社会問題小説・評論板

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kill you
日時: 2014/04/25 23:31
名前: 花崎結香 (ID: zTfaOGJu)  

長い長い校長の話。耳障りだ。さっさとおわれ。死ね。偽善者の振りをした教師たち。消えればいいのに。私の心を自由にするのは復讐だけだ。
……………………………………ホームルームが始まった。担任の名前は伊藤圭介。いずれ私が消してあげるわ。それまで宜しく。私にとって人間は、最低だ。これは3年前。遠いようで近い日の話。
……………………………………
「いってきまーす!」
私は、中学一年。私には一つ年上のお姉さんがいた。名前は吉原香奈恵。
「お姉ちゃん!待ってよ!」
「ったく…遅刻するじゃん!急いでよ!楓!」
そう言っても私を待っていてくれる優しいお姉さん。
これが最期なんて思いもしなかったんだ。

同じ中学校のお姉さん。私の大好きな彼女は…
「「きゃー」」
数人の女子の悲鳴。何事かなど気にもとめなかった。いつも騒がしいこの学校では日常茶飯事だ。
「吉原楓さん、居る?」
1人の男子が息を切らして、私を呼んだ。
「私ですが。」
恐らくお姉さんの同級生だろう。
「吉原が飛び降りた。今すぐ行くぞ」
私の周りはやけに静かになる。悪い冗談か?
しかし、彼は私の手を引いて走った。走った。

Re: kill you ( No.11 )
日時: 2014/05/18 23:21
名前: 花崎結香 (ID: DKs/wtA1)  

#6福原サナ
プルルル…
「もしもし…私、吉原だけど。」
「何ですか。」
相手は私によそよそしい態度だ。
「なぁ、福原サナの事、恨んでるでしょ?」
「貴方も許さない。」
相手は語気を強めた。
「私…反省してる。あの写真福原サナがつくった合成写真なの」
「そうだったんだ。」
少しだけ沈黙ができた。
「でも、福原は残酷すぎるでしょ。わたしは言ったのよ。そんなこと止めようって。お願い信じて。」


またしばらく沈黙。

「あたしはあなたを助けたい。あたしが学校での居場所を与えるから戻ってきて。今の貴方はいじめられる苦しみを知ってるはずだから。」

「そうね。私間違ってた。こんなに辛いなんて。」





























































































































相手は電話の向こうですすり泣いていた。

Re: kill you ( No.12 )
日時: 2014/05/20 23:18
名前: 花崎結香 (ID: uLZUHjzo)  

#7逆転
福原は教室に入ってきて驚いていた。当たり前か。不登校だった槙田がいるんだから。
「おっはよーみんな!あっ槙田ゴキブリ来たんだ〜」
こいつ、本当にバカだよな。雰囲気で悟ってよ。
「おはよう。サナ。」
私が呼びかけると満面の笑みで振り返った。
「おはよー楓…」
教室には、どっと笑いが起きた。
「えっ…」
そこにはごみまみれの福原が立っている。私の手にはゴミ箱。「あっサナごめん!つい、むかついてさ。今の自分の立場を理解しないあんたに。」
福原はきょとんとしている。
「槙田。」
私は槙田を一瞥する。
槙田は福原の耳元で
「あんたの時代は終わりよ。あんたに仕返ししてあげる。」
とささやく。
やっと悟ったのか福原は私に助けを求めた。
「私達、友達よね」
福原は微笑んだ。
私も微笑む。














































































「そんなわけ、ないでしょ。」

Re: kill you ( No.13 )
日時: 2014/05/22 23:32
名前: 花崎結香 (ID: uLZUHjzo)  

