社会問題小説・評論板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

毒林檎と人間。
日時: 2013/01/08 23:42
名前: りむ (ID: hZy3zJjJ)



■挨拶

クリック有り難う御座います!別館初心者の者です。今回、( いやマジで ) 掲載させて頂くのは、「虐め」や「リストカット」或いは「ストーカー」なんて言った問題を題材にしていこうと思います。
(いやマジで)社会問題系は初投稿なんで頑張りますよ、更新停滞しないように。

■注意とか
荒し中傷は止めてください。泣きます。え、ああハイ。引かないでッ ((
更新は亀と100m走したら余裕で敗北するペースなのかも。
文才という神の器は手に入っていない。ココ重要。ああ欲しいな、文才。

■お客様

コメント大歓迎です。うぬ(`・ω・´)

■目次
 第一章@毒林檎と私。
………Page1 




毒林檎と私。 ( No.2 )
日時: 2012/10/23 20:50
名前: りむ (ID: Ga5FD7ZE)





…………… ねぇ、知ってるよ。
    アンタが叶を殺そうとしたんでしょ?
   だって叶は、絶対に自殺なんて考える子じゃない。
   物静かで冷静沈着。それが、私の自慢の叶だったんだから。


それを……それをね。


アンタが壊したのよ!!!!!!
私の、普通だった日常が全部、脆く壊れていったの。アンタのせいで、アンタのせいで!


「“私”を返して………」


力なく、うわ言の様に呟いた。
私は自分の声で目を覚ましてしまったようだ。しかし、目元が熱い。何故だろうか。
それとは売って変わって、頬は冷たかった。まるで、涙を流しているようだった。
涙………? 私が、涙なんて。
そう思って目元を軽く手で擦った。

「っ」

ズキンっと、頭に痛みが走った。まるで衝撃波のようなそれは、無防備な私の後頭部を狙った。
涙とか、もうどうでもいいや。
痛い。鈍い痛みだ。
叶はもっと、痛かったのかな……? 不意にそんな疑問が脳裏をよぎる。

「痛いよぉ………っ! 助けて、叶……っ」

大きく声を漏らした。目の前に叶が立っている。
顔はよく見えないけれど、私の大好きだった、あの時のままの諏訪ノ森 叶の姿だった。
私は助けを求める為に、右腕を前に突きだして、叶の腕を掴もうとしてみた。何度も、何度も。
しかし掴めるのは空気だけだった。

「か、のぉ…………? 」

ふと見えた叶の横顔。唇は震えていた。そして、笑っているような気がした。
叶はそのまま私の腕を掴んだ。捕まれた、という感触はなかったけど、確かに私の右腕は、叶の手の中にあった。

「忘れなイで。私を殺そうとシたのは、アなタなのよ」

叶は笑う。
虐めを受ける者を見て、
「ざまあみろ」   と。
叶は憎む。
笑う彼女の声を聞き、
「殺してやる」   と。





私は何の為に生かされたのですか?

Re: 毒林檎と人間。 ( No.3 )
日時: 2012/11/02 20:49
名前: りむ (ID: Ga5FD7ZE)


毒林檎と人間。 『prologue』ー終










暑い。太陽がじりじりと照り付ける。肌が焼けるように痛い。そりゃ、今は10月だ。こんな真夏日になるとは、到底予測出来ないだろう。日焼け止めなんて塗ってないのに。
私は紅 林檎。まあ、そんな事はどうでもいい。今はそれ所では無いのだ。

私は、視線の端にいる黒いパーカー、帽子、マスク、サングラス姿の男を見た。今は電柱の影で上手く隠れている。しかしもう直に、そうもいかなくなるだろう。

私は口許を歪ませて笑った。
奴にバレないように、小声で呟いてやった。

「頼んだぞ、叶」

最初に言って置くが、これは断じて独り言などという物ではない。れっきとした会話なのだ。
私は制服のスカートを揺らしながら、早足でその場を離れる。ここは狭い裏路地のような道路だ。見えるのは近隣の住宅の壁のみ。詰まらない路だ。
私は歩いて行き、途中で立ち止まる。

後ろを着いて歩いていた奴も、きまりが悪そうに渋々足を止めた。ストレスの溜め込み過ぎはよくないぞ、と言ってやりたいものだ。


『じゃあ、行くね』


電子音と混じって、聞きなれた叶の声が聞こえた。






【ストーカー狩り、成功】

リストカットは癖になる。
それと同じ原理だ。ストーキングだって、やればやるほど楽しくなる。殺してやりたいほどに、あの子を手に入れたくなってしまう。





またあの子は、ストーカー狩りをしたようだ。でも関係ない。


私はアナタが好きよ。

憎くて、でも大好き。どうしてだろうか、ここまで殺したいと思う程好きになった子は、『あの子』が初めてなんじゃないかな。

Re: 毒林檎と人間。 ( No.4 )
日時: 2012/11/08 21:45
名前: りむ (ID: Ga5FD7ZE)



『林檎っ! やばいよ、色々と』

ヘッドフォンの向こうから、叶の声が聞こえてきた。かなり慌てた様子だ。
私、紅 林檎は、親友の桜樹 叶と共に【ストーカー狩り】と呼ばれる手法の金儲けをしている。
【ストーカー狩り】は、依頼主が悩みに悩まされているストーカーを私たちで捕まえてお金を貰うという危険な仕事だ。
しかし、私たちがこれをやっているのには訳があるのだ。

