社会問題小説・評論板

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辿り着く道なんて一緒なんだから。
日時: 2014/03/06 18:19
名前: 夜叉 ◆1hZ7/QT20Q (ID: XvkJzdpR)

道。

大きな幅の広い道から、何百本、何千本もの細い道、太い道が繋がっている。

しかし、行った先は皆同じ場所だ。

そこまで、皆は大きく言うと『暇つぶし』をしている。

幅の広い道は多くの人が今歩んでいる途中だとしよう。

ただ、その道は

派手に転んだら違う道に入ってしまう。

立ち直って、また普通の人と同じ道を歩もうとしても、

誰かが必ず、拒む。


普通の人の道に、戻ろうとするのは許されない。

普通の人とは違う道を、真っ直ぐ歩いていかないと、

駄目なんだね。

『あの時、ああすればよかったな』とか、

『どうしてああなっちゃったのか』とか

後悔しても何も起こらなかった。

原因を探って、改善しても、

その人が私の記憶を持ってる限り、駄目なんだ。

『この人は危ない。道の妨げになる』

って。


私は生まれた瞬間から、大きくその道からずれちゃったんだ。






———

——


今でも強い印象を受けているのが、


激しい空腹と喉の渇き。


口の中に広がる苦い鉄の味。


体力は限界に達していた。


かすれた声で母親を何度も呼んだ。






おなか、すいた。のどかわいた。




「お か あ さ ん」


「…………」


振り向いてくれなかった。



何度も呼んだのに。どうして?



聞こえないの?



もう一度、呼ぶ。




ドウシテ?ドウシテ?ドウシテ?ドウシテ?


ねぇ、無視しないでよ。


お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん、お母さん。お母さん。お母さん。
お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん!!!!



良かった、気づいてくれたんだ。ねぇ、お母さん———



——



痛い。痛い。痛い!痛い!!



ドウシテブツノ?



いたい、いたいよ。ねぇ、髪ひっぱらないでよ。いたい!いたい!



助けて助けてイヤダ、イヤダ、助けて助けて助けて
助けてタスケテたすけて助けてたすけてタスケテ!
助けて助けて!助けて、どうして?助けて
たすけて助けて、タスケテたすけて、こわいよ!助けて助けて、
ぶたないで助けて助けて、たすけて
たすけて助けて助けてタスケテ助けて!いやだ
いたいよタスケテぶたないで助けてたすけて助けて
タスケテたすけてたすけて助けて助けてタスケテ
助けてタスケテ助けてたすけて助けて助けて助けて





意識が、朦朧とする。





面倒くさそうな顔をしながら、母親は家の鍵を拾った。
母親はゴミの散らかる部屋をを掻き分ける様に出て行った。


母親がその日、帰ってくる事は無かった。







○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

えー、皆さまに謝りたい事があります。

実はこの作品、以前書いたのですが、スケジュール的に

書けそうな日が無かったので、ロックさせて頂きました…。

なので、今回また書かせて頂きます!

最初はコピペが続くと思います。



所詮中1の書く駄作なので、理解に苦しむ場面も多々あると思います(笑


ちなみに飽きたら放置するかもです。

学校で起きた事とかは一部実話を交えております。

トリップはつけたりつけなかったり。



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登場人物紹介


*寺岡 楓 (テラオカ カエデ)*

主人公。幼少期に母親に虐待され、トラウマが
残っている。叔母と叔父が楓を引き取り、今までは
普通の学校生活を送ってきていた。

Re: 辿り着く道なんて一緒なんだから。 ( No.3 )
日時: 2014/03/06 17:57
名前: 夜叉 ◆1hZ7/QT20Q (ID: XvkJzdpR)

女の人は、私を抱きかかえたまま家を出て外に出た。

突然の事で、私は驚いていた。


近くに止められている青色の車の中に乗り込み、女の人がシートベルトを私に装着させる。


そして運転席には、男の人がいた。


男の人は私の顔を覗きながら、悲しげな顔をして言った。




「はじめまして、かえでちゃん」




男の人はそう言った後、車を出発させた。



車の窓から見える、初めて体感する見知らぬ『外の世界』に、私は喜んでいた。


何処へ行くのか、違う道を歩く人、

広がる緑の木、青い空。全てが新鮮に感じた。

家の地獄のような風景とは全く違う、美しい物に

しばらく見とれていた。





「あれ、なぁに?」



「あれはね、”とり“って言うんだよ」



「…と、り?」



うん、と女の人は答えた。


途中、男の人が女の人に何か喋りかけていたが、外の世界に夢中の私は聞こえなかった。



「ついたよ」



車は5分ほど走ると、洋風の大きな一戸建ての住宅の前で止まった。




車が停車すると、女の人は私を再び抱きかかえた。

女の人の体はいつでも温かかった。


「ここが、新しいおうちだよ」




新しい…?




