社会問題小説・評論板

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・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・
日時: 2014/03/05 19:49
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

「———わたしは、撃たれる」


彗星光る黄昏の空

この蝋燭が解け切ってしまえば、わたしは、この場所から離れ 撃たれるまで 永遠に 魔術シンドロームとして 追われる身になる。

「———わたしは、死ぬ。」
ボトボトと 蝋燭が溶け、ロウが落ちていく。

「溶けきったら、わたしの人生が、また。始まる……」
そこで捕まるまで、またわたしの人生が始まる。

「そして、終わらない…いくら死んでも、また甦る」
命の蝋燭が燃え尽きるまで——……

———————————————————————
□お知らせ□

2014.3/4 執筆開始

作者挨拶 >>1
登場人物 >>2
登場用語(読んでおくと分かりやすい、かも)>>5
———————————————————————
目次

第一章 ∮夕闇シンドローム∮

第一話【宵闇トワイライト】 第二話【混沌カオス

*to1黒き蝋燭少女>>3
*to2夜明けの魔物>>4
*to3

Re: 魔術シンドローム ( No.3 )
日時: 2014/03/05 18:15
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

∮ 第一章 夕闇シンドローム ∮

第一話 宵闇トワイライト

「…ほら、」
わたしは、両手で抱きかかえていたプラムを、大切に芝生へ降ろし、肩に飛び乗っていたレイは自分から ひょんと飛び降りた

「ニャー!」
プラムは声を上げて、わたしの手の平から、梅の花弁を食べる。

プラムは人間界の猫さんなのだけれど、人間界の猫さんからして有毒って言われてる 梅の花弁、プラムはなぜか大丈夫で
一番の大好物だから いつも人間界から大量に持ってきた保存用 梅の花弁を、一週に一度、一食の時だけ、食べさせてやるの。

「はい、レイも食べて」
冷静で我慢強いレイは、プラムを先に食べさせてやる。

「にゃー!」
返事するようにレイも、エサに飛びついた。

プラムは2歳の猫
レイは3歳猫

どちらも、独りきりのわたしの旅ににかかせない人たち。

黄昏の街並がきらきらと光って見える。


そんな場所から遠く離れた森で、わたしと二匹の猫は野宿をすることに決めた。


「よいしょ…」
モルテ界に昼はない

夜明けと黄昏と真夜中がくるくると回り続ける世、死の世界
普段、魔女の血を引くわたしは、魔法が使えるのだけど、今は封印されているから、使えない

「できた」
テントを組み立て終えると、ふたり専用のかごに入れてやる。
もう両手で一抱えのふたりの猫を かごにいれてやり、自分はテントに布団を敷いた。

寝袋は嫌いなのだ。

「そろそろ寝ようね」
ランタンの灯を消した。

まだ 黄昏時なのだけれど、今日は なんとなく。夕飯も食べずに わたしは寝ることにした。


「おやすみ」


「ニャー!」
「にゃ」
ふたりの猫も鳴いた


……命の蝋燭


ボロ布で出来た瑠璃色のワンピースのポケットから蝋燭を取り出した。

薔薇のブローチは寝る時は邪魔なので取った。

「命の、蝋燭」
最初はこれも綺麗な翼のカタチをしていたのだけど。
わたしが死ぬたびに 少しずつ欠けていくの。

わたしが死んだ瞬間、火が蝋燭に灯って
その蝋燭の火が消えた瞬間から わたしの新たな命が始まる。

わたしは今 120歳 若者の方なのよ。

「にゃ」
わたしが起きていることに気付いたレイがこちらを向いて、背に飛び乗った。


「……命の蝋燭よ」
命の蝋燭を持つ者の夕時の 祈りの捧げ。

「*トワイライト*黄昏の神よ。泉の傍らに眠りし者よ。我が命、残りⅢの行手を阻むなかれ。日が照らす*メイト*友よ。*セイブル*黒の夜に君臨する十字軍よ *エニグマ*謎を持つ者よ。我が祈りに捧げ」

———
ここで豆知識です!!