「何? もしかして、奴に気付かれちゃった? 」

私は小声でヘッドフォンの向こうの叶に話し掛けた。
今日の仕事は簡単なものだった。「依頼主に付き添い、ストーカーを寄せ付けないようにしてほしい」というだけ。そして報酬は10万。こんなのでそんなに貰ってしまっていいのだろうか。

叶が慌てた声で状況を素早く説明した。どうやら、以上事態のようだ。

『本命の方に、気付かれちゃった・・・・・・みたい』

頭の中が一瞬、消し去られたかのように真っ白になった。
本命に気付かれた? どういうことだ。私のプランは完璧だったはずなのに。
私は大きく息を吸い込んで、怒鳴り散らすように叶に怒りを露にした。

「ふざけんな!! あたしがどーゆー危険な目に合いながらアンタを守ってやってるかも知んない癖に、阿呆抜かすんじゃねぇ!! 」

キーーーーン、と電子音に紛れて響いた私の声は、自分でも失笑してしまうような怒声だった。
叶は暫く経ってから、小さく一言呟いた。

『ごめんなさい』

本命、とは叶のストーカーの事だ。元々ストーカー狩りは、叶を助ける為に始めたモノだ。しかし段々とエスカレートしてきた為に、今は誰しもが頼ってくる万屋になってしまった。

とはいえ、原因はきっと叶の容姿なのだろう。あんな綺麗な黒髪をなびかせるスタイル抜群、運動OK、勉強OKならば、誰しも魅力的に思うだろう。

正直それのせいで、あまり私も側にはいたくない。

「ごめんじゃねぇよ。で、どう? いなくなった? 」
『うん。ビックリしてコンビニに行ったよ』

良かった、と私は安堵の息を溢した。
下手したら、叶の命が危なかったから。

「そっか、良かった」
『あのね、林檎』
「ん? 何」

叶はフフッと笑った後、恥ずかしそうに小さく言った。

『ありがとう』

Re: 毒林檎と人間。 ( No.5 )
日時: 2012/11/14 23:05
名前: りむ (ID: fMHQuj5n)





「ねぇ、桜樹さん。ちょっと来てくれないかしら」
「えっ…………? 」

私、桜樹 叶は弱い人間だ。でも、人間って何だろう。私には分からない。
今そこにいる子たちは、人間なのかな。
そんな冗談めいた考えを頭に浮かべる。でも、そうだな。

(どうしよう………)

私は教室を見回した。彼女を探しているのだ。私を守ってくれる、優しい林檎を。
しかし、幾ら目で追っても林檎は居なかった。

「あー、紅さん? お手洗いに行って来るって、さっき出てったわよぉ」

私はそいつを睨む。恨みがあるわけではない。ただ、睨む。
嫌だ。この子の金色に染められたウェーブの髪。身体中から匂う香水の香り。強調されるようにボタンが開かれた胸元。
全部…………嫌い。

「でもっ! 」
「あっれぇ? もしかしてアレっしょぉ? 林檎だけが私のトモダチなのぉって奴ぅ。絆とか、ダサいんだよねぇ」

嫌味のように笑う。嫌だ。今すぐ、消えて。林檎を、バカにしないで。
絆がダサい? それは、貴女が絆を知らないだけでしょ?

言いたい事は山ほどある。
でも私は、口に出来ない。

「ごめんなさい…………」

     い じ め 。

それをやって、貴女に何のメリットがあるのでしょうか。
教室内は氷ってる。皆、悪魔だ。
私を見て微笑んでくれる人なんて居ない。
痛いよ。心も、痛めつけられた体も。全部が。


「っアンタ、それしか言えねぇのかよぉ!!? 」

一際大きく、恐ろしい声だった。
降り下ろされる拳を、避ける事は簡単だ。
でも、避けちゃいけない。もっと挑発してしまう。

そうだ、一度だけ。
一度だけ、やられればいいの。そうすれば後は、林檎が助けてくれる。



………………ガツンっ!!





「 」


あれ? 今、なんて言ったのかな?
自分が発した言葉のはずなのに、耳は捉えていなかった。


でももう、何でもいいや。

Re: 毒林檎と人間。 ( No.6 )
日時: 2013/01/02 10:31
名前: りむ (ID: hZy3zJjJ)




「あ、林檎ナ〜」

変な口癖を聞いた。私は女子トイレの鏡の前で、脱力したようすで立っていた。目は赤く腫れていて、本当に最悪な顔だった。

「コウ・・・・・?久しぶりだね」

入り口から、私に近寄って歩いて来る金髪の少女。いつもニコニコしてる、可愛い子。
別に不良ってわけじゃないけど、その金色の髪の理由は彼女がアメリカ人のハーフであることが原因だ。

「久しぶりナ〜。アレ?」
「え?」

コウが急に私の顔を覗き込むようにして見つめた。顔の距離が近くて、ちょっと恥ずかしい。
コウは不思議そうに一通り見回した後、二人の映る鏡を一瞥して呟いた。

「林檎、泣いてたのかナ?」

バレた。なんで? 最悪だ、本当に。私が今まで人に涙を見せたりした事なんて、一度もなかったのに。
私は慌てて両手で顔を隠した。

「んな訳ないじゃんっ!!ちょっと・・・・・あ、欠伸してただけだよっ」
「そうナ?おかしーナ。今、教室で林檎の相棒殴られてるナ。どーしてココに居るナ?」

私の相棒。その時浮かんだのは、諏訪ノ森 叶の優しい顔だった。
なんで、叶が?

「コウ、ごめんっ」

私はトイレから出て、走って教室に飛び込んだ。


Page:1 2



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。