社会問題小説・評論板
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- 不登校児は思考する
- 日時: 2013/07/22 17:05
- 名前: 哀歌 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)
☆注意事項☆
・暗いです
・残酷描写があります。ご注意を。
・実話です。現在進行形です。
・素人が書いた小説(?)なので、読みにくいところが多々あると思います。ご指摘下さい。
☆目次☆
プロローグ……>>1
1話 私が学校に行けない理由……>>2
2話 閉じっぱなしの部屋のドア……>>5
3話 母の声……>>11
4話 不登校児は思考する……>>15
5話 キミとの出会い……>>22
☆お客様☆
ミクサ様
- Re: 不登校児は思考する ( No.20 )
- 日時: 2013/07/20 23:25
- 名前: ミクサ (ID: do8LdMvC)
ありがとうございます!大切にします。
- Re: 不登校児は思考する ( No.21 )
- 日時: 2013/07/21 15:50
- 名前: 哀歌 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)
ミクサ様
いえいえww
- Re: 不登校児は思考する ( No.22 )
- 日時: 2013/07/21 15:51
- 名前: 哀歌 ◆dcuKuYSfmk (ID: IfRkr8gZ)
5話 キミとの出会い
「……っ……はぁ……」
私は何故か、歩道橋に立っていた。
昔からの癖だ。嫌なことがあると、高い所に逃げる。
「……ここから飛び降りたら、死ねるかな……?」
誰に問うわけでもなく、呟いた。
「死ねないよ」
低い声が聞こえた。
後ろを向くと、そこには黒いジャージに身を包んだ長身の男の子が立っていた。
「……誰」
私が低い声で呼びかけると、彼は唇を歪ませた。
「ショウ……とでもしておこうか」
“ショウ”はクククと喉を鳴らし、笑う。
「私は……」
「“黎”だろ。“夕霧黎”」
「……どうして私の名を……」
私はうつむき、呟く。
「……ストーカー?」
「違う!!」
即答するショウ。
「俺は、ただの通りすがり」
「そ。じゃあさっさと通りすがっちゃって」
「……その高さからじゃ、痛いだけだぞ」
「何? その実際に死んだことがあるような言い方」
ショウは鼻で笑うと、歩道橋を降りて——いや、落ちて行った。
「大丈夫?」
「大丈夫……だと思う」
「格好悪すぎ。せっかく格好良く決めたのにね」
私は彼を鼻で笑う。
「痛くないの?」
「全然」
「何で?」
「だって俺は——」
ショウは悩むように言葉を切った。
「やっぱいいや。なんでもない。じゃあ……“また明日”な」
「うん。“また明日”!!」
私は自然に、“また明日”と返していた。
私に、“明日”なんてあるのかな?
*****
「よ」
「やほ」
軽い挨拶を交わし、ショウは私の隣に座った。
「ねぇ、ショウ」
「ん?」
昨日から、ずっと気になっていたことを聞いてみる。
「あんたは何者?」
ショウは微笑む。
「ただの通りすがりのおせっかい」
「そればっか」
私は笑う。
「そろそろ、日が暮れるね」
「だな」
ショウは立ち上がる。
「この高さから落ちても、死ねないからな」
「うん」
私は頷き、微笑む。
「死ぬのは、明日にするよ」
「それがいい。でも、ここは俺の場所だから」
「それってどういう——」
「じゃあな、黎」
ショウは微笑み、歩道橋から身を乗り出し——
落ちた。
「……ショウ……!?」
あわてて下の道路を見ても、ショウの姿は無かった。
「ショウ!? ショウ!?」
「あなた、翔を探しているの?」
「……え?」
また後ろから声をかけられた。
そこには、花束を持った年配の女性。
「翔は私の息子だったわ。10年前の丁度この日——あの子は自ら命を絶った」
「……あ……」
聞いたことがある。昔、いじめが原因で男の子が命を絶ったと。
「……翔……さんは、どんな人だったんですか?」
「とても良い子だったわ。優しくて、いつも笑顔で……」
翔のお母さんは、翔が飛び降りた場所に百合の花束を置いた。
「翔……」
私の目から流れるのは、透明な雫。
「……死ぬのは、明日にするよ」
1年後のこの日、翔はまたここに現れるだろう。
そして、言うだろう。
「死ねないよ」
と。
- Re: 不登校児は思考する ( No.23 )
- 日時: 2013/07/21 22:53
- 名前: ミクサ (ID: 03sTEeYC)
ショウ…いや、翔は、黎に死んでほしくなかったのかな。
だから、現れたのかな。
- Re: 不登校児は思考する ( No.24 )
- 日時: 2013/07/22 16:33
- 名前: 哀歌 ◆wcVYJeVNy. (ID: IfRkr8gZ)
きっとそうですよ。
翔はまた藜の元へ現れます……多分。