社会問題小説・評論板

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恋舞う夜 【モデルをいじめてみる。殺ってみる。】
日時: 2014/02/11 17:15
名前: クルミ ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

消える

1秒
たった1秒の出来事で

恋の実が 

——ボトッ
と落ちる

手を緩めるだけで 消えていく
あたしの恋、また 消えていく


羽ばたいて 一緒になる前に 消えていく
今度こそ…
消えないで——————

もう二度と 泣きたくないから
もう二度と 悲しい思いしたくないから

たとえ 失っても

あたしの胸にだけ 残ってればいいから
もう二度と 悲しい思いしたくないから

もう二度と 泣かないために
——————
作者挨拶>>1

目次>>2

登場人物>>3

Re: 恋舞う夜 【ファッションモデル…いじめ】 ( No.6 )
日時: 2014/02/11 17:05
名前: クルミ ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「わー、また出てるよ。ほら これも」
ポンッと雑誌を放り投げると 取り巻きはナイスタイミングで手をのばす。

「何々…?ムーランルージュ?…嫌だね 楜澤ルリ…だって。人気なのねー。」

クスクス…

「ルリ×おしゃクールだって。ルリが着るとせっかくの服も台無し-!」
クスクス…

「なんで改名なんかしてんのよ」

「クルミザワって。 母方のばーさんの名前だって 漆雫だとすぐばれるからなんだって。今にばれてるけど」

「あ、そういえば ルリって妹居んでしょ?」

「そうだよ。ここに妹居る。雑誌のイメージ違うけど。漆雫くるみになってる。ルリと違う感じで、妹ならいいや」

「だねー。人気ありそーな子だもん。」

「いや!マジで大人気なんだよ!うちの弟 小学5年で 同じクラスらしいんだけど、男女問わず大人気!マジで引っ張りダコ!」

「そーそ。あの子 演劇、ミュージカルやってたのよ。なんかの主役とか。歌も演技も上手って話だよ」

「まさに ルリも人気あったけどね」

朝、教室。静かな人影が クスクスと笑い転げた

「ねえ、コイツ、殺っちゃおうよ」
紙面でカッコよく決めるルリの顔をさして みんなクスクス笑うと、それを破り散らした

————————


「おはよう!るーり!」

「あ、ルリだー!おっはよ♪」
中学校の玄関で、何人かの女子に捕まる

「おはよー♪」
笑顔で返す。

「ほら 教室いこーよ!」
最近はあまり学校に来れないルリだけど、 いっぱい友達が居て。

「わー、今日ルリいない?」

「まだ、来てないけど」
慌てた様子の、他のクラスの寧々が、わたしのクラスの前で、立往生しているのが遠目に入った

「寧々 おはよう どうしたの?」

「わー!ルリー!」
と目の前で飛び付く

「ど、どうしたの…」

「音楽の教科書、忘れたんだ。今日あるよね?貸して!坂やん忘れ物すると怖いじゃん。一時間目だから すぐ終わるから」

「あ、うん、分かった。わたしは三時間目だから すぐ返してよ」
今日も 一日が始まる

Re: 恋舞う夜 【ファッションモデル…いじめ】 ( No.7 )
日時: 2014/02/13 20:12
名前: クルミ ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

他のクラスの幼馴染と双子の兄のリクと、中学校に登校。
今日も、モデルのお仕事ないから 来れるんだよね

「おはよ」

「あ、ルリ おはよ」
仲良しの栞奈と陽奈と学校の玄関で会った。

でも いつもならここで だべるところを、ふたりは背を向けて 階段を上がってく。

「? 変なの」
変な気分で靴箱を開ける…と。

バサバサ・・ッ

渇いた音を立てて、何個もの手紙が落ちてくる。

いつものラブレター的なものかな。と クシャっと丸めようとするが、後ろからの鋭い視線に、何ともなく中を開く。

「なにこれ…」
シューズも汚されていた。

「…なんで」
手紙というより紙切れというべきであろう 自分が出ているファッション雑誌をびりびりに破いたもの・・すなわちゴミや、

バーカ

アホ

死ね

消えろ

邪魔

などの言葉が 紙切れそれぞれに書き込まれていた。

それら全てを、グシャッとひとつにまとめると、後方を見た

靴箱の片隅に、見てくれとばかりに クスクスわたしを見て笑う。こに、クラスの派手なグループがある。江野沢遥華というお嬢様。と、その取り巻きだった。
それらがクスクスと笑っている。

