社会問題小説・評論板

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冷野中学校 いじめ 『桜も凍る卒業式』
日時: 2012/03/15 22:25
名前: 仲西 夏海 (ID: 4HUso7p7)

この『冷野中学校 いじめ』では、いじめが起こる冷野(ひやの)中学校のいじめの様子を語ります。

第八章 2年1組の場合
『桜も凍る卒業式』

私のクラス冷野中学校 2年1組はケンカなんてひとつもないみんなで仲のいいクラス。私はその2年1組の学級委員をつとめる 根元 祭花(ねもと さいか)。私たちの中のよさが学校で認められて、卒業式の司会を2年1組がつとめることになった。しかも、司会だけではなく、劇などの楽しい発表も私たちが行うの。練習とかも楽しみすぎるよ〜!すると、親友の麻友が
「ねー、祭花ー。」
と、教室のすみっこからよぼってきた。
「あ、麻友。何〜?」
私は答えてよっていった。すると、実未や恭子を中心に、みんなも集まってきた。
「卒業式にやる『白雪姫』の劇の主役はカワイイくて髪の毛とかもさらさらで色白の桃子がやったらいいんじゃない?」
麻友のだした案は私も納得がいった。だって桃子はクラスの中でも一番カワイイから。
「うん!それ、いいね!」
「うんうん。ナイス!いいよ〜。」
「完璧よね。きょーこ!」
みんなが桃子の方をポンポンとたたいている。
「もぉ。みんな、ホメすぎよっ!はずかしー。」
桃子もテレくさそうに笑っている。
「よし!じゃあ、段取りとか、司会とか仕切りをやるのはリーダーシップと説得力、頭脳とかもイケる祭花が。」
「オーケー!」
楽しい話はどんどん進んでいく。そして、私は段取りも全部考えた。そして、待ちに待った3年生の卒業式。
「よし!みんな。今日ははりきっていくよ!ファイトーオー!」
みんなで声を合わせてさけんだらさっそく私の役目がやってくる。ピアノのうまい麻友は奥の部屋でピアノのちょうしをみながら練習している。カチカチカチッ。あと一分でスタート。
「きゃあっ。」
突然 体育館中にひびきわたったさけびごえ。体育館がざわめき始める。私は準備室にとびこんでいった。
「ど・・・どうしたの!?」
そこにはコケてドレスをビリビリにした桃子の姿があった。
あとから、みんなもかけてきて
「もう時間ないよ〜。だいじょーぶなの?」
「だいじょーぶなワケないよっ。」
と、みんなの声がまじりあわさってきこえなくなった。
麻友もやっとやってきて
「ちょっ・・・・。どーすんの!桃子!」
麻友は桃子をどなりつけた。
「ばかっ。なにドジってんの!時間もないってのに。」
麻友の声は叫びすぎてかすれかけていた。
「麻友。ちょっと冷静になって。桃子もわざとじゃないわ。」
「そうよ。」
みんなも私も必死ではげました。手芸部の音々は急いで針と糸、ドレスの記事を持ってきた。そして、急いで縫い合わせるものの、失敗ばかりでなかなかちゃんと縫う事ができない。
「それでは、そろそろ卒業式をはじめます。」
こんな放送が流れ始めた。すると縫い合わせてくれていた音々の手をふりはらって桃子は駆け出した。
「ちょっと!まちなさいよっ。」
麻友が桃子の腕をぐっとつかんだ。桃子は麻友をギロリにらみつけた。すると、恭子が私の肩をトントンとたたいてきた。
「ねっ。祭花。私達でいったんあやまってこよっ。」
「うんっ。」
恭子に誘われて私と恭子は会場のみんなに謝罪して劇はあとにしてもらった。そして、桃子をなんとかひきとめて音々が針で縫い合わせた。でも、麻友はピアノの部屋にはいっちゃった。そして、劇も終わってみんな帰宅した。家で、私は麻友に今日の事をメールしてみた。
≪麻友。今日は言い過ぎたって思わない?今まで練習してきたのにってキモチはわかるけど・・・。≫
送信。返事はすぐに来た。
≪ぜんぜん思わないわ。桃子がわるいんだもん。私は桃子をいじめるって決めたの≫
信じられない回答だった。次の日に学校に行ってみたら、昨日のメールどうり、みんなや私にとめられながら麻友から桃子へのいじめがくりひろげられた。
そして、しばらくはそんな日が続いた。だんだんみんなもいじめるようになってきた。でも、いじめの相手は桃子じゃ、ない。
麻友・・・なんだ・・・。
私もだんだんこわくなってきて、桃子側につくようになってしまった。でも、気づいたんだ。それは、お母さんが見つけた事。麻友と二人だけでやってた交換ノート。お母さんが「最近書いてないわね」って言ったんだ。それで気づいた。
≪私、麻友を一人ぼっちにさせてたんだね。ゴメンね・・・。≫
運命の送信ボタン。押すときに私の目からなみだがなんつぶもなんつぶもこぼれた。
次の日。昨日までふっていた雨も上がってからからの晴れの日になった。学校にいくといつものようにいじめられる麻友。私はそっと手を握った。
「もうやめようよ。こんなの。私たちらしくない。ぜんぶなかった事にしよっ。」
「祭花・・・。」
みんなは話すのをやめた。
桃子が立ち上がって麻友の左手を握った。麻友はわんわんないた。桃子も。みんなでよりそっていっぱいいっぱいないたんだ。
私たちは私たちらしく、大人の階段をのぼっていくんだ。少しずつ、大きく成長していくんだ。いつか、花開くときまで。


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