社会問題小説・評論板
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- 裏と表 〜わがままな妹〜
- 日時: 2012/09/15 16:11
- 名前: モモンガc(-э-)っ (ID: NTBCloh9)
プロローグ
このまま私は死ぬなんて、有り得ない。
もっと幸せに死ぬはずだったのに。
そうさせたのは妹。
——————自由にさせるわけにはいかない。
———〝姉"として、義務がある。
登場人物
鮎川麻由美 mayumi ayukawa 14歳
鮎川沙由理 sayuri ayukawa 14歳
作者からの一言
初心者です。小説に挑むのは初めてです。
gdgdな内容になっちゃうかもしれませんが、
できればかき続けていきたいと思います。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
父が死に、母は再婚することになった。
父が死んでからは 母も私も元気が無かった。
でも、新しく『父』になる人と結婚すると、
私には『妹』ができる。元々、私は一人っ子だし、
嬉しかった。すごく。すっごく。
—————その時は。
私はその人たちを母から紹介されることになったので
○○デパートの喫茶店で2時、会う事になった。
「あー、キンチョーするなぁ。妹ができるんだもんなー」
前持って私はプレゼントを用意しておいた。
白い小さな箱に、私の好きな色の水色のリボンをつけて、
入れておいた。中身は、———ネックレス。
小さな鎖で結ばれた、星や月の形をした白い石が着いている、
かわいいネックレス。値段は少し高めの、1200円。
2時。父子が私と母が座っているテーブルに恥ずかしげにやってきた。
——あー、これから一緒に暮らすのかー。この人たちと。
お父さんの方は、背が高く、がっしりした体系で、中年ぽい感じの
男の人。逞しくて、頼りになりそうだった。
女の子の方は、茶髪で髪が長く、ワンピースの色は水色。
私よりギリギリ身長が小さかった。顔が小さく、可愛かった。
名前は麻由美。
「あの………これからよろしく」
もごもごしながら言うと、麻由美はにっこりして言った。
「よろしく。お姉ちゃん」
早速『お姉ちゃん』といわれて、少し気分が嬉しくなった。
性格もよさそうだし、いい妹だなーと心の中で思った。
- Re: 裏と表 〜わがままな妹〜 ( No.4 )
- 日時: 2012/09/29 16:18
- 名前: モモンガc(-э-)っ (ID: yMr7nvgj)
「泣いてるのぉ?アハハハハッッ!!」
瞬間、足首に激痛が走った!
「痛ッッ!!」
麻由美に足首を踏んづけられていた。
足首に麻由美の全体重が圧し掛かる。
「痛い、痛い、やめて!」
麻由美は私の言ったことを無視した。
やめてくれるどころか、もっと強く力をこめた。
ぐきり。鈍い音がした。
「あー、妹を苦しめるのって楽しー…」
力が和らぎ、私の足首から足を離すと、見ると
足首は真っ赤になって腫れていた。
「っ……く…っ」
その時、お母さんの声が聞こえた。
「沙由里?!どうしたの…?!」
「おかあさん……この子が——」
「お姉ちゃん、歩いてる途中で足、くじいちゃって、
腫れちゃったみたいなの」
急に声色を変え、ウソの出来事をぺらぺらと話す。
少しの間沈黙が続くと、麻由美がこちらを睨んで、
目でこういっていた。
『うんって言え』と。私は仕方なく、弱弱しく返事をした。
「———うん……」
「まったく、これから食事に行くのに。大丈夫?」
大丈夫じゃなかった。
足首がズキズキと痛みの波が襲ってくる。
異様に変形した足首を見ても両親はなんとも思わないのだろうか。
「だ、大丈夫…」
足を引きずるように広場を出ると、後ろから
麻由美が低い声で言った。
「私の事言ったら何もかも壊してやるから———」
私は唇を噛み締めるしかなかった。
それから、近くのファミレスで食事を取った。
麻由美は食事中もニコニコしていたが、沙由里の足は
その間にひどい腫れを起こしていた。それでも我慢して、
無理に笑顔を作った。多分、引きつってたと思う。
- Re: 裏と表 〜わがままな妹〜 ( No.5 )
- 日時: 2012/09/29 16:43
- 名前: モモンガc(-э-)っ (ID: yMr7nvgj)
私は家族との会話の途中、あまりの痛さに耐え切れず、
トイレに行くと 嘘をついた。
トイレはこのテーブルからすぐ近くにあった。
ハンカチを水で浸して、足首に当てると、少し痛みが和らいだ。
イスがあったのでサンダルを脱いで座った。
人が見たら変に思うかもしれないので、すぐ戻るつもりだ。
麻由美の性格はまるでジキルとハイド。裏と表の性格だった。
このままだともしかしたら怪我が増えていくかもしれない。
何もかもが壊されてしまうかもしれない。
そういえば、会話の途中10回以上再婚した、と言っていた。
決まって姉のいる母子と再婚したと言う。
何回も再婚したのは 麻由美に振り回されて耐え切れなくなった子が
