社会問題小説・評論板
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- 私と君
- 日時: 2013/10/20 08:16
- 名前: 向日葵 (ID: j94.kxUq)
ジリリリリッ!!
「…うるさっ…」
バチンッと、音を立てて目覚まし時計を止める。
ワイシャツに赤いネクタイ、黒のスカートに白の靴下とローファー。
この学校の制服は、「西陵高等学校」の制服。
遠藤 真琴(えんどう まこと)は、ため息をつき、制服に身を包んで 学校へと出かけた。
昔から髪はショートで、背は高く 男っぽいと言われて 小中といじめを受けた。
体育館に呼ばれ、袋叩きにされたこともある。
体操着も破られ、終いには教科書やノートも捨てられた。
そのせいで人が怖くなり、完璧孤立し、「今」もいじめを受けている…。
- Re: 私と君 ( No.1 )
- 日時: 2013/10/20 08:24
- 名前: 向日葵 (ID: j94.kxUq)
「2ーC」
教室に入ると、騒がしかった教室が一気に静かになった。
「おっはよー、真琴君♪」
派手で問題児とされている、山田さんグループ3人組に囲まれた。
(うざっ…)
隙間から素通りしようとしたが、塞がれた。
「おっと、逃げる気? …お前、自分の立場分かってんのかよ」
ふと机に目をやると、無くなってた。
「お前の居場所、ここに無いから」
ゲラゲラ笑う声、見て見ぬフリをする奴ら。
「へぇ」
それだけを告げると、ドアに振り返った。
その時だった。
背中に痛みが走り、私は廊下に派手に転んだのだった。
- Re: 私と君 ( No.2 )
- 日時: 2013/10/20 14:10
- 名前: 向日葵 (ID: j94.kxUq)
「ーっ!」
擦りむいた膝からは血が滲み、背中が痛かった。
「あははっ! 大丈夫?」
手を差し出している山田の手を払い落とし、立ち上がった。
「お前、マジで殺るよ?」
「聞いてんのかよー。加賀美! 」
その時だった。 山田たちではない別の場所から声が上がった。
見ると、隣のクラスの 山田のグループと仲の良い 安藤グループがいた。
廊下の片隅で、囲まれている子の髪を掴み 叫ぶ。
「…」
いじめられている子は、髪の長い綺麗な子だった。
茶髪で、腰まである髪。
ピアスをしていて、スッとした顔立ちだ。
(何故、彼女がいじめられている…?)
疑問に思いつつも、立ち上がった真琴は 様子をじっと見ていた。
「ミカっ! 先生もうすぐくるよ!?」
山田が声をあげる。
安藤の名前は、多分ミカというのだろう。
ミカは舌打ちをし、加賀美の腹を足で蹴るとそのまま何事もなかったかのように教室に入って行った。
「…大丈夫?」
真琴はスッと手を差し伸べた。
「…平気。 」
ヨロリと立ち上がる加賀美。だが、腹部に痛みが走ったのか、すぐに
ドサリという音を立てて座り込んでしまった。
「保健室いこ」
彼女を立たせ、自分に寄りかかるようにさせてゆっくり歩き出した。
【保健室】
保健室には誰もいなかった。
先生は出張らしい。
「…こんなことしなくても良かったのに」
ベッドに座り、フッとため息を漏らすと、加賀美は自ら服を脱ぎ出した。
綺麗で、細く伸びた手足。
しかしそこには、幾つものアザや、切り傷があった。
だが、それを見ても 真琴は驚きもしなければ引くこともなかった。
だって、自分も同じ目にあってきたから…。
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