社会問題小説・評論板
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- 【オリキャラ】自傷少女と愛情表現。【募集中】
- 日時: 2014/02/22 13:34
- 名前: 妖夢 (ID: 8vMNebk7)
私は玩具に手を差し伸べた。
私の手を掴もうとした瞬間、私は素早くその手を引っ込めて自慢のロングストレートをはらった。
案の定、派手にこけている玩具の手を掴むと、グイッと引っ張った。
「最近、冬月さんの様子がおかしいようだけど。本人は自分を玩具と言っているわ」
先生がじっくり私達の顔を見渡す。
愛情表現をしていない人も、してる人も、緊張で固まる。
私を除いては…ね。
「・・・また貴方達なの?」
「さあ、どうでしょう?先生だって私の財力が怖くなることでしょうね」
「何が言いたいの、蝶乃さん」
「そうですね。簡単にまとめれば、これはいじめではないということです」
そう言った瞬間、冷たい目でこっちを睨む玩具と、意味がわからないと言った顔で見る先生の顔。
私のアイスブルーの瞳が、玩具を捉えると、玩具は唇を噛み締めた。
「よくお聞きなさいな。これはいじめではなく、教育と愛情表現なんですよ」
【目次】
>>0…プロローグ
- Re: 【オリキャラ】自傷少女と愛情表現。【募集中】 ( No.8 )
- 日時: 2014/02/23 09:45
- 名前: 妖夢 (ID: 8vMNebk7)
ルシファー様
刹那のママさんですね!
有難うございます!採用させていただきます!
- Re: 【オリキャラ】自傷少女と愛情表現。【募集中】 ( No.9 )
- 日時: 2014/02/23 10:15
- 名前: 妖夢 (ID: 8vMNebk7)
第五話『傷跡』side亜美
「今日も一緒に遊びましょう」
放課後、刹那さんを取り巻いて楽しそうに話をする。
これは立派な教育。愛情表現。虐めなんて真っ赤な誤解だわ。
私はニヤリと笑って刹那さんに問いかける。
「ねえ、刹那さん。私達、貴方にわかって欲しいだけなの。虐めてるって思う?」
そう言うと、決まって彼女がいうんだもん。
「違います。これは、教育と愛情表現です」
わかってくれてるのね、っては言うけど、内心イライラしている。
抜いても抜いても生えてくる雑草のように、刹那さんは図太い。
今、小さく「虐めだよ。教育と愛情表現なんて馬鹿馬鹿しい」って言うし。
「ねえ、貴方って見てるとイライラするわね」
「・・・」
「貴方がくる前は、平和な学校だったのに」
ビアンカがそう言うと、床に刹那さんの涙が落ちる。
家の事情で転校してきた刹那さんは、とても明るかった。
でも、特別ってわけでもないのに、偉そうな態度でビアンカを嫌っていた。
金持ちに庶民の気持ちがわかるわけがない、って陰口たたいて、ビアンカはその後櫂に裏切られて。
櫂はマリを助けるために、幼馴染を裏切った。
まだ今日は虐めていないけど、反省させなきゃ。
泣き顔見せてよ。悔しそうな泣き顔。
「その図太い性格、あたし嫌いよ」
ビアンカが『あたし』という。
ビアンカが怒ったんだ。
「あたしの陰口叩いてたあの根性と偉そうな態度はどこに行ったのかしら。ふざけないでよ」
「・・・それはっ」
「違うとでも言いたいの?何が?何が違うのよ。そうね。私は金持ちだから庶民の気持ちなんてわからないわね。貴方の言う通りよ」
ただ語るビアンカを、刹那さんが睨む。
「その態度、誰に対してとってるの?好い加減認めなさいよ。自分は価値のない人間だって。黙って見てれば私に見向きもしない。本を読んでばっかり。私が何もしなくても私に跪くのが当たり前だわ。あなたがクラスを、学年を、学校を、幸せを、壊して、壊して、壊しまくったんだから。わかってるの?」
「・・・貴方の方が価値のない人間だわ。私はそんなつもりない。人間はみんな平等なの。私は家来じゃない。跪く必要ないの。ビアンカちゃんこそわかってる?」
「当たり前よ」
「女王様気取りしないで!私、玩具じゃない。教育?愛情表現?馬鹿馬鹿しい。私を教育するのはお母さんで、お父さんで、愛情をくれるのもお母さんとお父さんよ。私は嘘の教育と愛情表現はいらない。愛情も教育も両親からで十分よ」
そう吐き捨てると、刹那さんはスクールバッグをとって教室の戸に手をかけた。
