社会問題小説・評論板
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- へぇ、そうなんだ…… 無表情少女の参加方法編
- 日時: 2013/05/17 20:04
- 名前: 梓守 白 ◆0Nfe7TF90M (ID: Jr1Q7MLw)
「ねぇ、イジメってどう思う?」
「えー……そりゃまあ、ダメなこと……だと思うけど」
「へぇ、そうなんだ……」
「ねぇ、いじめるって、楽しい?」
「そりゃあもう、最高だよ!」
「へぇ、そうなんだ……」
「ねぇ、いじめられるって、どんな感じ?」
「……辛いよ。死にたい」
「へぇ、そうなんだ……」
***************
はじめましての方が殆どかと。
梓守 白と申します。
読み方は『あずもり・はく』です。
本館のシリアスで書いてるんですが、衝動的にイジメ小説が書きたくなりまして……。それで今に至ります。
それではとりあえず、お決まりの注意点提示。
★文才皆無です。駄文しか書けません。
★更新がありえないほど遅いです。
★荒らしとかなりすましとか、やめましょーや。
★宣伝? いいですよ。ほどほどなら。
★アドバイス大歓迎! ある程度までなら批評もばっちこい!
こんなもんですかね。
それでは、お目汚しかとは存じますが、アップさせていただきます。自己責任でご覧ください。
- Re: へぇ、そうなんだ…… ( No.1 )
- 日時: 2013/04/30 19:56
- 名前: 梓守 白 ◆0Nfe7TF90M (ID: 6ls.ilBF)
「りぃ、おはよっ!」
「あっ那緒、おはよー」
わたしは小椿梨衣香。今年、高校生になりました。地元では有名な進学校である朝橋北高校に、なんとか受かったわたし。家から近いため、徒歩で登校しています。毎朝、電車通学をしている友達の三澤那緒と一緒に歩いています。那緒は少し離れたところに住んでいて、学校の最寄り駅まで電車に乗り、そこからは一緒です。
「もう、最近めっちゃ暑いよねー」
「ほんとだねー。まだ4月なのに」
最近は気温も一気に上がり、学校前の坂道は地獄と化しています。みんな学校にもだいぶ慣れてきて、そろそろクラス内の女の子たちが、中学の時のようにグループ化し始めます。
「てかさー、最近、小金井さんって調子に乗ってない?」
「あー、そうだね」
クラスメートの小金井美恵。入学早々、校内の暗黙の了解を無視しきった生活を送りはじめました。
例えばブレザー。うちの学校では、1年生は基本的にブレザーの前ボタンを開けてはいけないという裏のルールがあります。でも、小金井美恵は入学式の翌日から、堂々と前ボタン全開で登校してきました。
それからセーターの色。校則では、黒・灰・紺・白と決められた色しか着用できません。裏ルールでは、その中でも学年によって、着てはいけない色が決まっています。白いセーター。これは2年生からでないと、校則には引っかからなくても、先輩たちに目をつけられます。でも、小金井美恵は入学式のその日からすでに白いセーターで、しばらく経ってもそのまんまです。
あとは髪留め。校則では自由。でも、裏ルールでは、1年生は黒や茶色などの地味な色のゴムかピン。シュシュやリボンは先輩たちに目をつけられる要因の一つです。でも、小金井美恵はそんなのお構いなしのようで、髪にはリボン、手首にはシュシュのいでたちです。
部活も本格的に始まって、わたしは三澤那緒と一緒に、美術部に入りました。小金井美恵は、女子テニス部。でも、小金井美恵は部内で嫌われているみたいです。同じ女子テニス部に入った子によると、ついこの間の週末も、小金井美恵以外の1年生で遊びに行ったとか。もちろん、小金井美恵には内緒だったそうで。
クラスでも、今は殆どの人がダウンロードして利用している、無料コミュニケーションアプリのグループがありますが、小金井美恵だけが招待されていません。
「おはよー」
「おはよー」
2人で教室に入ると、何人かが挨拶を返してくれました。その直後、小金井美恵が教室に入ってきました。
「おっはよー!」
「……おはよう」
「…………おはー」
他の人が入ってきたときは、友達と喋っていてもちゃんと返事をするのに、小金井美恵のときだけはほったらかしです。これももう、日常と化しています。
「なんかね、真南ちゃん達がみんなに言ったらしいよ。クラス中で、小金井さんを無視しようって」
「へぇ、そうなんだ……」
- Re: へぇ、そうなんだ…… ( No.2 )
- 日時: 2013/04/24 18:31
- 名前: 哀歌 ◆wcVYJeVNy. (ID: IfRkr8gZ)
初めまして。
題名に惹かれてやってきました。
とても面白いです!!