#8逆転に次ぐ…
「誰がお前と友達だって?笑わせやがって!おまえみたいなゴミ女眼中にないわよ。」
そしてまわりからはクスクス笑い声。福原はすすり泣いていた。
「「ゴミ女!ゴミ女!死ーね、消えろ。死ーね…」」
とてつもない罵声のコールに、参加していない生徒が2人。
1人は笹原椎葉。正しい人なのは分かる。彼女は見習うべきだ。だけど無理だ。恨みを忘れる強さは私には無い。それに怖いのかもしれない。自分がお姉ちゃんと同じ目にあうのが。多分後者がつよいと思われるが。
もう1人は葵井華。1人教室の隅にポツンと佇んでいる。
「葵井さん。」
私が名前を呼ぶととてもびくりとしている。
「なにか文句あるわけ?」
「いやっその…」
ウザイ。いい子チャンの振りするな。
「じゃあ大声で言ってよ。死ね消えろゴミ女って。で、これぶっかけろよ。」
いつの間にか槙田が汲んできたバケツのみずを葵井にわたした。
「葵井さん、こいつに傷つけられたでしょ。やっちゃいな。」少しまだ躊躇っているようだ。「ほら早く。やれってば」
「…それでも」
「は?」
葵井はうつむき、目を伏せていたが、キッと私を睨む。
「何よ」
「間違ってる。貴方のしていることは。良くないよ。「綺麗事言わないで!!あんたみたいな奴が一番嫌い!しねっ」
私は軽く押したつもりだった。なのに華奢な葵井の身体は吹っ飛ばされ、教卓に頭を強く打ちつけた。
「「葵井さん!?」」
みんなが葵井のもとに駆け寄る。葵井は気を失っているのか?「大丈夫…?」
私が声をかけても返事をしない。周りの誰かが言った
「吉原さん、保健室行って。」顔をあげてみんなを見ると冷たい目がいくつも並んでいた。そしてその声の主は笹原だった。笹原は悲しそうな目だ。私を軽蔑してもいない。私は耐えきれず教室を飛び出した。
また、この孤独がやってくる。

Re: kill you ( No.14 )
日時: 2014/05/25 19:40
名前: 花崎結香 (ID: qsw8GWEd)  

#9私
葵井は大したこと無かった。頭を強く打ちつけたが、命に別状無かった。だけど、私は許されなかった。
「よっ。人殺し。」
「まだ死なないの?」
みんな、私のこと嫌いだったんだな。所詮、私はその程度だ。「わぁ、殺されるよっ!みんな逃げて〜(笑)」
私が近づくとみんなは私を避けるように逃げていく。
「おはよう。楓」
「えっ、」
私は見捨てられたんじゃないの?私みたいな最低の人間に声をかけてくれた。
「笹原さん。」
「おはよう。楓」
もう一度彼女はにっこりと笑った。


























































































私の心のわだかまりが少し軽くなった気がした。

Re: kill you ( No.15 )
日時: 2014/06/01 13:58
名前: 花崎結香 (ID: MIiIBvYo)  

#15私の中で
「おはよう。楓」
笹原は相変わらず笑顔で私に微笑んだ。
「おはよう…」

何か企んでいるんじゃないよね?
「笹原さぁん!そんな奴と一緒にいたら華ちゃんみたいに殺されちゃうよぉ!」
かつての共犯者、福原が嫌な声で言う。
「私、死んでないよ?」
いつの間にかそこには葵井が立っている。
「華ちゃん、大丈夫?」
皆の言葉には耳も貸さず、葵井はこちらに向かって真顔で歩いてくる。
私は見せる顔がなくて葵井の視線から逃げるように俯いた。
しかし,
「顔をあげて。吉原さん。」
葵井はそれを許さなかった。
(私から逃げるな)
そんな声が聞こえたようだった。
私が恐る恐る顔をあげると葵井はまだ真顔で私を見つめていた。
「ごっごめんなさ…
バシッ!
私の謝罪を遮るように、葵井さんは私をビンタした。
「ごめんなさい」
葵井さんは私に深々と頭を下げた。
「えっ…」
戸惑う私に今度は葵井は笑顔を見せた。
「お互い様だよ」
そういって葵井は私の手をつかんだ。
「仲直り。」
わたしは耐えきれなかった。これまで自分の犯してきた愚かな罪を彼女は“仲直り”それだけの言葉で受け入れてくれた。
私の目からとめどなく涙が溢れ出す。葵井は私のことをみつめて優しく言った。
「私はもう大丈夫だから。」

私は分かった。葵井は自分に怪我を負わせた私に、自分をいじめて傷つけた私に、復讐しようと考えなかった。それよりも私に寄り添ってくれた。
私はお姉ちゃんのことで復讐しか考えられなかった。
復讐なんて、くだらないことだな。私は葵井に教えられた。
「楓、今日一緒に遊びに行こう。」
笹原が笑顔で私の手を取った。「もちろん、葵井さんも」

私は決めた。復讐なんて終わりにしよう。もう私は自分らしく生きれば良いんだ。












































































「うんっ!ありがとう。椎葉、華」end


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