カタカナで「ニャー」と言っているのが「プラム」で
平仮名で「にゃー」と言っているのが「レイ」です。

すでに使い分けていますので 御注目を!!

Re: 魔術シンドローム ( No.4 )
日時: 2014/03/05 18:51
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)
プロフ: http://エレジー

夜明け、わたしは起きた。

木漏れ日が差す間もなく、黄昏が来てしまうのにじれったさも感じつつ。
夜明けの景色をみながら、わたしは自分の朝のご飯もなく飢えていた。

「ほら」
梅の花弁はプラムのエサ。
そしてあるのはキャットフードであるレイのエサだけ。

わたしの食事は無い。
夕飯時から食べていないから、ずっとお腹がすいたまま。

喉も渇いた

湧き出たオアシスを飲むくらいしか、生きていく道がない

「……命の蝋燭よ」
命の蝋燭を持つ者は、蝋燭に朝晩祈りをささげなくてはならない。

「*オーブ*夜明けの朝の神よ。我が命、残りⅢの行手を阻まぬなかれ。夢を照らす*コスモ*宇宙よ。*ホープ*望みを叶える神よ。*グリーフ*嘆き 物を捨てる者たちよ。 我が祈りに捧げ」

捧げを終えた後、ひといきついていると、声がした

「…!おまえ!もしや、魔術シンドローム感染者か!!剥奪の刑のためすぐに逮捕する」

レイが素早くわたしの前にでて、 プラムも警戒したように、わたしをくるりと囲んで動いた

「!!」
この場所では、魔術シンドロームという症候群感染者は、剥奪されて刑務所で死刑にされてしまう。
わたしは すでに警察に指名手配された追われ人。

見つけたら、三億万グルナ、報酬までついていて。
わたしの名前を言ったら知らない人はいない。

今となって、追われる日々となってからは、名前としては ビアンカ・ブロッサム・Nとしているのだけれど・・ 

指名手配とか呼び名としては「猫を連れる少女、カエデ」

でも、今回は いつも追われている、警察じゃない。

「…やめて…!!」
わたしは力の限りでグリムワーを使った。

グリムワーは魔法のこと。
魔術シンドロームにかかった者に捧げられた神からの力

わたしは、花の力を秘めていて、そばの花の持っている記憶を読むことができたり、植物たちを武器にして戦うこともできる

グリムワーを使い、出てきた植物たちは、軍隊の何人かを、蔓で絞り上げる。

でも、こんな能力を使えるのは 魔術シンドローム感染者だけ。
これを使う時は、もうばれたときだけ。

「…だれ…?」
わたしは声を上げた

「やめろ!グリムワーを使うな!俺も知らないのか シンドロームハンター、イブキ!「おやめ…!!」
(シンドロームハンター?)
新しく作られたのだろう

普通の人と違う、不死身の存在 シンドロームを消すために作られたハンターたち。

でも、そんな物凄い莫大な人数の軍隊をかきわけて出てきた少女が居た

わたしよりもすごく豪華な服をきて、わたしよりもステキで、王女さまみたいな人だった

「…わたしくは 空軍エアー・フォーツを構えるモルテ界 モルテ塔、王国王女、ビアンカ・コーラル・E。あなたは?」
…王女、さまだったんだ。

若き日、魔女だった時の カエデ・ブロッサムという名前
人間界に来たとき、ブラッサムは花と言う意味があるとしって、立花楓と命名した。

今は…

「…ビアンカ・ブロッサム・N」
わたしは逃げ腰になった。

楓は モルテ語でビアンカと言うのでそうした。ブラッサムはモルテ語でもブラッサムなのでブラッサム

あとは、先祖の持つ名、ノクターンを引いただけ。

でも 王女さまと名前がかぶったのだ。

こんな軍隊とたたかって勝てるわけがない。

「…あら、名前がかぶりましたわね。 でもわたくしビアンカという名前は、大好きでありますの」
と笑った

追放されるかと、思った。撃たれるかと、思った。
プラムもレイも 怯えて わたしの後ろに下がった

「あら、心配しなくてよ。この軍隊は わたくしの空軍ではありませんもの。わたくしたちはあなたを剥奪する気はないですの。サテライトから、貴方方を見守っておりますの。今日も、わたくしが今からこの軍隊を剥奪するんですわ」
と笑った

