社会問題小説・評論板
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- 表・裏・偽り続けて
- 日時: 2012/12/04 15:26
- 名前: 湖白 (ID: ccgWKEA2)
ここでは、初めまして。
あえて、名前は載せませんが……。
コメディ・ライトで何作か書かせていただいてます。
この度は、ただ何となくですけど
自分の左手首の傷を見て、書こうかな?と思ったので書かせていただきます。
掛け持ちと勉強と部活で更新が遅いと思いますが
見ていてもらえたら感謝です。
……いつか、無くなりますように。
『世界平和』って戦争が無くなる……だけじゃないですよね?
『いじめ』も無くなって……本当の『世界平和』ですよね?
余談すみません。
それでは、綴らせていただきます。
- Re: 表・裏・偽り続けて ( No.4 )
- 日時: 2012/12/07 18:28
- 名前: 湖白 (ID: ccgWKEA2)
第3話
そう、あれは……小学4年生の時。
「尾野 遥華(おの はるか)です」
今思えば、コイツと関わらなきゃ良かった。
でも、関わらなきゃいけなかったんだ……。
「松井さん、尾野さんに案内よろしくね」
学級委員をしていた私は、「はい」と言って引き受けた。
そして、休み時間に
「……この学校は1学年1クラスしかない学校で、音楽室と美術室は4階だよ」
なんて学校案内したっけ?
ああ、そうだ……。
教室に戻ろうとして……引き返したときに言われたっけ。
「友達になって!!」
……何で断らなかったんだろう?
隅で生きてればそれで良い。
それがモットーだったじゃん。
あの時は3人グループで……。
することも限られていたし、刺激が欲しかったのかもしれない。
「うん、もちろん!」
これが原因で、私の壊れていく日常が。
私が壊れていく日々が。
訪れるなんて、あの時は思ってなかったんだ……。
- Re: 表・裏・偽り続けて ( No.5 )
- 日時: 2012/12/07 18:40
- 名前: 湖白 (ID: ccgWKEA2)
第4話
「遥華に紹介するね、私の友達の夏海と葉月だよ」
そう言って、2人を紹介した。
「よろしくね!」
うん、2人と打ち解けたみたい。
良かった……。
でも、このことが原因で私は2年間苦痛な日々を過ごすことになったんだ。
あの時、紹介しなければ。
あの時、学校案内しなければ。
あの時、出会わなければ。
あの時、学級委員にならなければ。
……今でもふとした時に思ってしまう。
「何で?」って。
いつからだろう?
私がいじめにあうのは。
……知らない時から、私はいじめられていたんだと思う。
だって、急じゃなかった。
思い当たる出来事が何回もあった。
突如、筆箱が無くなったり。
委員会の知らせが回って来なかったり。
出したはずの宿題が無くなるといったことがあった。
筆箱が無くなったのは、私が委員会で休み時間抜けた時で
委員会の知らせは、連絡係の遥華だった。
出したはずの宿題は、宿題チェックする夏海と葉月。
でも、信じていた。
あの頃は、何もかも信じて過ごしていた。
だから、いつから?って聞かれたら答えられない。
「小4から小5の終わりにかけていじめられた」としか言えないんだ。
- Re: 表・裏・偽り続けて ( No.6 )
- 日時: 2012/12/09 13:09
- 名前: 湖白 (ID: ccgWKEA2)
第5話
本格的にいじめだ。
なんて思ったのは……クリスマスの時。
「いらっしゃーい」
クリスマスなだけに、何か内緒話していた3人も温かく迎えてくれた。
「お邪魔しまーす」
そう言って、遥華の家へ上がった。
「……じゃあ、ケーキ食べよ!!」
遥華が言って、夏海が嬉しそうに手を叩く。
「……その前に、手洗おっか」
葉月の発言により、私たちは手を洗うことにした。
「あ、私は今から料理とか出すから先で良い?」
1番後ろにいた遥華が言った。
「うん、良いよ〜」と私たちは言って、私は最後に洗うことになった。
「……あ、楓音〜」
呼ばれたので行くと、「ごめん、破片拾ってくれる?」と言われた。
ガラスのコップが割れていて、私は「大丈夫?」と言いながら拾った。
拾い終わって、再び洗面所に入ると……水が頭から降ってきた。
冷たい……じゃなくて痛かった。
寒い、冷たい、痛い。針と言うか棘が刺さる痛さで———。
「ご、ごめん!楓音……」
バケツを持っていたのは……夏海と葉月。
「ううん、大丈夫だよ。それより……廊下まで濡れちゃった……」
私が言うと、「冷た〜い」と明るい声がした。
振り向くと、遥華が私を見下しているかのように立っていて、
「……大丈夫?タオル……今切らしてて」と苦笑しながら言われた。
「大丈夫だよ、タオル……無いなら廊下が……」と言って言葉を止めた。
遥華の後ろで小学2年生の遥華の妹が廊下を拭いていた。
葉月と夏海も遥華の妹からタオルを貰って拭き始める。
その時になって私はようやく、自分がいじめられていることに気付き
私の信じていたものまで水の針で粉々にされた気がした。
拾ったガラスのコップの破片より、もっと細かく……鋭く。
- Re: 表・裏・偽り続けて ( No.7 )
- 日時: 2012/12/17 13:56
- 名前: 湖白 (ID: ccgWKEA2)
第6話
それから、3学期には本格的ないじめが始まった。
無視をされ、チョークを投げられ、描いた絵は切り捨てられて。
机とかは学校の物。
ばれるのは嫌だったみたいで、学校の物には何もされなかった。
されたのは、水を机にまでかけられたくらい。
そして、小学5年生。
人数が少ない学校だったから、6年間同じ仲間で過ごす。
いじめは続いた。
そして、何があっても登校し続けて来た4年間。
5年になって初めて、仮病を使って休んだ。
親を騙し、先生も騙して逃げた。
布団の中で6時間も耐えるのは辛かった。
逃げたことに変わりは無かった。
「弱虫」という肩書きが増えた気がして泣いて過ごした。
休んで次の日に登校しても現状は変わらず
「告げ口してないよね?」と脅されるようにもなった。
その時、私がこの世界に存在する意味が分からなくなった。
今まで何で生きてきたんだろう?そう思うようになった。
- Re: 表・裏・偽り続けて ( No.8 )
- 日時: 2013/01/05 12:31
- 名前: 湖白 (ID: ccgWKEA2)
第7話
そんな私の元に、担任の先生が来た。
「少し残れる?」
私は頷いた。
どうせ雑用か何かだろうと思って。
だって、先生の前では明るく振る舞う仲良し4人。
「……最近、楽しい?」
会議室に入って先生が私に言った。
「……楽しいですよ?」
声が震えそうになる。
手の震えが止まらない……。
何とか声だけは震えないように頑張った。
「……いじめられてる?」
『違う』って言わなきゃならないのに。
声が出ない。言葉は見つかっているのに。
声が出ないと伝わらないよ。
そんな様子の私に
「頑張ったね」
なんて声、かけないで下さい。
もう、どうでも良いんです。
だって私は———これから生まれ変わるから。
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