これからも頑張ってください。
- Re: へぇ、そうなんだ…… ( No.3 )
- 日時: 2013/05/02 21:09
- 名前: 梓守 白 ◆0Nfe7TF90M (ID: zNloJ7/F)
哀歌様
コメントしていただき、ありがとうございます。
これからも頑張ります!
***************
最近、クラスの雰囲気があまり良くありません。理由として思い浮かぶのは、小金井美恵がさらに調子にのりだしたことです。具体的に言うと、スカートの丈がだんだん短くなってきたこととか、スクールバッグについているキーホルダーがどんどん大きくなってきたこととか。
みんなは小金井美恵を無視するようになったけど、他のクラスの子はこのことを知らないので、仕方なく小金井美恵の相手をしています。
今はまだ…………。
「りーいーかーっ!」
「那緒、どうしたの?」
ある朝、いつにもまして元気に飛びついてきた三澤那緒に、わたしは疑問符を投げかけました。
「今日から学校が楽しくなるよ!」
「今日から……って、どういうこと?」
すると三澤那緒は、その訳を教えてくれました。
昨日の放課後のことだったそうです。小金井美恵が部活に行く途中、階段で隣のクラスの女の子にぶつかったそうです。その子も女子テニス部で、次の大会にも補欠として登録された子でした。小金井美恵はその子に嫉妬し、しばらく前からジャージを隠すなどの嫌がらせをしていたようでした。
昨日の階段でのことを見ていたクラスメートによると、小金井美恵がその子を突き飛ばしたらしいのです。
その子は腕を骨折し、登録を取り消されました。そして、代わりに小金井美恵が登録されました。
骨折した子は同じクラスの斎藤さんの友達で、昨日の夜斎藤さんは、クラス中の女子に「その子の代わりに復讐したいから、協力してほしい」とメールを送ったそうです。わたしは昨日の夜、充電切れで電源が落ちてしまい、見ることはできていませんが、後で確認することにしました。
「だからね、今日からみんなで、小金井さんをいじめるの」
三澤那緒は、とても楽しそうに言いました。
「へぇ、そうなんだ……」
- Re: へぇ、そうなんだ…… ( No.4 )
- 日時: 2013/05/18 11:42
- 名前: 梓守 白 ◆0Nfe7TF90M (ID: Jr1Q7MLw)
「おっはよー!」
「おはよう」
わたしと三澤那緒が教室に入ると、既に半数近くのクラスメートが登校していました。とくに女子はいくつかのグループに別れて話していました。恐らく、小金井美恵をいじめるための計画会議です。
「おはよ。那緒ちゃん、メールのこと、いいよね?」
「もっちろんだよ。あたしも小金井のこと嫌いだし」
早速近付いてきたのは、発案者の斎藤侑。三澤那緒としばらく話していた斎藤侑は、唐突にわたしのほうを向きました。
「小椿さん、昨日のメール、見てくれた?」
「あ、ごめんね。充電不足で電源が落ちちゃって、まだ起動させてないんだ。でも、事情は聞いたよ」
「そ、ならいーや。賛成してくれるんだよね?」
「うん。でも……」
わたしは、いじめに興味が沸きません。
正直な話、どうでもいいのです。このクラスも、クラスメートたちも、いじめについても、斎藤侑も、小金井美恵も、三澤那緒さえも。
「どうしたの?」
「いじめを直接やる気はない、かな」
斎藤侑は、驚いたような顔をしましたが、すぐにわたしの目を見て言いました。
「それ、どういうこと?」
そのままの意味です。そう思いましたが、そう言うわけにはいきません。
ですが、ここで全てへの関与を断れば、それはそれで面倒なことになりかねません。それは困ります。
「直接はやらない。うまくやる自信もない。だから、いじめの内容や作戦を考える立場にいたいな、って」
斎藤侑は、しばらくわたしを見ていましたが、やがて納得したように呟きました。
「へぇ、そうなんだ……」
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