社会問題小説・評論板
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- 永遠の傷
- 日時: 2012/09/22 18:44
- 名前: 麻衣 ◆wE5ouUbKxk (ID: OkfG0PhE)
何で虐めをするのか。何で誰も止めようとしないのか。
知らなかったよ。わからなかったよ。
虐めって何かを理解した、あの日まではーーーー
〜prologue〜
こんにちは^^ 麻衣です。
いじめの小説は久しぶりなんで、どう書けばいいのか忘れてしまいました(汗
アドバイス等お願いしますm(_ _)m
登場人物
☆夏島 優衣
区立樫葉第二中学校一年B組の生徒。
割と普通な中学生。吹奏楽部所属。
里見小学校出身。
☆宇佐美 真央
優衣のクラスメイト。
気が強くて、リーダーシップがある。バスケ部所属。
里見小学校出身。
☆月島 杏奈
優衣のクラスメイト。
媚びを売るタイプ。テニス部所属。
東沢小学校出身。
☆倉井 夏実
優衣のクラスメイト。
物静かだけど芯がある。美術部所属。
北海道の小学校出身。
☆水嶋 千咲
優衣のクラスメイト。
正義感のある女の子。吹奏楽部所属。
花木小学校出身。
☆佐伯 さくら
優衣の部活の先輩。三年生。
優しくていつも笑顔の先輩。
花木小学校出身。
駄作でも駄文でもいいという方は、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
- Re: 永遠の傷 ( No.1 )
- 日時: 2012/09/25 19:07
- 名前: 麻衣 ◆wE5ouUbKxk (ID: OkfG0PhE)
第一話
「ねーねー、優衣。つばさって東沢小の時、虐められてたんだって」
え?つばさ?ああ、山口さんのことか。って、え、虐められてた?
「嘘でしょ。何でよ。全然いい人じゃん」
山口さんは、美人で優しくて、そしてモテる。
じゃあ、それって、ひがみかなんかじゃないの?
「まぁ、そんなところだろうね。コレ、杏奈が言ってたんだ。杏奈も、ちょっとだけ虐めてたって言ってた」
杏奈の『ちょっと』は、信用しがたい。
でも、いじめなんてじめじめしたことしてるより、楽しい話してればいいじゃん。
何が面白いんだろう?楽しいんだろう?
この時の私は、まだ何もわかっていなかったんだ。
学校であんなことが起きていたなんて」知らなかったんだから
- Re: 永遠の傷 ( No.2 )
- 日時: 2012/09/25 20:05
- 名前: 麻衣 ◆wE5ouUbKxk (ID: OkfG0PhE)
第二話
「千咲!優衣!やばいよ!C組の美紅が自殺未遂だって!」
部活の朝練が終わり、教室に戻った瞬間、真央のキンキン声が飛んできた。
最初は、うるさいと思ったけど、自殺未遂という言葉を聞いた瞬間、私は固まってしまった。
「え……?じさ…つ……?」
そして、次の真央の言葉に、更に耳を疑った。
「実は、美紅虐めてたの、ウチらなんだよねー。自殺しろーって言ってやったの。まさか本当にするとは。バカじゃん」
最低。
その一言を言いたい。でも、言えない。
言ったらどうなるかなんて、わかってるから。
でも、何か言わないと。
冗談っぽく。「ひどいねー」とか、「かわいそー」とか。
言わなきゃ。
真央が、私たちを睨んでるように見えた。
私が、勇気を出して、口を開いたその時。
千咲が走り出した。
教室のドアを乱暴に開けて、どこかへ。
「ちょ、ちょっと千咲!」
私は、追いかけることも出来ずに立ちすくんでしまった。
そして、真央がかったるそうに言う。
「うっわ、千咲、マジメ?正義感芽生えちゃった感じ?」
本当に……許せない。人の気持ちを踏みにじって。
「さすがに自殺未遂されちゃったら、もう美紅虐めらんないしー。千咲に代役頼もっかなー。偽善ぶっててウザいしー」
え?今……何て……。
その時、走っていってしまった千咲が戻ってきた。
少し、赤い目をして。
「千咲、今日から美紅の代役、ヨロシクね」
それが、地獄の始まりだった。
- Re: 永遠の傷 ( No.3 )
- 日時: 2012/09/25 20:57
- 名前: 麻衣 ◆wE5ouUbKxk (ID: OkfG0PhE)
第三話
千咲は青い顔をしていた。
当たり前だ。真央たちに虐められるだなんて。
いや、もしかしたら、クラス中で……。
私も巻き込まれて…………虐め……させられる…………。
嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
千咲。千咲。私、どうしたらいいの?