わたしを除者にしているのだ。


なんでって…?


「モデル」だから

特別だから


とりあいず、反発はせずに、江野沢遥華だけを一瞥し、自分も階段をあがる。
どうせ 栞奈も陽奈も、仲良くするなとでも 言われているのだろう。
噂は広まり きっとリクの耳にも入る。

そして 広く皆わたしを嫌い、わたしだけを外れにする。

大体 解る気がする。

でも…どう 行動すればいいのか。

(どうすればいいんだろ…?)
こんなの初めてなルリには 訳が分からなかった。

別になんもないだろ。そんな気持ちだった。
何も起きない

明日になれば きっと 良い日だから

——
「なんで、此処にも・・」
また 教室の片隅で クスクス耳打ちしている人たちが居る。

机の中にまで 紙が入っていて。
それらの内容は見てないからわからないけれど 同じようなものだと思えた。
明らかに嫉妬としか思えない

軽く椅子を蹴飛ばして座る。

「おはよう」
横から ちょっと鋭い目線が飛んできて すぐに紙をクシャっと丸めた

「お、おはよう」
とりあいず鞄に全部突っ込み にっこり。

(…これ  このままどうなるんだろう)

明日と明後日は、幸いモデルのお仕事があるので 学校に来ない。

でも 長期休日なんてないに限るので、これからしばらく学校に行かなくてはならなくて。

(…どうすれば)
寂しい気持ちと 孤独感に 胸が波打つ

何されるんだろう 自分が何をしたんだろう

わけがわからなくて 涙が滲みそうになって、目をパチパチして抑える。
泣いたら負け

助けを求めたら負け

解ってるから。

教科書で隠して 唇を引き結んだ。
———
ランチタイム

リクには、ひとりで居ることを知られたくないし、いつも風邪をひいてもつらい状態でも ギリギリまで我慢するわたしだから 弱音は吐かない。

その故、陽奈と栞奈は、二人で 食べに行ってしまったので、わたしは 誰にも見つからないような場所で、お弁当を開いた。

「今日は ご飯か」
うめぼしが チョコンと乗っていた。

「あ、るーりちゃん。」
木陰から、声をかけられて、瞬時にその方向を見た。

「…」
名前は出てこないが、知っている人だった。
男子からの人気が高そうな美人顔で、髪はゆるりとパーマがかかっている 可愛い子だった。

名前さえもわからないので 無視していると、

「私、名前はモ「モモ!行くよ!!」
そのままその子は 引っ張られていく。

「私、モモ!よろしくねぇ〜♪」
…ほかのクラス。

鳥合図 頷いておく。

モモ…。

モモちゃん か。

覚えておくことにして、唐揚げに手を付けた。


Re: 恋舞う夜 【ファッションモデル…いじめ】 ( No.8 )
日時: 2014/02/13 20:14
名前: クルミ ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