そして戸を開けた後、ビアンカが言った。
「死ねばいいのに」
刹那は唇を噛み締めて出て行った
- Re: 【オリキャラ】自傷少女と愛情表現。【募集中】 ( No.10 )
- 日時: 2014/02/23 10:37
- 名前: ルシファー ◆BdJLOScoFg (ID: KgobaFNd)
採用有難うございます。
さすが、あのお母さんの子だけあって、芯が強いですね。
刹那ちゃんは。
- Re: 【オリキャラ】自傷少女と愛情表現。【募集中】 ( No.11 )
- 日時: 2014/02/23 11:08
- 名前: 妖夢 (ID: 8vMNebk7)
ルシファー様
ハイ…。そうなんです。
刹那はお母さん似なんですねw
____________________________________
第六話『母と私と絶望と』 side刹那
「ただいま〜」
家に帰ると、私のお母さんは料理を作っていた。
冷たく言い放たれたあの言葉を忘れてしまいそうなほど暖かい幸せ。
「おかえり、刹那」
台所から声がする。靴を抜いで家に上がると、時計はもうそろそろ七時を示そうとしていた。
今日もこの時間帯くらいか。今日はお母さんに何て言おうか。
お母さんに嘘をつくのも、もう私の日課になってきている。
考えることさえ苦じゃない。もう当たり前だ。
「刹那、最近帰りが遅いみたいだけど何かあった?」
「ううん。友達の妹が誕生日で。妹の誕生日プレゼントを一緒に選びに行ってたの」
「へぇ。やっぱり刹那は優しいのね」
お母さんがそう言って笑うと、嘘を吐く(つく)事が悲しくなる。
私が人気者で、素直だったら、知っててお母さんを傷つける様な事しなくていいのに。
「お母さん。あのね・・・」
「ん?なぁに?」
にっこりと笑って返事をするお母さん。
「ううん。なんでもないよ」
「そう?」
「私、着替えてくるね」
ねぇ、ビアンカ?
貴方だって何もかも壊してるよ。
優しく笑ってくれる母と。
幸せな家庭に生まれた私と。
希望をなくした絶望だらけの私の心と。
笑顔、幸せ、心。
全部、貴方は壊したんだ。
私じゃなくて、ビアンカが。
- Re: 【オリキャラ】自傷少女と愛情表現。【募集中】 ( No.12 )
- 日時: 2014/03/15 00:35
- 名前: ぱちゅ (ID: 8vMNebk7)
第七話『ビアンカ入院?』side刹那
その日、学校へ行くと何時も見える偉そうなグループはなく、ビアンカも目に入らなかった。
遅刻する表面上優等生なんて珍しいものだ。
「ねえ、ビアンカちゃんは?」
「あ、おはよう、刹那。それがね…」
唯一の友達、昴 葵が表情を曇らせて言う。
「昨日、いきなり高熱で倒れたんだって。手足に小さく怪我も見つけたらしいの。それで病院に行ったら、お医者さんが曇った表情をしたらしくて…」
「それ、で…?」
「結局目が覚めないまま、今日。一応入院させることになったみたいだよ」
「あのビアンカちゃんが、高熱と怪我…?」
葵は曇った表情のまま頷いた。
あのビアンカが…ねえ。と思いながらも、内心はホッとして居た。
でも、そんな時、櫂くんが心配そうな顔でビアンカの席を見ていたなんて…。
私は、気づかないふりをしていた。
*
「な、に…?話って」
「ごめんな、俺の話に付き合わされるなんて、刹那も不幸になっちまうな」
「・・・櫂、くん?」
放課後、窓辺に肘をついて風に当たる櫂くんを、片手を胸元で握り締めながら見ているのは、呼び出されたから。
「俺さ、ビアンカを裏切ったんだ。俺とビアンカは陽向に隠れて付き合ってたんだけどな。俺、家族に愛されなくて。そんなある日、可愛らしい白猫が捨てられてたんだ。マリって名付けた。俺とマリの出会いはこんなんだったかな。でも、ビアンカが当時いじめを受けてた。思い出すと呼吸が荒くなったりする。それくらい酷かったんだ。詳しいことは言えないけど、それは俺のせいだから。ビアンカの言うこと、少しでも聞いてやりたい。それに、ビアンカは俺になんきも告白してくれてる。なあ、刹那。気付かないとでも思ってるのか知らないけど、俺のことチラチラ見てるだろ。・・・だから、終わらせてくれないかな。そういうの」
「え___」
「これ以上、俺に近づいたり、チラチラ見ないでくれる?気分良くないから」
人生で一番幸せな日だと思ってた。
でも、それは間違いで、人生で一番最悪な日だったみたい。