社会問題小説・評論板
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- 何気ない——日常
- 日時: 2013/06/21 20:58
- 名前: ミクサ ◆8ojJTjGirM (ID: XEIko/lc)
こんにちは、ミクサです!
同じところで
「いじめ〜1rd〜」という小説を書いています!
そして、懲りずにこれもいじめモノです(笑)
更新が遅いです。
究極のさびしがり屋なので、レスしていただけると嬉しいです。
↑がおkな方は、↓の登場人物紹介をお読みください!!
・木元 胡桃 −kimoto kurumiー
主人公。中学一年生。何でも冷めた目で見る。
・橋田 桃 ーhasida momoー
中学一年生。胡桃と同じクラス。奈々にいじめられているが……?
・池神 奈々 ーikegami nanaー
中学一年生。胡桃と同じクラス。桃をいじめている。
・星野聖歌 ーhosino seikaー
中学1年生。胡桃と同じクラスで、桃の親友。
今日もあたしは扉を開く。目に入るのは、何気ない日常。
——いじめられて泣く桃と、それを見て笑う奈々。
このクラスではいじめがあるのだ。
原因は、2ヶ月前、桃が言った一言だった。友達の優子に、陰で
「奈々ってさ、頭いいからっていつも仕切りたがってリーダーぶってて、ちょっと嫌」
といったのを、ちょうど奈々が聞いてしまったのだ。
最初、桃は奈々に謝ったが、
「嫌なあたしに命乞いするんだ? じゃあ、『仲良しの優子をターゲットにして私を見逃してください』って言ったらね」
と言われ、桃は、そういうことは出来なかった。
だけど、今桃を嘲り笑っている人の中には、優子もいる。桃は、優子に裏切られたのだ。
「ねえ、胡桃? あんたはどうなの?」
「えっ!?」
しまった、全く話を聞いていなかった。
「だから、アンタは、いじめのこと、チクらないよネ?」
「え、あ、うん! この木元胡桃の名前に誓って、絶対誰にも言いません」
あたしは、上の会話の通り、木元胡桃という。私立の難関中学にギリギリ受かって、幸せな中学生活を想像していたお馬鹿な中1。
ボコボコと穴のあいた机、床に転がるコンパス。マジックペンで書かれた、「死ね」の文字。
これをみて、‘普通’と思えるあたしも、人をいじめて喜んでる奈々と同じように、狂ってるのかな。
- Re: 何気ない——日常 ( No.2 )
- 日時: 2013/06/22 20:03
- 名前: ミクサ (ID: JC/wmrqc)
こっちにも来てくれたんですね!!
ありがとうございます!
- Re: 何気ない——日常 ( No.3 )
- 日時: 2013/06/23 13:26
- 名前: ミクサ ◆8ojJTjGirM (ID: XEIko/lc)
「……狂ってる」
え? 今、あたしの思い、誰が言った? もしかして、エスパー? 声の主の方を振り向く。
——栗色の長い髪、大きな瞳。
「人をいじめて笑うなんて、狂ってるわよ!」
——星野聖歌さんだ。星野さんは、あたしたちの方にも顔を向けた。
「あなたたちも、見てるだけで何もしないの!? 自分が怖いからって!」
ちょっと、今の発言はないんじゃないの? あなただって、奈々に『桃ってうざいよ』って言われた時、『うん』って言っていたじゃないのヨ。
「——そういうあなたの声と顔はひきつっているけれど?」
いらついたあたしは、反論してみた。すると、これ見よがしに奈々が、
「そうよ。大体、今更止めんの?」
詰まる聖歌。さらに、聖歌に追い打ちをかけるのは、
「やめてっ、聖歌! 今になって偽善者ぶって、お助けごっこ? いいかげんにしてよ!!」
なんと、桃だった。
「だけど、だって……」
「いいよ、聖歌。……いいよ」
「桃……」
そうだよね、今更助けられたって、ヒーローぶってるとしか思えないよね。
「おい! 何やってるんだ」
げっ、まさか。
