社会問題小説・評論板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

〜格差ライフ〜
日時: 2012/07/20 16:06
名前: 水玉シュシュ♪ (ID: DTH1JhWe)



「わあっ、何コレかわいーっ!!」
「CMで見たことあるーっ!!」

今日も仲川さんの周りにはたくさん女子が集まっている。

私はそこをじっと見つめる。

どうやら今日は---------

「校則オッケーのマスカラよ。試供品でよければどうぞ」

昨日はリップ。一昨日はマニキュア・・・。

「いいの〜っ?!」
「ありがと〜〜〜っ」

仲川さんのお母さんは化粧品会社の部長を務めている。

だから、最近のコスメグッズは何でも持っている。

そのうえきれいで頭もいいからいつもみんなの注目の的。

仲川さんの周りにはいつも人が集まって、キラキラ輝いて見える。

それに比べて私は・・・

Re: 〜格差ライフ〜 ( No.8 )
日時: 2012/08/06 13:46
名前: 水玉シュシュ♪ (ID: DTH1JhWe)

翌朝。

私は深夜まで仲川さんとメールをしていたから、なかなかベッドから離れられなかった。

(・・・楽しい!)

莉央とのメールは何だかそっけない感じがしてた。

返信も遅かった。

でも、仲川さんは違う。

絵文字や画像、写真で飾られたデコレーションメール。

少なくとも5分以内には返ってくる返信。

ばかみたいって笑わないでね。

私は、返ってくる返信の速さが、友達とのつながりだって、本気で思ってる。

だから、もしかしたら、

私が本当に友達であるべきは

莉央じゃなくて

仲川さんなのかな。

Re: 〜格差ライフ〜 ( No.9 )
日時: 2012/08/06 17:10
名前: 水玉シュシュ♪ (ID: DTH1JhWe)

駅に着いたら、昨日仲川さんと待ち合わせた電車に乗り込む。

いつもより1本遅い電車だから、見知らぬ人だらけ。

あと3駅で仲川さんが乗ってくる・・・。

そんなことを考えながら、私は携帯を取り出した。

昨夜、莉央に送ったメールを見返す。

『明日はいつもと違う電車に乗るのから、先に学校行ってて下さい♪』

返信は今朝来ていた。

『了解』

たった一言だった。

おもわず仲川さんのデコレーションメールと比べて、もう、と自分を叱る。

ただの思い過ごしかもしれないけど、莉央と仲川さんの間には、何か、壁があるように見える。

キレイでかしこい、化粧品会社に勤める母を持つ仲川さん。

同じくキレイでかしこい、でもクールでそっけない莉央。


・・・・何だか莉央を批判するみたいになっちゃったけど。

『七海、どうしたいの?』

莉央の問いに目をそらした私は卑怯ですか?

私はいったいどうしたいんだろう?

どっちと一緒にいたいんだろう?

「間もなく、○○駅ー、○○駅ー」

車内にアナウンスが響き、電車の扉が開く。

私がいったいどうしたいのか、本当は心の中では決まってたと思う。

「仲川さん、おはよう!!」

こんな私は、やっぱり卑怯・・・ですよね。

Re: 〜格差ライフ〜 ( No.10 )
日時: 2012/08/06 17:35
名前: 水玉シュシュ♪ (ID: DTH1JhWe)

「おはよう七海さん。昨日は遅くまでメールしちゃってごめんなさいね」

仲川さんがにっこりほほ笑む。

うう!!

ま、眩しい!!

「う、ううん、いいの!いつもあのぐらいの時間まで起きてるし」

すると、仲川さんの取り巻きーーー

(ううん、私もこのグループに入った・・・じゃなくて、入るかもしれないから、名前で呼ぼう!)