助けてあげたいよ。でも、でも。私が身代わりに?
クラス中……下手したら、学年中から?
気付いたら、涙がぼろぼろとこぼれ落ちていた。
「ちょっとぉ、汚いよ、優衣ぃー」
杏奈が割り込んでくる。
「でぇ、千咲を虐めるのぉ?わーい、やるやるぅ」
杏奈まで……!
この前まで、一緒に楽しく笑ってたくせに。
虐めは楽しい。そんな気持ちだけで、裏切るなんて。
「クラスみんなで虐めるからねー。夏実とか、キョーミなさそーだけど。ちゃんとやんなよ?「暗い」ちゃん!あ、「喰らい」だったっけー?」
クラス中が大爆笑する。
私と千咲と夏実本人を除いて。
「優衣とかも、優しーからねー。いーんだよ?裏切っても!虐めなかったら、ターゲット変更だから!ね?」
真央が、余裕の笑みで私を見つめる。
笑わなくちゃ。笑わなくちゃ。
「そうだねー……。あははは……っ」
変にうわずった声。笑顔を作る。
真央が私を見るのをやめると、私は千咲の方を見た。
千咲は……睨んでいた。
真央を。杏奈を。
そして、私を………………。
- Re: 永遠の傷 ( No.4 )
- 日時: 2012/09/28 19:30
- 名前: 麻衣 ◆wE5ouUbKxk (ID: OkfG0PhE)
第四話
教室のドアを開けるのが怖かった。
こんなに身近で虐めが起こるなんて、思ってもいなかった。
怖い。千咲が虐められているんじゃないか。
私は、千咲を裏切ったんだ。もう、友達じゃないんだ。
どうすればいいの?もう、作り笑いできない。
愛想で、杏奈や真央と仲良くしていかなきゃいけないの?
辛いよ。誰か、助けて。
私が一人、考えていると、後ろから声をかけられた。
「どーしたのっ?ゆーいちゃん!虐め楽しみじゃないのぉ?」
杏奈……。媚びを売ってる感じの口調が、気持ち悪い。
からかうみたいに「ちゃん」をわざと付けている。
私の気持ちを、見透かしているんだ。
虐めが楽しみ?そんなわけないじゃん。
おかしいよ。狂ってるよ。いつからそうだったの?
「あーっ。千咲ちゃんが来たよぉー!真央ーっ!」
杏奈の指さす方には、確かに千咲がいた。
見たことのない暗い顔をして、杏奈を睨んで。
いや、その睨んでいる瞳は、私にも向けられているのかもしれない。
…………きっと、そうだ。
杏奈がぎゃーぎゃー騒いでいると、教室から真央が出てきた。
「千咲、遅ーい!待ちくたびれたよ。せっかく、準備してあげたんだからさぁ」
え?準備?
真央の、左手にはマジックペン、右手にははさみが握られていた。
何?何をする気なの!?
「みんな、千咲を抑えて!」
真央が、クラスの女子に命令した。
その場の女子全員が、千咲の元に駆けだした。
中には、嫌そうに辛そうにしている人もいた。
夏実は、どこにもいなかった。
男子は、にやにやしている人、無表情な人、怒っているような人、それぞれが色々な表情をしていた。
私はーーーー真っ青な顔だったと思う。
どうすればいいのか、これから何が始まるのか、
全然わからなかったから。
女子たちが、千咲の手足を抑えつけたまま、無理矢理更衣室に連れて行った。
千咲は、何も言わず、黙ってされるがままにしている。
更衣室には、誰もいなかった。
私も、入る。入るしかない。
誰かが鍵を閉め、カーテンも閉めた。
「それじゃ、千咲、遊ばせてもらうね」
真央が、悪魔のような笑みを浮かべた。
キュポッと音がして、マジックのキャップを外す。
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