社会問題小説・評論板
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- 原発にこわされた世界
- 日時: 2012/08/20 17:29
- 名前: 空 (ID: NGqJzUpF)
2017年
この場所ができた。
偽物の空と、偽物の太陽。
そして、選ばれた人間。動物、植物。
外にはもう出ることはできない。
いくつもの壁に囲まれた場所。
そう。ここは 日本‥‥‥‥
- Re: 原発にこわされた世界 ( No.1 )
- 日時: 2012/08/22 22:16
- 名前: 空 (ID: NGqJzUpF)
2030年
「ユメ!こんなとこにいた!」
「あぁ。カイか‥‥‥」
この世界はまだ壁に囲まれている。
「なぁユメ。また壁までいこうぜ!」
「バカ。今日は中学校の入学式でしょ?」
春なのに、桜は見あたらない。
植物はすべて日本の中心部で保管されている。
「あ〜。そうだったな」
「さぁ。行こうか」
私は立ち上がりそう言うと
カイの自転車の後ろに乗り
「のせてって!」
と言うとカイは
「え〜!?」
とおもいっきりいやそうな顔をした
だけど結局2人乗りで学校まで行くことになった。
「カイ〜。同じクラスだといいね」
「なにその女子みたいな発言」
「は!?女子だから!」
ドンッ
「うお!‥‥‥いってぇー。」
「ご、ごめん‥‥‥」
なにげなくカイの背中を押すと
カイはバランスを崩し自転車ごと坂をおちた。
「おい!ユメ。血が!」
私の足に自転車のパーツが刺さり血が出ている
「え!?うっ‥‥‥痛い!」
「動くな!ちょっと待ってろ!」
カイは自転車をどけて私の足を見る
「他に痛いところは?」
「あ‥‥‥あたま‥‥‥」
「おい!?どうした?ユメ!ユメ!」
そのあとのことは覚えていない。
目が覚めると病院だった。
- Re: 原発にこわされた世界 ( No.2 )
- 日時: 2012/08/24 18:49
- 名前: 空 (ID: vJF2azik)
私はもう長くは生きれないらしい。
「カイ‥‥‥」
「ユメ!大丈夫か?」
「うん、でも外に行かないと。」
「そう‥‥‥か。」
私は壁の向こうに行くらしい
けがをした人や、何か病気を持っている人は‥‥‥
よっぽど有名人じゃないと『外』に生かされる。
外はもう生きることができないぐらい‥‥
汚染されているらしい。
原発事故が起きて
日本はどこにも安全な場所がなくなった。
日本政府は何もしなかった。
その時。1人の人が言った。
『どこか、まだあまり汚染されていない場所を
徹底的に除染し、その場所を壁で囲み、その中で暮らそう。』
そのなにげない一言が実行された。
「ユメ!俺も行く!外に。」
壁の中に住める人数は限りがある。
だから、政府は病気やおおけがをした人は外へ
つきそいは1人まで。
「いいよ、迷惑でしょ?」
「じゃあ。誰がつきそいとして行く?」
「‥‥‥1人で行くよ。親もいるし」
私の親は外にいる‥‥‥‥
壁の中に入れるのは。
有名人や将来きたいのある人
私は成績がよかった。
それは学年1位と言うものではとどまらないほど。
そして、1人だけ一緒に行ける
その1人を選ぶ時
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「お願い!ユメちゃん!うちのカイも
どうか、壁の中へ!」
私の父親はもう死んでいる。
私はお母さんと行く予定だった。
「でも‥‥‥‥私!」
「いいのよユメ。カイ君と言っておいで」
「でも!お母さん!」
私は結局お母さんをおいて来た。
「お母さんは体が弱いから‥‥‥‥
きっと。行ってもすぐにここに戻って来ちゃうわ」
私はカイと壁の中へ
「ご、ごめんな。ユメ」
「いいよ、別に」
「でも!」
「いいってば。いいかげんうざいよ!」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「私。お母さんに会ってくるよ」
私は1人で壁の外へ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥でも
- Re: 原発にこわされた世界 ( No.3 )
- 日時: 2012/08/25 19:55
- 名前: 空 (ID: vJF2azik)
「お母さん‥‥‥帰って来たよ?」
家はとても静かだった。
いやなぐらい
「お母さん?」
お母さんはいなかった。
私はカイのお母さんのところへ行ってみた‥‥‥
そして後悔した。
「ユメちゃん。あのね‥‥‥‥」
「どうかしたの?おばさん」
「あのね。あなたのお母さんは、
死んだの
あなたが行ってすぐに‥‥‥‥」
私は。後悔の渦に巻き込まれたように
何もかもがなくなったように
倒れ込み、ただ泣いた。
真実を受け入れることは
とてもできなかった。
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