社会問題小説・評論板
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- これは虐めではありません、…復讐です。
- 日時: 2012/03/21 14:55
- 名前: 會沢林檎 ◆omZVsyei9E (ID: ZvRr1aJX)
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會沢林檎( aizawa ringo )です(*'0'*)◎駄作率かなり高いすけど。
よろしければ読んで頂ければな、と思います。
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「 これは虐めではありません、…復讐です。 」
表情を何一つ浮かべず言い放つこの女の名称は
—— 氷人形 .. ice doll .
- Re: これは虐めではありません、…復讐です。 ( No.1 )
- 日時: 2012/03/21 15:17
- 名前: 會沢林檎 ◆omZVsyei9E (ID: ZvRr1aJX)
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◆ 奈倉 綺 nagura aya
転校生として三浦中学校にやってきた桃澤唯子を虐め始める。
桃澤が来るまでは笑顔が可愛い女の子だったが、虐め開始後
彼女に異名"氷人形"が付く。
◆ 桃澤 唯子 momozawa yuiko
綿菓子のような可愛らしい女の子。父の転勤から三浦中に転校。
父は仕事に忙しい人間で、幾度となく転校を繰り返している。
好感度が高い子だが、奈倉 綺から虐めに遭う。
◆ 日橋 恩香 hibashi meguka
奈倉 綺の取り巻き。虐めに参加している。
◆ 弘原海 鈴 wadatsumi suzu
奈倉 綺の取り巻き。虐めに参加している。
◆ 蓼沼 天寧 tadenuma amane
読書と男子が好きな派手ギャル。大きなお団子ヘアをしている。
◆ 篠葉 一蓮 shinoba ichiren
奈倉 綺の幼少期からの友達。クラス委員長で、イケメンでもある。
綺の桃澤唯子への虐めを何とかして止めたいと思っているが、
絢の虐めをする理由を知っているため、それができずにいる。
◆ 榊田 智暁 sakakida tomoaki
読書が趣味で外見もいいので、蓼沼 天寧のお気に入りの優等生。
虐めを心底嫌っており、主格である奈倉 綺の事が大嫌い。
- Re: これは虐めではありません、…復讐です。 ( No.2 )
- 日時: 2012/03/21 15:34
- 名前: 會沢林檎 ◆omZVsyei9E (ID: ZvRr1aJX)
[ chapter 0 ]
私にとって生まれ育ったこの街は、かけがえのない存在。唯一無二の私の故郷。
同じ学校、同じ教室で過ごす三浦中3年2組という仲間は故郷に匹敵するような大切な仲間たちだ。
クラスメイト35名、皆の仲がいい——まさに理想的なクラスだ。
「 綺〜! 今日も放課後図書館行く? 」
「 行こうと思ってる! テスト多くて嫌だね 」
ただ、学校って言うのは楽しいだけじゃないのがたまにきず。
誰もが嫌う、1学期中間試験があと1週間後に迫っている。かなり嫌。
嫌といっても、今年高校受験生である私達には逃れられないことなんだけど。
試験に向けた勉強をするために、私は最近図書館を利用している。
しーんとしてるから勉強しやすいってのももちろんだけど、私は何より図書館の雰囲気が大好きだった。
友達の恩香は嫌な顔をせずに、図書館通いに付き合ってくれている。
「 んじゃ行くか〜、毎日本当勉強ばっか 」
「 早く中間おわんないかなあ。 」
「 あと1週間だよ〜。 」
すれ違う友達にばいばいを言いながら、昇降口へ向かった。
まだ4時……もう5月も終盤だし、7時ぐらいまで勉強してっても構わない…はず。
だとしたら、2時間半は勉強できるかな。
* * * * *
図書館に向かう途中で、恩香が「雑誌!!!」と叫んだ。
恩香が毎月買ってる雑誌の今月号発売日らしい。コンビニ付き合って、と言われたので
断る理由も無いから私は恩香の買い物に付き合うことにした。
コンビニへの道のりの中で、新築の家を見た。
「 こんな家あったっけ? 新築うらやまっ 」
「 誰か引っ越して来たんじゃん? 転校生来るかもね 」
「 この時期に転校生? 修学旅行も終わっちゃったよ〜。 」
「 思い出できなさそうだよね 」
私達の中学は修学旅行は4月下旬に終えてしまう。行き先は、沖縄。
思い出すと、楽しかった時間が昨日のように思い出される。
私は新築の家と家族は特に気にも留めず、コンビニへの道を急いだ。
- Re: これは虐めではありません、…復讐です。 ( No.3 )
- 日時: 2012/03/21 15:50
- 名前: 會沢林檎 ◆omZVsyei9E (ID: ZvRr1aJX)
[ chapter 1 ]
図書館通いの日々を一昨日終え、昨日は中間試験を終え。
勉強詰めの日々からようやく一瞬解放された3年2組に今日、転校生がくる。
「 やっぱあの新築のとこだよね 」
「 かっこいい男子だったら超嬉しい 」
「 期待すると損するぞっ 」
仲良し3人組の私、恩香、鈴は、教卓を取り囲んでそんな話をしていた。
本音を言えば、私には転校生は関係ないだろうと思っていた。
かっこいい男でも美人な女でも、不細工な男でも太った女でも。
私は転校生と関わる気があまりなかった。いつもの3人組で仲良く卒業を迎えたいと言うのが本音だった。
朝の教室に予鈴が響く。3年にもなると、注意されずとも自ら着席するようになる。
しんとした教室。でも誰もが転校生への期待を抱いているのだろうと思った。
隣の席の荒居君も、美人に期待してるみたい。
さっきの鈴の「期待すると損する」という言葉を、荒居君に言おうか迷った。
がらっと、乱暴に教室の戸をあけて、背の低い中年女性教師が入ってきた。
後ろに続く子は——女の子だった。頭が下がっていて、顔は見えない。
ふと恩香の方をみると、残念そうな顔を浮かべている。かっこいい男子じゃなかったからね。
茶髪がふわふわ揺れている。地毛だろうか。あの茶髪は……。
顔をあげた女の子は、大きな瞳と綺麗な二重、上がった口角が可愛い子。
隣で荒居君が小さなガッツポーズをしている。
「 はいはい、静かにね 」
誰も喋ってはいないのに、担任の渡辺はそう言った。
「 知ってる人もいるかもしれないけど、xx県から転校してきた、桃澤唯子さん。自己紹介してもらいますね。 」
先生がそういうと、悟るように女の子が1歩前へ出て口を開いた。
「 初めまして、桃澤唯子です。よろしくお願いします。 」
深々と頭を下げると、教室からは拍手が起きた。
私は拍手を——しなかった。
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