社会問題小説・評論板
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- 眼帯少年
- 日時: 2012/12/02 16:58
- 名前: 蒼 (ID: q7aY8UsS)
これは、私がふと思いついた作品なんです。
私自信が今、眼帯をして登校しています。
みんなは眼帯していないのに、自分だけしている…
はれていて、眼帯をしないと恥ずかしいから…
実際は、いじめられていませんし、もう1人眼帯をしている人がいます
耳を傾けてくれれば光栄です。
≪登場人物≫
坂本 キズナ KIZUNA SAKAMOTO MAN
あるキッカケで目に傷を負ってしまう
友達思いで、男子には人気があるけど女子はきらっている。
山田 絵美 EMI YAMADA WOMAN
炎症になってしまい、眼帯をすることになる
人懐っこくて男子にファンがおおく、女子にひがまれやすい。
【腹黒女子グループ マジカル】
赤枝 晴乃 HARUNO AKAEDA WOMAN
すぐ人をいじめる性格で、ダンスが上手。
野山 利砂 RISA NOYAMA WOMAN
気にいらない人は常ににらんでいる。
寺田 雪子 YUKIKO TERADA WOMAN
明るい性格で、本当は性格がいい、バスケ部。
大野 麻美 MAMI ONO WOMAN
利砂とは親友で、すぐに悪口をいう。
- Re: 眼帯少年 ( No.1 )
- 日時: 2012/12/03 16:45
- 名前: 蒼 (ID: q7aY8UsS)
私、山田 絵美。 エミって呼ばれてるのぉ
ガラッ!
合唱部で、朝練に行っていた晴乃が帰ってきた!
私も合唱部なんだよ。
「晴乃ちゃん、遅いよォ〜。待ってたんだからァ〜」
腹黒な女子グループが集まるマジカルの人たち…
利砂と雪子と麻美だぁ…ヤなグループだな。
晴乃は、同じクラスの男子・キズナに目を向けた。
彼に背中を向けずに、まっすぐ歩いて行った。
(? キズナに何かあるの?)
彼女…晴乃は、眼帯をしているキズナに歩いていく。
キズナの机の前でピタリと止まった。
「坂本ォ。その眼帯、どぉしたのぉ〜??」
晴乃! それが知りたかったのか。でも、キズナは原因を言わない。
ナイショにしているから。話したくないから。
「うん、まぁ、ちょっと」
やっぱり。キズナは話さなかった。ザワッ ———嫌な予感がする!
晴乃、雪子、利砂、麻美… こっちに来た!
「ねェ、アオ。キズナの奴、カッコつけ! ムカつくぅ」
晴乃が言った。 やっぱり怖い!どうしよう、どうしよう…。
「じゃあさ、晴乃ちゃん」
利砂と麻美! 雪子より腹黒な2人!
「キズナのこと、いじめようよ」
もう、理解できない。やだ。やだ。怖い…!
- Re: 眼帯少年 ( No.2 )
- 日時: 2012/12/03 20:49
- 名前: 蒼 (ID: q7aY8UsS)
「———と、これでいいわよ。眼帯は外していいけど、はれてるから
さわらないようにね」
「はい。ありがとうございました、先生」
私は、炎症になったらしくて保健室で眼帯をつけてきました!
って、浮かれてる場合じゃないわ。キズナがどうなってるか、
確かめないと! 止めないと…。
「ねぇ〜、晴乃ちゃんに教えてあげなよぉ」
利砂と雪子、麻美の声!
「だからぁ、ちょっとね…」
ヤバい…止めに行ったら、本当にヤバい。先生…!
いない。先生、どこ?? だれでもいいから、来て!
キズナはそんなに強くない!私が守るんだ!
「な、何してるの? 利砂ちゃんたち」
絵美は、ちゃんづけしなければならなかった。
晴乃たちのマジカルに逆らうと、ただでは済まされない。
親友同士だった晴乃や利砂に逆らえば、「裏切り者」とされるだろう。
その考えが絵美の頭の中をよぎった。
「キズナがうざいんだよ?絵美なら分かるよね!?」
なんで、私だけ呼び捨てなの!?
「ま、まぁまぁ。もう、休み時間終わりだし、ね?」
「あ、本当だ—。先生におこられちゃうね」
よかった! セーフ!
「キズナ、大丈夫だった?」
「あ、うん。でも、利砂は俺のケガの原因を知ってて…。
ばらされたら、どうしよう…」
不安が2人の頭をよぎった。 心臓が破裂しそうにいたかった。
- Re: 眼帯少年 ( No.3 )
- 日時: 2012/12/04 17:21
- 名前: 蒼 (ID: q7aY8UsS)
心臓がバクバク音を立てて、触ると動いているのが分かる。
さっきの時間は「中間休み」 約20分しかない。
でも、今度の「お昼休み」は全然ちがうんだよ…! 40分もある!
