社会問題小説・評論板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

city
日時: 2013/07/21 15:03
名前: ナス (ID: xr1in99g)

この街で僕は生きていく…

居場所が欲しかった…

隠れて生きていくのは、もう…嫌なんだ


登場人物

川上洋平 22歳

生きていることに、不安を感じている青年。
過去にいじめられており、それがトラウマとなり今は引きこもり。
幼くして、両親を亡くし、姉が女手一つ育てた。
よく、不良に絡まれたり、カツアゲされたりしていた。
ヤクザとの関係は、借金だ。

白井健二 23歳

長い髪と奇抜な格好の青年。
新宿で弾き語りをしている。
洋平とは、高校生の時からの親友だ。

村井和宏 26歳

歌舞伎町で風俗店のオーナーをしている。
洋平の家に行っては、嫌がらせや、脅迫メモなどをやっている。

永井将大 30歳

新宿、歌舞伎町、などを仕切っているヤクザの中心人物。
洋平が借金していると聞き、たびたび家を訪れている。

澵井美優 24歳

村井の彼女。
村井が経営している風俗店のNO.1キャバ嬢。
裏では、麻薬密売人をやっている。

川上唯 25歳

洋平の姉。
飲食店でアルバイトをして生計を建てている。
洋平をよく心配してか、家をよく訪れている。
村井の彼女、美優から、麻薬を吸わないか?と誘いを受けている。

神吉智哉 26歳

新宿のライブハウスでライブをやっている、バンドのギター。
ボーカルを募集しているとこ、洋平と出会う。

山下勝 25歳

智哉のバンドのベース。
洋平には冷たく、なにかしら洋平を目につけている。

山岡貴宏 24歳

智哉のバンドのドラム。

村上夏目 23歳

洋平の隣に住んでいる住人。
洋平が気になるのか、洋平をいつもストーカーしている。


Re: city ( No.1 )
日時: 2013/07/21 15:57
名前: ナス (ID: xr1in99g)


#1 生きたい


僕は、川上洋平 22歳。

今は引きこもり状態で仕事もせず、家でゴロゴロしている。

金は、姉から貰っている、いつもすまないと思っているが仕事をする気力がまったく無い。

「……はぁー、今日もまた地獄の日が始まったな…」

僕は重たい体を起こして、風呂場に行った。
どうせ、毎日地獄なら死んだ方がいいのかもしれない。
僕は風呂場の洗面器台にあった、カミソリを手首に当てた。
少しずつ、剃っていく。