おかあさんは、いないの?



ねえ、おねえさんダレなの?





女の人は微笑んだ。しかし、やはり悲しげな表情だった。


「さ、はいろうね」


私は揺られながら新居へ入った———

Re: 辿り着く道なんて一緒なんだから。 ( No.4 )
日時: 2014/03/06 19:00
名前: 夜叉 ◆1hZ7/QT20Q (ID: XvkJzdpR)


——
———

————


—————



—————



————





あれから8年、私は中学2年生。体型は元々標準以下だったが、今は普通だ。

今の家に来た時、前住んでいた家とはだいぶかけ離れていたので、

かなり衝撃を受けたのを今でも覚えている。

ゴミだらけで虫が飛んでいた様な汚い部屋とは違い、清潔で

スッキリしている部屋だ。




母は出産時、まだ未成年だったらしい。

あの『虐待』という地獄にも遭わなくなった。

これも全てあの母親———いや、あの女から引き離してくれた

”叔母“と”叔父“のおかげだろう。


私を出産してからあまり他人と顔を合わせなくなった母を不審に思っていたらしい。



叔母が母を外出先で見かけた時の事だ。母は何度見ても別人かと間違える程に派手になり、

話しかけた時の会話の雰囲気も全く別人の様に変わっていた。


会ったのは私を産んで間もない頃だったが、母は外出先に連れて行かなかったのだ。


生まれてから私への虐待は始まっていたのだと知ると、胸が痛くなる。

私がこの家に住む事が決まった時に話し合った時も、そっけない返事を返していた。

所詮、


私は母にとって必要が無かった存在なのだ。



私が家族に加わったことで不便になった事はあまり無い。

あるとしたら、


家が少しでも汚いと片付けてしまう事と

パンが嫌いなった事ぐらいだ。

まぁ、生活にはなんら支障は無い。と思う。


小学校を卒業し、中学校と通っている。

少しでも私を『普通の子』に育てたい、と言う気持ちからだ。

本当にあの親とは雲泥の差だと思う。

叔母と叔父は学校に私が虐待されていたことは話さなかった。

そのおかげで今も普通に学校で過ごせている。


親友も出来た。

何不自由ない、生活を送ってきている。

そう、何も無かった様に。

Re: 辿り着く道なんて一緒なんだから。 ( No.5 )
日時: 2014/03/06 18:58
名前: 夜叉 ◆1hZ7/QT20Q (ID: XvkJzdpR)


