社会問題小説・評論板
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- 言って、行って、逝って
- 日時: 2014/02/01 16:11
- 名前: 赤林檎♪ (ID: XTRoCAOa)
そういえば、ちゃんとした長編書いていないなぁ、と思い、書かせて頂きます!
こんな無名に言われても(笑)、と思うかもですが(笑)
そうそう、それと…
書ける筈も無いのに書こうと挑んでみる奴とは私のことです!
【終貴】>>1
【白哉】>>2
【紅】 >>3
- Re: 言って、行って、逝って ( No.1 )
- 日時: 2014/02/01 15:15
- 名前: 赤林檎♪ (ID: XTRoCAOa)
【終貴】
揺れていく世界、燃えていく街並み、悲鳴のような叫び声。全て、全て、まるで異物を取り除くように、この世界から抹消されていく。
それとも、もともと要らないモノ、作られたモノだったのか?
そんな考えを巡らせて見れば、ふるふると震える子供までもが「人工的」に作られた「オモチャ」にさえ見える。
ああ、この世界は何だ? 外界から隔離され、実験? それとも誰かのお遊びか? ふざけんな!
消えてく世界の中で一人叫んだ。
「じゃあ、俺は何なんだ!」
まだ明るい空に薄っすらと浮かんだ月が、俺を睨んでいる気がした。
- Re: 言って、行って、逝って ( No.2 )
- 日時: 2014/02/01 15:36
- 名前: 赤林檎♪ (ID: XTRoCAOa)
【白哉】
消えた君を探して、何もできない自分に苛立って、僕は死のうとだって思った。そこまで考えて、ああきっと君たちもこんなことを考えて消えてしまったのかな、と思う。
君の事、何も知らなかった、知ろうとしてなかった、分かってあげられなかった。何も言えなかった、聞いていなかった、話せなかった。
言いたかった事なんて、今考えればいくらでも浮かんでくる。
ああ、お願いだから、出てきてくれよ、紅月、紅音。
君たちが来なくなってから、もうしばらく経つんだ。
ふぅ、と息を吐き、二人の居ない教室を見回す。
「何時もなら、一緒に帰ってる頃だ」
言って、少し悲しくなって、呟く。
「今日ね、君たちを探しに行くんだ」
そっと、廊下に出た。
空を向いた窓から入ってきた光に振り向くと、沈みかけた太陽が、僕を笑っている気がした。
- Re: 言って、行って、逝って ( No.3 )
- 日時: 2014/02/01 16:10
- 名前: 赤林檎♪ (ID: XTRoCAOa)
【紅】
ああ、ごめんね、白哉。何も言わずにさよならして。でも、住んでる場所まで変わった事だけが、幸いだ。心の中で、何度も、何度も繰り返す。
「紅月、仕方ないのだから、謝る事は無い。主人に急げと言われたのなら、従うまで」
紅音は、そんな私の心を知ってか知らずか、そう、淡々と言った。
私は、そんな紅音に、こんな時に伝わるって言うのも嫌だね、と苦笑混じりに言った。
私たちは、心が分かる、伝わると言うのかな?
だから例えば、私が嬉しくなったら、その気持ちが紅音にも分かるって事。どうやら、私の気持ちはすぐに流れ込んでくるんだって。わたしが、紅音の気持ちが分かるのは、相当のことがあったときくらいなのに。
「ところで、紅月。いつ頃行動する? 何時までも此処に居るのも、なんだしさ」
そう、私たちは今日、久しぶりの仕事をする。そして今は、その会社の近くの、本屋。
え、仕事? えっと、確か今回は、プログラムを盗んでくること。
「プログラムなら、紅音だけで何とかなるんじゃない?」
紅音は、物凄く頭がいい。私と同じ中学生なのに、大学とかの勉強をしている。だから、プログラムの書き換えも、大人相手の交渉も、作戦立ても、お手の物だ。
ああ! そうそう、私たちの仕事は盗み。色々と、拝借してます! でも、私たちがやるのは空き巣みたいな中途半端で、低レベルな物じゃない。時には、大人を相手に、戦う。殺さないように気を付ける事の大変さ、周りには分からないんだろうなぁ。
そんなことをふわふわと考えていれば、頭をぽん、と叩かれる。
「下らない事考えてないで、話に集中。あ、それでさ、何時もなら何とかなるんだけど、あそこは手ごわい。時間稼ぎが必要なんだよ」
紅音は面倒くさそうに、頭をかく。
「時間稼ぎね、了解!」
さあ、二人で作戦開始だ!
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