社会問題小説・評論板
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- 彼女の監獄の中〜親友から標的へと〜
- 日時: 2014/07/30 21:29
- 名前: イズア (ID: etBo.kMo)
初めましてっイズアです!
今回は親友の関係が崩れてしまった学級の話です。
ちなみに、荒らしとかは無視をしますのでよろしくお願いします!
>>目次
- Re: 彼女の監獄の中〜親友から標的へと〜 ( No.2 )
- 日時: 2014/08/11 23:23
- 名前: イズア (ID: vokSX8GR)
現在時刻は下校の時刻。葵が皆より早く帰って他のみんなは全員好きな場所に集まり私たち五人組を見上げる。
私たち五人組がいるのは窓の上にある階段みたいになってるところ。
私たち五人組みんな足を組み、皆を見る。
「今日さ、葵に嫌な事されたんだよね。皆とは違う別のこと」
梓は話し始めた。みんなハッとして顔を見合わせる。
「葵って自慢しか取り柄ないじゃない。今日も朝、昨日の誕生日にブランド物のバッグ貰ったって私達に見せびらかしてさ。その時から変だったのよね。ほら、最近私のお父さんが葵のお父さんを越したって本人言ってたじゃない。あれが原因かも知れないんだけど、今日図書室のカウンターに並んでるとき私が前だったのに小突いて前に来たのよ、葵。この前なんか私たち幼用事あって遅くなったとき一人で帰っちゃったし」
ねぇ、と梓が私に聞いてくるから全ての話の現場を目撃していた私は迷いなく頷く。
「だから、あいつのこと流石に嫌になってきてさ、今日小突かれたところまだ赤いの。今までの怒りぶつけて明日からずっといじめない?」
すると全員が賛成を出した。
梓は満足そうに笑うと「ごめんね、こんな話聞いてもらって。今日は解散!みんな電話番号知ってるし、予定決まったら連絡するね!」と言って下に降りた。
私たちも続けて降りる。
「葵って親戚が金持ちなんでしょ?親じゃないじゃない。それに親戚が金持ちだからって調子乗りすぎ」
私がぽつりと呟くと教室に残った私たち五人食いのメンバーは頷く。
有住も「そうよね。自慢ばかりで笑わせてくれないしつまらない」と言う。
親友から標的へ変わったあの子。
裏切られてどんな顔をするのかな。
ああ、楽しみだわ。
「葵が悪いんだから。思い知らせてあげるわ」
私と梓は考えてることが一緒なのかハモる。
「帰ろう」
みんな頷く。私と梓はいつもどおり腕を組みながら歩いた。
- Re: 彼女の監獄の中〜親友から標的へと〜 ( No.3 )
- 日時: 2014/08/11 23:58
- 名前: イズア (ID: vokSX8GR)
#梓side
葵は親友?葵と私たちの硬い友情?葵という友達は大事?
フッ、笑わせないでよ。そんな口だけのこと勘弁。
耐えられないのよ、私はさ。
『今日、ブランド物のバッグ貰っちゃったあっ』
『正直言って梓ってさぁ……あ、言わなくてもわかるでしょ?』
葵の人をイラつかせる才能っていうのは本当凄い。
昨日、葵をいじめることを決意して、葵を全員でいじめることにした私たちは、玄関前で待っていた。
葵以外は全員来ている。あとは葵が来て水をかぶるだけ。
最近は異常気象でかなり寒いし、震えて、泣いて、見下されるのを見て楽しむだけ。
「来たよ」
小向の家にあった小型通信機に向かって言うと、「了解」と帰ってくる。私はそのまま通信を切断すると、
「おっはよー!葵っ」
全員で偽りの笑みを向け、声を揃えていう。
いじめられるなんて、裏切られるなんて知らない葵は「おはよぉーっ!」と、スクールバッグの中に手をいれ、一瞬、キラキラしたものを見せた。
「それ何?」
「教室入る前につけるためのアクセ!」
そういう会話をしていると、騒がしいいつもどおりの教室の前。
首元に、高そうなネックレスをつけた葵。
「先入っていいよ?」
「あ、ありがとー!でも、戸を開けていうのが常識だよ?あ、皆おは……」
『おはよう』と言う前に水が降って、ネックレスさえも水浸しになる。
その無様な姿をみんなの前で晒す自慢お嬢様を嘲笑し始めたのは……
「ぷっあははははっ!」
紛れもない、小向。
それが次第に輪となり、広がった。
「ねぇ、あたし達にあんたがかぶった水の上歩かせるつもりじゃないよね?さっさと拭いてよ、お嬢様?」
小向はわかってる。最高の言葉をプレゼントするのだから。
全員が拭けと言い始め、手拍子さえも聴こえてくる。
「……」
雑巾をとってきて、拭き始めるシンデレラ姿の葵の背中を、モップでつつく小向。
「お嬢様なのにトイレのモップくっつけられてさ。抵抗もしないなんて」
「自慢ばっかりで面白くないし」
そういうと、有住はネックレスを奪い、引きちぎった。
「やめてっ!」
「はぁ?何言ってるの。常識は大丈夫?」
クスクス笑い、ネックレスをクラス全員で踏みつける。
「学校にこんなもの持ってくるなんてね〜。校則には違反してないけど、見てて勉強の邪魔」
「存在感重視してるみたいでキモい。目障りだからこれは処分」
そういい、おもちゃのトンカチで思い切り砕いた。
「全部あんたが処理してよね。ねぇ、当然のことでしょ?今まで人に自慢ばかりしてたんだから、償いは当たり前じゃない?これ…」
