」
僕は何も言わない。
彼の名は柊李或(ヒイラギ リアル)。
『雷斗いじめ』のリーダー。
柊は言う。
「なんか言えよ。」
・・・知るか。勝手に言ってろよ。
・・・・・・・もう、どうでもいいから。
すると柊は下を向いた僕の髪を引っつかみ顔を上げさせ、言った。
「まぁ、いい。今日はお前で実験するからな。劣等(レットウ)、白井(シライ)。」
僕は引っ立てられていった。
行き先は、理科室だろう。
案の定連れて行かれた先は理科室だった。
机の上には薬とか。きっと、飲んだら非常に『ヤバイ』ことになる
薬がね——
沈黙が訪れて、3分。
手袋をはめた柊が何らかの液体が入ったビンを振った。
・・・第二リーダーのような二人、劣等と白井が僕を押さえつける。
別に?押さえつけなくてもね・・・?
逃げないよ。僕はね。君達が僕をいじめたいのならいじめたらどう?
——だってそれは僕が悪いからでしょう?
——僕が君たちに何の危害も加えていなければ・・・何も無いんでしょう?
内心、いじめられても別にいいと——
思っていたかもしれない。
- Re: —ライト—行き着く先は、光?闇? ( No.2 )
- 日時: 2011/11/26 23:48
- 名前: 蓮 (ID: HKLnqVHP)
[四月] 二頁
気づくと、大人達のわいわいと騒ぐ声が聞こえた。
ふと瞼を開くと白い天井。
——あぁ、また病院か・・・。
かすかに、理科室での記憶があった。
アレから、柊が紫色の何かを飲ませ——意識は無くなった、ね。
ま、そんなことどうでもいいけどね・・・。
体が動かないことは気に掛かるけど。
そんなことはどうにでもなる。
するとからりと乾いた音がして大人達が入ってきた。
そこには学校の先生達と、医師と、多数の看護師・・・。
入ってくるなり顔を青ざめる人もいる。
僕がどうかしたの?
まぁ、大体は想像できるけどね。
死んだような顔をしているんだろう?
すると医師が口を開いた。
「強い麻痺薬です・・・。ですが1週間ほどで復帰できるかと」
へぇ・・・。麻痺薬、かぁ・・・。頭がボーっとする感じ。
ま、覚えていてもしょうがの無い事・・・。
すると担任の芝居(シバイ)先生が僕に話しかけた。
「・・・、星名。どうしたんだ?麻痺薬など・・・。この前は睡眠薬で・・・。」
「いいえ。・・・知りません。」
やけに重たい口を開いて呟いた。
なんでいじめのことを言わないか。
それは、ね・・・
僕の楽しみが減るからね?
初めの頃——
[四月二日]
『あいつだよな。人殺しの・・・・。』
『あぁ・・・。近づかないほうがイイヨな。変な不陰気するし・・・。』
『え、お前しらねぇの?あいつ朝掃除後の水かけられたんだぜ。』
『うっわー・・・。ま、当然かもしれないけどね。
だってその轢かれた女性・・・あいつのクラスの柊って奴の母親らしいよ。』
『マジかよ。そりゃ仕方ないよな。』
昨日とは全く違う自分へ向けられる視線。
思わず泣きそうになるのを堪えて雷斗は教室に向かう。
教室に入っても冷たい視線は変わらずで——
「痛ッ・・・・!?」
席に着いた途端、右腕に刺さるような痛みを感じる。
机には丁度腕を置きそうな場所に
剃刀の刃とカッターナイイフの刃がうめこめられていた。
血がたらたらと流れる。
涙目になりつつ、ロッカーからノートを取り出す。
するとノートには・・・・。
「な、にっ・・・・。コレ・・・!?」
書きなぐられた『人殺しの子』『悪魔』などの暴力発言。
無論、ノートは破られている。
途端に・・・。
「おい。」
背後から聞こえる声に雷斗は振り返る。
そこには・・・雷斗の父が誤って殺してしまった女性の息子——
柊李或が立っていた。
彼のまわりには多くの男子生徒たち。
- Re: —ライト—行き着く先は、光?闇? ( No.3 )
- 日時: 2011/11/29 16:43
- 名前: 蓮 (ID: HKLnqVHP)
[五月]一頁
麻痺薬事件から3週間・・・
いつの間にか月は四月から五月へ、季節は春から夏へなっていた。
相変わらず、終わらないいじめ。
——別に、もうどうでもいいけど・・・・ね。
僕はきっと、すぐに耐えれなくなって・・・・。
壊れたんだろう。心が。
だから、こんなに薄感情になったのかもしれない。
いじめられて、涙が出ない人なんて、居るだろうか?
それは、きっと・・・。
もう、僕のように壊れてしまった人だけ。
だって、僕は元々『弱い』『下』の人間だから・・・。
すぐ、たった一週間で耐えられなくなったんだ。
からっと音をたてて扉が開くと。
「・・・・・?」
突然、バサァッと音がして・・・。
気づくと、ごみを頭から被っていた。
そして立っているのは、柊と、いつものメンバーと・・・。
学級委員の、藤堂信也さん・・・・?
彼は空のゴミ箱を持っていて、今にも泣きそうだ。
「雷斗・・・さんッ・・・。ごめんなさ・・・・いッ!」
だっと走り出して、彼は行ってしまった。
信也さん・・・。
まさか、脅されて?
僕にごみをかけなかったら、お前をいじめると——。
「ふん・・・。あいつも使えるじゃないか。」
柊が呟いた。
——彼は悪くないだろう。悪いのは、きっと、僕——。
信也さんはきっと嫌だといったはずだ・・・。
けど、僕にごみをかけたのは、本人の意思でなくても、いじめ。
そりゃ、誰だっていじめられたくないだろう。
『いじめ』は人を壊す物——。
僕と同じ気持ちを、関係ない人たちに味わって欲しくない。
けど、彼はこのことは一生心に残るのだろう。
自分がやってしまった、と悔やみながら——。
なにも自分では悲しくなくても、僕は・・・。
『弱い』人間だから。
今にも。きっと・・・・。泣きそうな顔してる。泣かないのが不思議すぎるぐらい・・・・。
でも、僕は泣かない。
涙は、もう奥に閉じ込められているから・・・・。
Page:1