「…じゃあ 行ってくる」
いじめられていることは 絶対 言わない。

家族にはフツーに振り舞うようにしたし、双子だし通い合ってる気持ちがあるから、リクも わたしに対しても家族に対しても フツーに態度示してる。

「おねーちゃん いってらっしゃーい!頑張ってねぇー♪」
いつも元気ハッピーな来瞳は 楽しげにわたしに手を振る。

リクも 頷いている。ガンバレ とでも言いたそうにして。
リクに、栞奈の制服預けて、わたしは、駅まで向かう。

ここの家からは、紫苑駅に近くて そこから地下鉄にのって1時間で着く場所。それまでに2度乗り換えする。

お母さんは 毎回送り迎えできるわけじゃないし 何せうちは三人きょうだいだから、それなりに忙しい

「2番ホーム 月城行き 栄枝方面。黄色い線までお下がりください」
手短な音楽と女の人の声が流れる。

周りの目が、制服着てないのにコイツどこ行くんだ…というかんじだ。

乗り込む。

あ、すいてる。

思わず端っこに座った
—————
…学校…

「えー、今日ルリ居ない系? つまんねーの」
ルリが居ないのを良いことにして、遥華が教室の真ん中を陣取って、取り巻きと意味ありげにしゃべっていた。

「もしかして いじめられて不登校になったとか?おもしろいわね」

「ほんとほんと」
誰も、クラスにルリの味方は居なかった。

「ほーら、陽奈 栞奈」
ぽーんと 教室の端っこに、ビラが舞い散った

さすがに 遥華たちの行動に、リクも目がつけられなかった。
他のクラスだから と言うことと リクは人気だから ということ。

「・・・いじめ、だいさく、せん」
カタコトの日本語で 陽奈がビラの内容を、栞奈に伝えた

「これ、から。クラス、ひとり、除者、いじめ、する。たー、げっと、は、ルリ。るり、 いじめる。」

「…陽奈、わかんない。ビラかして」
そう言われて、栞奈もビラを受け取る

「これから クラス一人を除者にし、いじめをする。今回のターゲットは、漆雫瑠璃で、ルリが限界に至るまで いじめをする。期限はない。しっかり協力してくれた者には、報酬を与える。そして ターゲット除外枠に居れる。ターゲットじゃなくなった者は、それからは仲良くターゲットをいじめなくてはならない」

——etc…

Re: 恋舞う夜 【モデルをいじめてみる。殺ってみる。】 ( No.9 )
日時: 2014/02/11 18:05
名前: クルミ ◆8DJG7S.Zq. (ID: qdhAso1A)

「次は、霜下、霜下」
アナウンスが流れ、まだまだだなー。と、ケータイを開いては時間を確かめる。
ひとりで地下鉄は、結構心細い

今日は、最近ルリが表紙を取り始めている、ティーンズファッション雑誌、ドリーム アステリの撮影なのだ。

留美から 連絡も届いていた
———
メンバー 一覧

泉田 藍花 
須藤 ユウナ
星崎 きはる
清水 若菜
黒沢 エレナ 
朝夷 カイリ
古林 愛
楜沢 ルリ
海雫 リン
令城 美麗
紺野 カリン
内田 絢花
大海 ノノカ
———
(わー、知らない人いるなあ しかも メンバー多すぎ!!)
打ち解けるのが苦手なルリは 落胆した。

令城さん・紺野さんあたりは、まず、知らない。たぶん雑誌のイメージから違うのだと。
何にせよ、ドリーム アステリは、色んなイメージが集まった雑誌だから。

でも そのメールに続きがあることに気が付いた
———
心配することはないわよ。

泉田から清水あたりまでは、オレンジ・キャンディ
黒沢から海雫あたりまでは、ロゼピンク
令城&紺野は、DEVILHARTZ…って知ってる?

ロックで派手なブランド。

内田&大海は、最近健闘の、FairyRuby ナチュラルなブランド。

ドリーム アステリは、確かに、明るいイメージやロックイメージのブランドも強いかもしれない。
けど、ほぼ、モノトーンが雑誌を占めているし、ケンカになってもモノトーンブランドは強いの。

人数が多いと感じたかもしれないけれど、一騎に集まることもほとんどないわ。今回が トクベツなだけ。

じゃあ 待ってるわ

☆留美☆
————
「あ、ルリじゃな〜い♪」

「え?」
顔を上げると、同じく中学一年生の、海雫リンの姿があった。

「リン…!今、乗ってきたの?」
そう聞くと、頷いた

「そうだよ。家、この近くなの。」
明るく笑顔で笑うリンに、にっこり頷く

リンは、ルリと長い付き合い…(と言っても、半年余り)オレンジ・キャンディに前所属していたリンとルリだけど イメージに合わない。と突き放され、今では一緒に、ロゼ・ピンクやムーランルージュで活躍中!