「 って!やっぱり僕には向いてないな、自殺はw 」

多少の血が出だが死にやしない。

僕は部屋に戻り、手首に絆創膏をはった。

部屋を出ようとした時、ブーーブーーと携帯がなった。

僕は携帯の画面を開き、メールボックスをみた。
そこには、白井健二と書かれた人物が。

「 健二、なんで…」

僕はとっさに、健二の電話番号を探して、かけた。

「 もしもしー、洋平か?今日は洋平と散歩したくてな、メールしたんだよ。」

「 …健二、本当は僕を助けに行きたいからメールしたんだろう?」

「 ちっ、ばれたか、そうそうお前を助けに行くんだよ。またリスカしてないかどうかな。」

「 …してないよ…」

「 本当か?ならいいけどよ、睡眠薬飲んでるのか?」

「 飲んでない…」

「 そうか、ならいい。」

「…うん」

「 ねぇ健二、僕生きたい…」

「 洋平…大丈夫だよ、俺がいるから大丈夫だ。」

「 生きれるかな?残りの人生…」

「 ああ、生きれるよ、絶対だ。」

「 ありがとう、健二。 」

「 洋平、いまからそっち行くから待っとけよ。」

「 うん」

健二とは、高校生の頃から、仲がいい親友だ。
今日は、心配して家に来てくれる。

僕は…別に来て欲しくないんだけどね、だって、嘘つきだから僕は。
リスカはしてるし、睡眠薬は沢山飲むし。
もう生きてても意味ないんだから…

そうこうしてるうちに、健二が家に来た。

「 お邪魔するぜ洋平ー」

「 健二、久しぶりだね。まだ弾き語りはやってるの?」

「 まぁなw 」

「 いつもの変わらない健二でよかった。 僕はこの暮らしを抜け出したら、健二とバンドを組みたいな。」

「 バンドねー俺も組みたいw 」

「 話し変わるけど、リスカとかやってるのか?」

「 っ!や、やってないよ! 」

「 もうーバレバレー、やってんだろう?」

「 …ごめん…」

「 …謝らなくてもいいよ、いつかリスカなんかやらなくなる日がくるよ。」

「 …ありがとう、健二…」

「 あと、 本当は睡眠薬も沢山飲んでるよ…本当ごめん…」

「 頭上げろよ、俺ら親友だろ。睡眠薬もなんとかなるっての。」

「 …ありがとう健二…」

思わず涙がでた。

「 僕は、生きたい。隠れて生きていくのはもう嫌なんだ…」

「 ああ、分かった。泣くのは辞めろ、洋平の望みならなんでも叶えるよ。」

「 ありがとう健二。」

「 そろそろ帰るわ、お前元気みたいだったし。あっでも、リスカと睡眠薬はちょっとやめたほうがいいのかな?」

「 やめるよ。」

「 少しずつ、治していけよ洋平。」

「 うん、じゃあね健二。」

「 おっ!じゃあな洋平ー。」

健二はスニーカーを履き、家を後にした。

僕の夢は、健二とバンドを組みたい、それだけ。
もし、生きれたらの話しだけど。
でも、可能性は引くはないよね。



僕は生きたい…この街で…

Re: city ( No.2 )
日時: 2013/07/21 16:44
名前: ナス (ID: xr1in99g)

#2 for freedom

幸せって何だろか。
友達が沢山いること、家族がいること、わからない。
僕の幸せは何?
両親を亡くし、いじめられ…ヤクザには目を付けられてるし…
きっと、僕は世界一不幸な青年かもね。
なら、早く死にたいよ…
誰か僕を殺して欲しいっ…

思わず僕は、リスカしたいと思った。
でも駄目だよ、健二と約束したんだ、もうしないって。
また嘘つきになったら駄目なんだよ…

「 …なんか、外に行きたいな…」

なんだろう、外に行きたい気分…
外で死ぬか?駄目、死んだら負け、この理不尽な社会に勝つんだ。

僕は、ボーダ柄のTシャツに、黒のスキニーを履き、フードを被り外を出た。
久しぶりの景色、眩しすぎて、僕はここに行ちゃいけない気分に襲われたけど、
強くならなきゃ、健二みたいに。

「 …せっかく外に出たから、喫茶店に行こうかな。」

僕の思い出の喫茶店、FREEDOM。
よく、家で一人だった時よく行ってたっけ。
オーナーのおじさんが優しくて、何時間もいたなー。

その喫茶店は、確か新宿の裏だったような…
僕は新宿の裏まで歩いて行った。

「 あった!」

僕は喫茶店のドアに手をかけ、中にはいった。
中は、人が数人しかいなかったが、僕はそのほうがいいと思った。

「 いらっしゃい。一人かい?」

オーナーが僕に話しかけてきた。

「 は、はい。一人です。」

「そうかい、ゆっくりしていきな。それにしても 君は、洋平君に似ているねー。」

「 あ、あのー僕は川上洋平です、小さい頃お世話になってた。」

「 ずいぶんと大きくなったなー。」

「 ハハハ、いえいえ、まだ身長は小さいほうですよw 」

「 お 姉ちゃんは、元気にしているかい?」

「 姉は、今大阪で飲食店で働いています。」

「 そうかい、お姉ちゃんも大変なんやなー。」

「 あっ、そうそう今日はせっかく来てくれたもんやから、ケーキプレゼントするわい。」

「 えっ!いいですよ、僕はケーキあんまり食べないし。」

「 いいから、いいから、食べなさい。」

「 あっ、はい、じゃよろこんで。」

「 苺と胡桃のケーキだよ、新作なんだよ。タダで洋平君には。」

「 そうなんですか、ありがとうございます。オーナーが作ったケーキはどれも美味しいですよね、小さい頃から好きでした。」

「 ありがとう洋平君、私も君が成長したのがよろこびだよ。」

「ハハ、そうですか。」

僕はケーキを全部食べると、オーナーが渡したいものがあると言った。

「 洋平君に渡したいものがあるんだ。」

「 なんですか?」

「 お守りなんだけど、洋平君が幸せになるように作ったんだ。」

「 お守り…ありがとうオーナー。」

「 大切に保管しとくんだよ。」

「 分かりました。」

「いつでもおいで、待ってるから。」

「 うん。」

僕は喫茶店を後にした。

今日は外にも出れたし、懐かしいオーナーにも会えたし。
これが幸せなのかもしれない。

ずっーと、続いたらなこの幸せが。


Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。