多かったからだろうか。私もそんな風になると思うと、
ぞっとした。
「無残な姿〜。そんなんでバックれるとかマジダッさ」
麻由美が来た。笑いながら。
慌ててサンダルを履いて、立ち上がった。
「早く戻れよクズ。もっと痛めつけてやろうか?」
「…………っ」
トイレから出ると、両親はすでに会計を終えていた。
麻由美は私から離れると、笑いながら両親に寄って行った。
私はもう笑う元気もなくなっていた。
何故、麻由美はこんな風になってしまったのか。
麻由美は過去に何があったのか。
答えの出ない問いを頭の中で繰り返していた。
- Re: 裏と表 〜わがままな妹〜 ( No.6 )
- 日時: 2012/09/29 17:04
- 名前: モモンガc(-э-)っ (ID: yMr7nvgj)
家に帰ると、母が私の家のことを色々と紹介していたが、
私は参加せずに部屋に閉じこもった。
ちぎれたネックレスをカバンから取り出すと、
ゴミ箱に乱暴に放り投げた。
そして、ベッドに蹲って大泣きした。声を上げずに。
そしたら父と母が駆けつけてくるから。
私は運が相当悪いのかもしれない。
登校途中、大事なストラップを落としたり。
掃除の時間、廊下に無造作に置いてある雑巾で滑って、
大きなタンコブが頭に出来た。
嫌いな人と毎回席が隣になったり。
たいしたことは無いけれど、日常では毎回
このようなことが起こっていた。
ついに、運の悪さが最大になってしまった。
もうイヤだ。どうして私はこんなに運が悪いの———。
気がつくと、掛け布団は涙でびしょぬれになっていた。
ティッシュで涙を拭き、ドアを開けると同時に、
手を力強く引っ張られた。
「!?」
「つまんなくってさー、表出ろよ」
麻由美だった。
この人は私をこんなに不幸にすることが楽しいのだろうか。
抵抗をする力も無かった。
腕を引っ張られながら、見知らぬ公園に入った。
「何———?」
パチン、麻由美が指を鳴らすと、背の高い女達が現れた。
その瞬間、麻由美の仲間だとすぐに認識できた。
先は読めていた。
——これから私はひどい目に会う、と。
後ろから突然、蹴り飛ばされて私は地面に倒れる。
「コイツ?新しい『妹』って!」
「そーそー、これからこいつの叫ぶとこ見たいんだよね」
「OK!」
女達は笑いながら、バレない様な私の背中、腹、腰を
殴ったり、蹴ったり。短いうめき声を何回も発していた。
私が何をしたって言うの———?
- Re: 裏と表 〜わがままな妹〜 ( No.7 )
- 日時: 2012/09/29 17:19
- 名前: モモンガc(-э-)っ (ID: yMr7nvgj)
女達の一人が何かを取り出した。ライターと、煙草…。
「一回だけの方がいいよねー」
「親にバレるし」
何の事を言っているのか分からなかった。
一人が口に煙草を加え、ライターで火をつけた。
麻由美が洋服をめくって、背中を丸出しにした。
女が私の背中にタバコの火を押し付ける。
「あああああっ!!!」
背中に激痛が走り、あまりの痛さに叫んでしまった。
「キャハハハハハハハハ!!!」
女達がいっせいに笑い合う。
私はこのまま死んでしまうの?
神様は私が幸せになることを望んでいなかったの?
何でこんな目に合わなくちゃいけないの?
「ねぇ、もうそろそろヤバくない?」
「親に黙ってきたんでしょ?」
「そうだね、じゃあ帰る」
「じゃあね、妹さん♪」
最後に一人ずつ、背中のやけどの後を蹴っていき、
麻由美を除いて一人ずつ帰っていった。
- Re: 裏と表 〜わがままな妹〜 ( No.8 )
- 日時: 2012/10/01 16:57
- 名前: モモンガc(-э-)っ (ID: yMr7nvgj)
「さ〜てとっ、楽しんだし帰ろっと」
麻由美は一人で帰っていった。
その後姿を見ていると、
目が霞んできた。
体中が、痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
ふらふらしたからだで私は家まで帰った。
家に帰ると、父と母はリビングでテレビを見ていた。
私の様子に気付かないようだった。
まぁ、当たり前だった。
洋服で見えないような所を蹴られたり、殴られたり。
麻由美の凶悪さに私はますます 恐怖を覚えた。
傷でボロボロになった体を、私は一人で手当てした。
背中の傷は苦戦しながらも、包帯を巻いて、
その上に洋服を着て、分からないようにした。
これは私達が『姉妹』である限りずっと続くのだろうか。
——次の日——
新しくクラスに入った麻由美。相変わらず人前では
ニコニコしていた。この笑顔が『悪』に変わるのか
予想すら出来ない。
麻由美はすぐに友達が出来た。この時間帯だけは
人が変わらない様に見え、私は安心していた。
しかし———
休み時間のことだった。
屋上へ何気なく行ってみると、鋭い悲鳴が聞こえた。
何事かと奥を見ると———
———麻由美とさっきの女達だった。
一人の少女が麻由美達に囲まれている体勢になっていた———。