もし、マジカルの晴乃や利砂が給食を早く食べおわったら、絶対
給食のときに吐かせるつもりなんだ。 絶対そうだよ。
私は、隣の隣に座っているキズナに目をやった。
「———であるからにして、この分数はこうなって…だから、この
小数はこうなるわけです。 絵美さん、聞いてますか?」
「あ、はい。教科書P27の①でしょう」
ドッ…とクラスに笑いがとぶ。 キズナは真顔でノートをとっている。
利砂や晴乃、雪子、麻美は馬鹿にするようにこちらを見ている。
「えー、では、次の算数はテストをやりますので、宿題はP25〜P28
までのおさらい、ということにしましょう」
放送委員会の利砂と晴乃が教室をダッシュで抜けていく。
放送室にいくみたい。
ドアを勢いよく『ガラッ!』とあけて、しめる前に大声で
「雪子ちゃ—ん、麻美ちゃ—ん、給食もってきてね!」
今日は運よく2人は放送委員会だったから、昼休みは教室には
もどらない。 ホッ、とひと安心する、絵美。———と、キズナ。
私は、給食班になるように机をあわせた。
お腹がすいてて、キズナの事はとっくに忘れていた。
その時、本が急に読みづらくなった。 影ができていた。
後ろを向くと、雪子と麻美がけわしい顔つきでたっていた。
「なに、雪子ちゃん、麻美ちゃん」
ちょっと、いいかな———と言われてついていったのは、
人気のない女子トイレの前だった。
絵美は、ゴクッ…とつばをのんで、心の準備をした。
- Re: 眼帯少年 ( No.4 )
- 日時: 2012/12/06 17:45
- 名前: 蒼 (ID: q7aY8UsS)
誰も入っていない女子トイレに、呼びだされてしまった絵美は、
心臓が異常に動いて、ヒヤ汗をかいたのを震える声でかくす。
「麻美ちゃん、ゆ、きこちゃん。どうしたの?」
声は震えていた。これほどない、というくらいに震えていたのだ。
絵美は手をにぎりしめて、もう一度心の準備をしたのだ。
なんの用か、と聞く前に、麻美が話してきた。
それは、絵美の苦手な苦手なあの『麻美』の声だった。
「あのさあ、利砂が言ってたんだけどさぁ」
絵美の大嫌いな女子の修羅場が来たと思ったら、そうではなかった…
というか、もう何が何だか分からなかった。
「晴乃ちゃんって、ウチラの事きらいなの?」
その質問に、答えられなかった絵美だった————。
(しかし、なんでイキナリあんな話をするんだろう)
不思議に思いながら一人で静かに給食を食べる。
いかにも『悩んでいます』みたいな顔をしていたら、
同じ班の璃々子ちゃんが声をかけてくれた。
「そうしたのー、絵美りん。どうかしたぁ?」
絵美は、顔をあげた。少しきつい顔をした璃々子に、すべてを…
女子トイレであったことをすべて打ち明けたのだ。
璃々子は、そのことに迷いもなく4文字で答えた。
「そうだよ」
え? と、璃々子の言うことに首をかしげる。
「はるちゃんは、マジカルの人達きらってるよー。
絵美りん、気づかなかったの? イヤイヤやってたのに!?」
璃々子の声は大きすぎた。
同じ教室にいる麻美と雪子に、聞こえていた。
- Re: 眼帯少年 ( No.5 )
- 日時: 2012/12/07 17:02
- 名前: 蒼 (ID: q7aY8UsS)
こちらを睨んでくるようで、舌打ちをしているような2人。
ゾッ…
悪寒が絵美の背中に走った。
冷や汗は絵美の顔をつたって、体が熱くなるのを実感した。
(なに、雪子に麻美。今の話、聞こえちゃったかなぁ…?)
ううん、聞こえてなんかいない。 そう、絵美は信じたかった。
こんなざわめいた教室だ、男子がうるさくって聞こえるわけがないよ。
手は握るどころか力がぬけてゆく。
スプーンを持つ手が震えていて、足も微妙に震えていた。
「どうしたの?絵美ちん。まぁだ浮かない顔してるねぇ。
何があったの?」
気にかけてくれる璃々子ちゃんの手を振り払って、
女子トイレにダッシュで走って行った。
「絵美りん!?」
(ヤバッ。疲れたよ。璃々子ちゃんの手を振り払うなんて、無礼にも
ほどがあるよ。教室に入れない…)
女子トイレの個室で、腰をおろした。
きっともう、クラスのメンバーから降ろされちゃったよ…。
心臓が、バックバックいっているのが絵美にきこえる。
もう、笑顔で生きてゆくことなんてできないよぉ…。
「絵美りーん!?居るの?どこの個室—?ノックしてよ」
カチャ
ドアを、静かにあけた。
いつのまにかいた私の存在を見て、ビクッとする璃々子。
「なぁんだ————!絵美りん、こんなところにいて…」
「ごめんなさい。璃々子ちゃんは心配してくれたのに、
手を振り払っちゃってごめんね」
半泣きで声も手も震える私を、許してくれた。
少しばかり流れた涙を洋服でぬぐう。
こんなことしている場合じゃないわ、キズナを守らなきゃね!
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