2年生・春———

ザワザワガヤガヤ

『お前と一緒かよ!』

『キャーーーー!』

『よぉ〜〜』

『〜〜でさ、〜〜!』

今年は3組だった。



クラスメートの入れ替わった新しい教室はやはり騒がしい。

耳を劈くような悲鳴・笑い声。しばらく耳にしていないと

鼓膜がビリビリと振動する。





「楓(かえで)!一緒のクラスで良かった〜!」


1年生の時一緒のクラスだった内原奈央(うちはら なお)だ。一応、親友で仲が良い。

その奈央に、今年もお世話になる様だ。


「奈央、太ったんじゃない?w」

顎周りが少し前よりふっくらしている感じがする。

「あちゃ〜…、バレたか…。デパ地下に売ってるチョコが美味しくてさあ…」

「それ知ってるかも……でしょ〜〜」

「そうソレ!おいしくってさぁ〜」



『2年生体育館行くよ!』

「あ、ほら行こう」

「担任誰になるんだろ…去年最悪だったしなぁ」

歩きながら奈央は言った。

去年の担任に良い印象を持っていない様だ。

奈央だけと言う訳でも無く、生徒はほぼ全員嫌っていた、

野田先生は50代後半で少し性格に難がある男性だ。

私もあまり良い印象を持っていない…。



———

—————

———



———

——






「以上を持ちまして、始業式を———」


ザワザワガヤガヤ


『腰いてぇ…』

『だりい』


「…っくぁ〜、相変わらず話長いなー」

奈央は大きく伸びをした。

私も校長の話の長さは異常だと前々から思っている。

「お尻が痛い…。…あぁ、そういえばさぁ…。担任、女の先生だったね?」

中山志穂(なかやましほ)先生と言う、

今年入った女の先生だそうだ。

若いので話が案外合うかもしれない。

「新任教師らしいねー、27歳なんだって」

「何か色々大変になりそうだね」

「だねー、…………そういえばさ〜…〜〜が…」

「ええ?!〜〜〜って、〜〜!」


担任の話題は別の話題へと移り、

また私は話に夢中になった。

Re: 辿り着く道なんて一緒なんだから。 ( No.6 )
日時: 2014/03/06 19:10
名前: 夜叉 ◆1hZ7/QT20Q (ID: XvkJzdpR)



————
—————

——

———












「えー…、始めまして、皆さん。今日から新しく一緒に過ごす事に
 なった中山志穂です———————
 ————よろしくお願いします」

『よろしくお願いします』

「そして、もう一人———」




教室に入り、全員がきちんと着席して、

改めて気づいた事が1つあった。

私の前の席———


つまり、窓際の前から2番目の席が

開いているのだ。

欠席なのだろうか?

今日に限って?

いや、多分—————




「紹介したい転入生がいます」



転入生だ。



ザワザワ…

『転入生?』

『どこ?』


中山先生の言葉で、教室内は騒ぎ出す。

転校生ごときで、と皆さん思うだろうが、

実はここの所、ここ北中では転入生や転校生が入学していないのだ。

その代わり、北中より少し離れた南中に転校する人が多い。





ガラッ


突然教室のドアが開き、入ってきたのは……一人の少女だ。


教室中が何事も無かったかのように静かになる。

まるで漫画だ。


その少女は

染めているのか、明るい茶髪のポニーテールに、

お洒落なヘヤピン、足首にはミサンガと言うイマドキ女子の

スタイルだ。

スクールバックにはストラップが何本か。

美少女の部類に入る顔立ちだ。

隣の男子は少女に見入っている。



少女は教壇に立ち、黒板のチョークを手にし、黒板に堂々と書いた。


可愛らしい、丸っこい字。






          津川愛海






「津川愛海(つがわ まなみ)です。よろしく」


津川さんは小さくお辞儀をし、

短い自己紹介を終えると、教室中に拍手が沸き起こった。

「じゃ、あそこに座って」

先ほど空いていた前の席に、津川さんは着席した。

津川さんと一緒の班になる事になる。

Re: 辿り着く道なんて一緒なんだから。 ( No.7 )
日時: 2014/03/06 19:29
名前: 夜叉 ◆1hZ7/QT20Q (ID: XvkJzdpR)

1週間後の休み時間。


津川さんはクラスの女子とすぐに馴染んでいた。

教室の後ろの方で女子達と笑みを浮かべながら話している。






あ。


やる予定だった数学の課題をやり忘れていたのを思い出した。

まぁ、普段の事だが…。

数学なんて本当に将来に役立つのか?

少数と整数の計算だけ必要な気はするけど…。


なんてうんざりしながら、私は教科書を開いた———。


「絶対やってないって思ったw」


そう声を掛けてきたのは、


————天田優花(あまた ゆうか)だ。

天才的に頭が良く、テスト順位は毎回10位以内の女子だ。

世話好きの面もあるので、皆からは好感を持たれている。


ちょうど良いタイミングだ。


「さすが、何でやってない事分かった?」

「いや、いつもやってないじゃん!……はい、ノート」


まぁ、それもそうだ……


優花は手に持っているピンク色のノートを机に置いた。


「おお、ありがとう!」


優花のノートは予習や復習したページで後少しで終わりそうだ。

「じゃ、写し終わったら返してね」

「了解」

踵を返し、黒髪のお下げを揺らしながら優花は自席へ戻っていった…





やはり、優花の字は綺麗で読みやすい。読み間違えの心配はなさそうだ。

それにしても、今回の課題は多い。

全く、まだ始業式から1週間しか経ってないのに…。

とにかく、さっさと写して返そう……。


————
———
——

——————

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————————

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———————ー

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