社会問題小説・評論板
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 手に取ってみてください
- 日時: 2012/03/20 12:08
- 名前: 39センチ (ID: GXT1iSs/)
- プロフ: http://22日は小学生最後の日
--------------ねぇ
どうして私にはお母さんがいないのかな
お姉ちゃん、教えて
『私が、“デキ”が悪いから
私が、付子だがら
私が、いらない子だったから
私が、
全部壊したから』
- Re: 手に取ってみてください ( No.1 )
- 日時: 2012/03/20 12:12
- 名前: 39センチ (ID: GXT1iSs/)
- プロフ: http://初投稿です、読みづらいです←
私には、お姉ちゃんがいる
優しい優しい
お姉ちゃんがいる
お母さんはいないけど
お姉ちゃんがいた。
「めるか」
小さな声で呼んでもらえる自分の名前が好きだった。
でも、お姉ちゃんは、だれからも名前を呼ばれなかった
でもお姉ちゃんは眉を下げて笑った
「私に名前はないのだから」
そういったお姉ちゃんの名前を、私はまだ知らない。
- Re: 手に取ってみてください ( No.2 )
- 日時: 2012/03/20 12:26
- 名前: 39センチ (ID: GXT1iSs/)
「めるかぁ、寂しいよぉ・・・」
「離れてても、ずっと友達だよっ・・・!」
「皆でオソロのキーホルダーも買ったし、いつでも一緒なんだから・・・っ」
「ねぇ、最後にさ、笑って写真撮ろう!」
「「「「うんっ!」」」」
3月15日、卒業式に撮った写真を眺めていた。
鞠花、樹里、夜彩、そして私。
目が腫れながらも笑っていた
「えへへっ」
机の上のペンケースには4人でお揃いにしたうさぎのキーホルダー。
私達4人は、小学4年生の時にできたグループで、小学6年。
そう、卒業式までずっと一緒にいた。
でも
「・・・なんであたしだけ女子中に・・・はぁ。」
春休みもずっと悔んでいた。
父親の勧めで 南美女子中学 に入学することになったのだ。
春休み、夜更かしばかりしていたにかかわらず
今日、入学式当日には興奮しすぎていつもより早く起きていた。
さっきから椅子に座ったり、立ったり。
立てば鏡の前に行き、新しい制服に身を包まれた自分を眺め、ニコッと
笑った。・・・気持ち悪っ!!
スカートはなんとかなったものの、身長の低い私は、制服は大きなもの
で、指先がギリギリ見えるほどだった。
色素薄いのが憧れの、真黒の長い髪をツインテールにしてみた。
小学生までは、そのままにしていたけど、やはり中学ではイメチェン!
みたいなことをしてみたかったのだ。
- Re: 手に取ってみてください ( No.3 )
- 日時: 2012/03/20 12:37
- 名前: 39センチ (ID: GXT1iSs/)
「めるか、もうそろそろ行かなきゃじゃないの?」
ドアの向こうで、私の大好きな優しい声が聞こえた
「うんっ!」
私はドアの横に置いておいた革のスクールバックにペンケースを入れて
ドアを開けた。
「おはよう、お姉ちゃん!」
「ふふ、おはよう。」
小さく微笑み、お姉ちゃんは私の頭を撫でてくれた。
「髪型、似合ってる。制服もね。」
「っ!ありがとうっ」
お姉ちゃんの細くて白い、冷たい手が私の頭をよしよし、とする。
すごく嬉しくて、心が温かくなる。
「朝早かったみたいね、ご飯食べたんでしょ?」
「うんっ!・・・お姉ちゃんも学校行くんでしょ?」
お姉ちゃんは、今日から高校3年生。
大学は行かないで、働くらしい。
「・・・そうね、まだ時間あるから、一緒には行けないけど」
「そっかぁ、じゃあ、お姉ちゃんも学校楽しんできてね。」
「・・・ありがとう。」
小さな声で話すお姉ちゃんの横を通り過ぎ、玄関まで小走りで行く。
お父さんは仕事の都合で昨日からいない。
でも、お姉ちゃんがいてくれるから、寂しいなんて思ってない
私には、お姉ちゃんという存在がたまらなく大事なのだ。
「行ってきます。」
そう呟いて、ピカピカ光るローファーを鳴らしながら、外に出た。
Page:1