そういうと、葵の気に入っていた小向からひどい言葉を浴びせられた。
「邪魔なあんたの本当の常識だよ?」
葵は、黙ってネックレスを大事そうにカバンへ入れると、何回も何回も水を拭き、乾かした。
体操着を持ってトイレに向かい、人気のない個室に入る。
そして私たちは誰にも気づかれないくらい上手に、扉を固くすると、その場を後にした。
人気のないトイレの個室は渋滞しても誰も入らない。
「馬鹿よね、ほんと」
一番最後の華菜は扉を思い切り蹴り、後で付いてきた。
- Re: 彼女の監獄の中〜親友から標的へと〜 ( No.4 )
- 日時: 2014/08/12 13:41
- 名前: イズア (ID: vokSX8GR)
「皆、HR始めるわよ」
今日も透き通った声、綺麗な容姿の優しい先生は、何も知らずに入ってくる。
学校の教師の中でも一番若くて美人な先生、月之 紅葉(ゆえの くれは)。
美人で頭が良くて、小さい頃からのお嬢様。
皆の人気者で、当然私たちも大好きな先生だ。
「あら、葵さんは?」
「昼休み頃に来るそうです」
「そう。心配ですね……」
何も知らない先生はそう言って話を進めた。
################
学校の鐘が鳴り響く校舎。
私たちはドアの改造を壊し、元通りにするとドアを蹴る。
「開けなさいよ」
「……」
出てきた葵は、乾いた制服を着ていた。
濡れた制服はない。
「どうしたのよ、それ」
「執事に持ってきてもらったの……」
「へぇ。チクった?」
「……」
首を横に振る。
「じゃあ、あたしたちはさ、あんたが遅れてくるって設定にしてるから演技ヨロシクね」
「……どういうつもり?」
「さぁ?後でわかるわよ。せいぜい頑張って耐えなさい」
そう言うと、梓は葵の腕に自分の腕を絡めて、葵のうでを陰でつまんだ。
- Re: 彼女の監獄の中〜親友から標的へと〜 ( No.5 )
- 日時: 2014/08/12 15:19
- 名前: イズア (ID: vokSX8GR)
#有住side
「っ……!」
葵の震える手が、扉を開ける。
その瞬間、怪我をさせないように危険なところを固いもので包んだ針が降ってきた。
もちろん葵だけに。私たちは大声で笑う。
数十本の針が全て落ちると、葵はその場に座り込み拾う。
そして、私たちに投げつけてきた。クラスが静まり返る、その瞬間。
「ッざけんじゃねぇよ!」
梓が怒りで顔を赤くする。一番被害が多かった梓は軽く怪我までしていた。
目には刺さらなかったものの、梓に当たった一本は、当たる前に、包んでいたものが取れたらしく腕に針が軽く刺さったのだ。
「皆、葵にお仕置きが必要だよねェ?」
華菜がそういうと、全員が立ち上がって何かを書いてる途中の紙を丸める。
そして葵に丸めたやゴミなどを投げつけた。小向が最後に投げつけようとした時だった。
「やめないか?可哀想だろ」
小向の元に、かなりイケメンの男子が寄ってくると、小向はその男子に抱きついた。
葵はその光景を黙って見つめる。ただし、涙を流しながら。
その正体は、神崎 悠真(かんざき ゆうま)。
葵の片思い相手。
「どういう、こと……?」
「葵、あんたは所詮片思いだったわけ。小向と悠真君は付き合ってたのよ。悠真くんは神崎財閥の一人息子でしょ?」
「……」
「じゃあ、葵は小向をどう思ってた?」
「庶民……」
「有名で名門の花厳グループの世界屈指のお嬢様よ。つまり簡単に婚約もできるってわけ。それにこの子はアイドルでもあるし、あなたとはレベルが違うの。お金持ちの街に大きな豪邸があって、悠真くんは幼馴染だし」
「……いい加減にして!なんでこんな……!」
集めたゴミを乱暴にゴミ箱に捨て、針も外へ投げ捨てると小向を睨む。
「ふっ、その目凄く可哀想。格好は凄く無様よ」
スマホで葵を連写すると、保存してスマホをしまう。
「皆、明日は休みだし、終わったら泊まっていってよ。葵は強制的。家の方にも連絡もしたし、了承もらってるから」
後片付けを済ませ、私たちはその場を立ち去った。
- Re: 彼女の監獄の中〜親友から標的へと〜 ( No.6 )
- 日時: 2014/08/12 19:21
- 名前: イズア (ID: vokSX8GR)
#梓side
「やっぱあんたに頼んで正解だったわ」
悠真と小向が付き合ってるのも、お金持ちなのも正解。
元アイドルをネタにして、幼なじみという硬い関係の嘘も付いた。
「ありがと」
夕日の照らす帰り道、葵を含めるクラス全員が小向の家の白いリムジンに乗り、お金持ちの街「エトラ・フランス」の大豪邸に向かう。
「あ、あれよ」
「うわ、お城みたい」
おそらく一番大きいであろう大豪邸の前に降りると、私たちは降りていく。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
メイド長らしき人が、上品な黒の大きな布で小向を隠し、指を鳴らしてとると、青色のロングワンピースに、白いレースのカチューシャの小向が現れた。
「マジック?」
「そんな感じかな、さぁ、こっちよ」
私たちは豪邸の中に入っていった。
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