ーーー沙織ちゃんと、加奈ちゃんと陽菜ちゃんが、

「私達にも七海ちゃん、じゃなくて七海のアド教えて!」

「今赤外線で交換しよ〜」

「ケータイ出せる?」

と私のほうを向いた。

慌てて携帯をバッグから引き出す。

「うん、交換しよう!沙織ちゃん、加奈ちゃん、陽菜ちゃん!」

「呼び捨てでいいって〜!」

「七海さん、もちろん私のことも呼び捨てで真紀って呼んでね!私も七海って呼ぶわね?」


今朝の登校は、ずっとしゃべり通しで、私はずっと笑っていた。

こんなに朝の登校が楽しかったのは、中学校初

いや・・・。

人生初かも。

「?七海?どしたの?」

考え事をしていたら、いつの間にか皆と距離が開いていた。

「ううん、何でもない!!!」

私はみんなのもとへかけていった。

Re: 〜格差ライフ〜 ( No.11 )
日時: 2012/08/06 18:04
名前: 水玉シュシュ♪ (ID: DTH1JhWe)

教室のドアを開けるのが、少し怖かった。

莉央に会うのが、嫌だった。

怒ってるかな、また何か言うのかな…。

でも、そんな不安を消し去るようなガラッという豪快な音を立てて、仲川さ・・・真紀がドアを開けた。

私の目は瞬間的に莉央を捕らえた。

莉央は、窓側にある一番後ろの自分の席で相変わらず本を読んでいた。

私も真紀達同様、自分の机にスクバをかけて、教室の隅っこにある“掃除道具入れ”という札がかかったロッカーの前で集まる。

ここで集まるのは真紀達だけではなく、クラスのほぼ全員の女子。

昨日までは莉央に「私達はあんなところ、行かないでおこうよ」と言われて、ただ見ているだけだったけど、今日は違う。

私もみんなの一員になれた・・・!

* * *

しばらく皆で話していると、ある女の子がそろそろいいかな、とつぶやき、声を潜めてこういった。

「あのさ、提案があるんだけど。・・・今じゃあ時間がないから、お昼休みに女子トイレに集まってくれない?」

ちょうどそのとき、1時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った。

皆が足早に自分の席へ戻っていった。

Re: 〜格差ライフ〜 ( No.12 )
日時: 2012/08/06 18:26
名前: 水玉シュシュ♪ (ID: DTH1JhWe)

それから四時間、授業の内容は何も頭に入ってこなかった。

ずっと、あの女の子の提案のことで、頭がいっぱいだった。

そして、四時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った瞬間、私は先生と礼をするのも忘れて、トイレへかけ出した。

* * *

「も〜っ、真紀ったらそんなに笑わないでよぉ〜」

トイレに私の声とみんなの笑い声が響く。

「ごめんごめん。でも先生と挨拶せずにトイレに向かってダッシュだもの」

「あのあと先生『あの生徒はよほどトイレを我慢してたのかな?』なんて言ってたよ〜!」

沙織の一声で、また皆がドッと笑う。

ああ、恥ずかしい。

顔が、耳まで赤くなる。

「それは、その提案の内容が気になって・・・」

私が言うと、今朝の女の子が真顔になって皆を見る。

皆といっても、ここに莉央はいないけど。

「私ね、・・・ちょっと言いにくいんだけど、最近、莉央が生意気だって思うの」

ヒヤリとした。背中に氷を入れられたような気がした。

サイキンリオガナマイキ・・・・。

私が呆然としてる間にも、話はどんどん進んでいた。

そして、気づいたら、莉央をいじめて懲らしめようという結論がでていた。

ある女の子が、一人一人にいいよね?と聞いている。

皆首を縦に振ったり、いいよーと答えたりしている。

ついに最後は私の番。

「七海ちゃんも、一緒に莉央を懲らしめるよね?」

「・・・・・!」

・・・・・・・・・。

すぐに答えない私に、その子は言った。

「もちろんやるよね?だって、莉央が嫌で仲川ちゃんのグループに入ったんでしょ?」

その一言で、私の中で何かがはじけた。

自分でも驚くような冷たい声で、返事していた。

「いいよ。やっちゃおう」


Page:1 2 3 4 5 6 7



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。