紺色のスーツ、赤いネクタイ。
——担任じゃん。
- Re: 何気ない——日常 ( No.4 )
- 日時: 2013/06/23 16:40
- 名前: ミクサ ◆8ojJTjGirM (ID: XEIko/lc)
「これはどういうことなんだ、橋田。説明しろ。いじめか?」
廊下に立たされた、教室にいたメンバー。星野さん、桃、奈々、奈々と一緒に桃をいじめていた子たち、あたしを始めとする野次馬メンバー。男子は、部活の朝練などでいない人が多かった。
桃は、真っ青な顔をして言い訳を考えている。きっと、下手なことを言ったらいじめがもっとエスカレートする。
「いじめっていうか。いじめごっこです!」
「いじめごっこだ? 先生を馬鹿にしてるのか?」
「違いますよ、ホントに遊びのつもりで。別に、本人も承諾してるんだし、駄目なんですか?」
なんて下手ないいわけなんだ。でも、あたしも口をはさむつもりはない。
奈々たちは、頑張って笑いをこらえているようだった。
星野さんは、ただ黙ってうつむいている。
「そうなのか、星野? 本当に遊びなのか?」
「……はい」
アレ、はいって応えるんだ。さっきは止めてたのに。まあ、先生相手にしたらそうだろうな。
「なにをやっているんだお前等は!!」
うるさいな。男でしかも大人なあんたにはあたしたちの気持ちなんかわからないから。
……あれ? なんで、『あたしたちの気持ち』?
『奈々たちの気持ち』でしょ?
やっぱり、あたしも……
狂ってるんだ。
- Re: 何気ない——日常 ( No.5 )
- 日時: 2013/06/24 20:23
- 名前: ミクサ ◆8ojJTjGirM (ID: XEIko/lc)
「おい、木元! お前も、黙って見てないで、『ふざけた遊びはしないで』とか言えなかったのか?」
「……私には関係なかったので。人の遊びに口を出すようなお節介じゃないんです」
チラリと奈々を見る。げ、あたしのこと睨んでやがる。
「これからは、もうこんなことしないんだろうな?」
「ええ、しません」
結局、最後のいいわけは奈々が上手くまとめてくれた。これでホームルームのときに皆の前で怒鳴られずに済む。
あ、でも、いじめは結局続くんだよね?
可哀想、桃。
誰か、助けてあげなよ。
——あたしは、そんなヒーロー役、御免だけどさ。
聖歌side
あたしって、本当に弱い。大好きな親友がいじめられてるのを、今まで止めることもできなかったなんて。
自分がこんな弱虫であることを見せつけられて、桃にも「ヒーローごっこ?」と罵られ、もういや。
(あたしは、ただ桃が好きなだけなのに)
ごめんね、桃。あたし、本当に、——奈々よりも、いじめを見て黙っている人たちよりも——誰よりも、弱くてずるい人間だ。
(だけど、桃)
あと三年。中学を卒業して、奈々たちから離れて、同じ高校にいったら。
また、親友に戻れるよね——?
あたし、信じてるから。
桃は、あたしのこと、嫌いじゃないって。
あたしたちは、元の関係に戻れるって。
信じてるから——。
- Re: 何気ない——日常 ( No.6 )
- 日時: 2013/06/27 20:45
- 名前: ミクサ ◆8ojJTjGirM (ID: XEIko/lc)
胡桃side
あたしは、今、震えが止まらない。教室の中から聞こえてくる笑い声。その声の主は——
「てかさ、お前も馬鹿だろ、『いじめごっこ』とか! それはないわー」
「だって先生に対する言い訳なんて話し合ってないも—ん」
とっても仲がいい人たちの会話に聞こえる。最初の声は奈々。
「しかしさ、聖歌も馬鹿だよねー! ヒーローごっこ! マジウケるわ」
「あたしもさ、心の中で吹いてたよ。まじこらえるの大変だった」
次の声は——。
「桃、あたしたちの作戦カンペキじゃない? あんたをいじめてるふりをして、そのいじめを止めようとした聖歌をいじめる!」
桃——。
どうして? 聖歌は——
あんなに、桃の事を大切に思っているのに。