「え?」
確かに 空軍が地上を歩いているのも・・・

「……この軍隊、さきほど言った通りですわ、シンドロームハンターですの。で わたくしは、シンドローム感染者を保護する、全く敵の存在なのですわよ」
と、高々に笑った。

Re: ・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・ ( No.5 )
日時: 2014/03/05 19:57
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

登場用語

*魔術シンドローム*
古き時代に魔界で ビアンカ・ヴエノス・Aが研究したウイルスが外に漏れ、魔界内でとても流行った、感染病。死亡者数は数えきれない。

シンドローム=症候群と訳され、命を一度落としても また甦り、いくらでもとは言わないが、何度も行き返ることができる。いわゆる不死身の存在
だが、感染症の者は、朝晩捧げをしなければならないし、命の蝋燭で命が左右される。

その病気を持つ者をこの世から消すため、警察やハンターが動き始めている。
今では 魔界だけではなく、色々な世界で逃げ回る シンドローム被害者が居る。

*モルテ界*
モルテ=死 と訳される、死の国。魔界の次元の真反対にあり、人間界の次元の横にある。

*グリムワー*
魔術シンドローム感染者が使える魔法能力のコト

炎や水、植物や雷、中には時や幻、夢と言った力も発見されている。

Re: ・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・ ( No.6 )
日時: 2014/03/05 20:14
名前: 妖夢 (ID: 8vMNebk7)

えと、こんにちは、妖夢です。
この作品を読んで、面白かったのですが、此処はいじめ系小説の板ですので、こういうのは板違いだと思うのですが…。

Re: ・ ・ ・ 魔術シンドローム ・ ・ ・ ( No.7 )
日時: 2014/03/05 20:47
名前: 環奈 ◆8DJG7S.Zq. (ID: ysgYTWxo)

「ビアンカ。猫を連れる少女、…ね。わたくし、あなたをここで保護しようと考えましたのよ。でも、また、あなたと会いそうな気がしますの。だから今日保護するのはやめますわ〜」
もうひとりのビアンカは言った

「それでは」
そのまま軍隊を引き連れて行ってしまう

「にゃー?」
レイが、わたしの腕を登って肩に乗った

(…怖かった)

「さあ、行こうか」
わたしは立ち上がった。
荷物を持って、この場を離れることにした。

(感染症の原因となった人、ビアンカ。王女、ビアンカ。そして 自分、ビアンカ)
ビアンカと言う名前は、かつては誰も居なくて珍しいんだと思っていた

でもこう重要人物がビアンカだと なんとなく心配になる。

「……次はどこへ行こう」
お腹がすいて飢えに苦しみつつ、ふらふらとわたしは思った。

(…魔術、シンドローム)

わたしが魔女の時に感染した、症候群

友達や仲間たちは死亡したりもして、生き残っている人はそう居ない。

(…そうだ)


だれか、仲間を見つけよう。


だれか 出来るといいなあ…

———————
わたしは、とある「予言者の孫」の元へ行くため、ふらふらと歩いていた。

「プラム、レイ」

「ニャー!」
わたしの後ろに歩いていた二匹を抱きかかえ、レイはリュックサックに、プラムは肩に飛び乗って、歩いている。

思えば、プラムは捨て猫で、わたしが拾ったわけだし、そんな旅の途中、人間界であった スピリット(予言者)に押し付けられた猫こそがレイだった。

その予言者の孫の元・・・

予言者は人間界に居るけど、孫はモルテに居ると聞いている


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