社会問題小説・評論板
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- 私の学園王国。
- 日時: 2013/12/21 23:07
- 名前: カナメ (ID: W5lCT/7j)
容姿端麗。品行方正。頭脳明晰。
全てが完璧な少女。それが私、西園寺 魅音。
誰も私に逆らわない。誰もが私を尊敬する。
そんな、私だけの小さな王国。それが『学校』。
だけど、私の王国は、脆く、儚い。
すぐに
すぐに崩れ落ちてしまう…
いつかは。
- Re: 私の学園王国。 ( No.1 )
- 日時: 2013/12/21 23:59
- 名前: カナメ (ID: rMENFEPd)
「魅音さんッ!」
「今日も、美しいです!」
「さすが、魅音さんだわ!」
「ふふ…ありがとう」
にこりと微笑み、席につく。
授業なんて聞かなくてもテストは100点。
部活に入っていないのにいつも運動部にタイム勝利。
通知表はいつもオール5。
全てが、完璧。
生徒会長もしているし、先生からも人気の生徒。
それが、私。
髪を翻してそんな事を考えていた。
いつもの日々。
今日も昨日も一昨日も。
ちっとも変わらない完璧な日々。
たまには、刺激がなくちゃ、つまらない。
「はぁ」
ため息をつき、空を仰ぐ。
「……おはようございます!」
先生が入ってきた様だ。
「きりーつ。れい。」
『おはよーございまーす』
「今日は、皆さんに嬉しいお知らせがあります!」
ふぅん……ま、どうせ私のこと…
「我らが西園寺さんが、先日のイラストコンテストで…」
ほぉら…やっぱり。
皆からの視線。快感だ…
「…見事、銀賞を獲得しました!!」
「すごいわ!魅音さん!」
「やっぱ、すげぇな…」
皆が私を尊敬の目で見つめる。
……は?
銀賞?なんでよ。
なんで私が二番目なの?
ありえない。ありえないありえないありえない。
二番目なんて、いらない。
私がほしいのは……
「それと…転校生の紹介です!」
「えと…鈴波 花蓮、です。よろしくお願いします!」
「わ…めっちゃ可愛くない?」
「もしかしたら魅音さん以上…」
「ちょ、聞こえるよ?」
一番だけ。
- Re: 私の学園王国。 ( No.2 )
- 日時: 2013/12/27 13:24
- 名前: カナメ (ID: 9nuUP99I)
鈴波 花蓮っていう人間は。
とにかく完璧だった。
私よりずっと可愛い。
人当たりもいい。
勉強だって出来る。
運動だって出来る。
おまけに、某財閥のお嬢様。
そんなわけだから、当然他のやつらは花蓮にたかる。
綺麗な花の周りにたかる虫。
私はそれを快感と思っていた。
だけど。
だけどその花の隣に。
もっと綺麗な花があったらどうする?
勿論虫はそっちにたかる。
今まで散々たかってきた癖に。
私はあっさり捨てられる。
あの「虫」たちは私に依存していたはずなのに。
__本当に?
本当。
__私が虫どもに依存してたんじゃない?
…ッ。そんなわけ、ない。
あああああああああああああ!
やめろやめろやめろやめろやめろやめろ!
なんで
なんでみんな
離れていっちゃうの…!
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