背が合うとか同じ学年とか、二人とも、この中ではしゃべるタイプ っていうのがあって、一番の仲良し。一緒に表紙絵に出た雑誌がいくつもある。

「へえ…」

「ルリは?どこから乗ったの?」
地下鉄便利だよねぇーとリンは笑いながら、路線図を見る

「ここから 2回乗り換えてきたの。紫苑からだよ」

「えー!遠っ!大変だったね。疲れた?」

「あ、うん、結構 座ってても疲れる」
と 会話しつつ。

「あ、メール見たぁ?」
そう言われつつも、リンとしゃべるため、自分はおばあさんに席を譲り、経つ。

「あ、見たよ。リンは?」

「見てない…内容、教えてくれない?」
うん、とうなずいて大まかに内容を伝え、ケータイ開いて、参加メンバーも見せる

「げぇっ!メンバー多いっ!」

「う、うるさい!リン!」
と たしなめつつも 自分もうるさいことに気付く

「…ご、ごめん。でもちょっとやばくない?」
リンが耳打ちする

「…なにが?」

「ほら、留美さんも書いてるでしょ ケンカになったらモノトーン軍団は強いって、でもね、このメンバーに 面倒なヤツが居るの」
と、指で 画面の一部をさす。

「次は、葵沢 葵沢 身体の不自由な方に、席をお譲りください」
(あと、1駅・・)

もうすぐ つく。ということで 少し胸を高鳴らせながら、わたしは、リンの話の続きを待つ

(今頃、二時間目ぐらいかな)

人が、入ったり下りたりをする

「ドアが閉まります」
音が鳴り、プシュー…とドアが閉まる

「優先席近くは、携帯の電源を切り、それ以外の席は、携帯をマナーモードにし、電話はお控えください」
車内に アナウンスが流れる。

「…次は、黒沼 黒沼 席を立たずにお待ちください」
アナウンスが流れる

リンの指の先は、星崎きはると、令城美麗を向いていた。

「…このふたり?」
そう言うと、暗い顔でうなずいた

「令城美麗は 資産家。お嬢様だから いばってるの。でもそれだけならまだマシでしょ でもね…」

「…でも?」

「後輩に態度が厳しいの。マネージャーや先輩には猫かぶって良い子ぶるけど、後輩には ものすごい冷えた態度で、挑発するみたいなの。自分以外の後輩がほめられると、ものすごい怒る。」

「…え…」

「星崎きはるは、泣かせる。今が 大先輩なのをいいことに、自分の実力は大したことないくせに、後輩を責める。エレナさんや らなさん、ユウナ先輩みたいに、実力があって 性格もすてきな人は少ない。」

「覚悟、しとかないとね」

「扉が開きます」

「さ、ルリ 降りよう。よかった 一緒に歩いていける人が居て」
ここから徒歩15分、ルリも、リンと同じ気持ちで、ひとりだと心細かった。
ふたりだと、吹っ飛ばしてもいい気分になる。

Re: 恋舞う夜 【モデルをいじめてみる。殺ってみる。】 ( No.10 )
日時: 2014/02/11 18:59
名前: 恵美 ◆4DUzgK1D1E (ID: OWyP99te)

とっても面白いですっ!
神文才ですね…←←もっとマシな言い方あるだろ
学校でのいじめ、そして怖ぁい先輩達…どれも超気になります!!
頑張ってください!!
迷惑でなければまた来ます♪^^


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