社会問題小説・評論板

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【オリジナル】悩み多き救世主達
日時: 2014/10/05 21:59
名前: 八歌 (ID: 6i18Tf8q)

短所が長所…よくある話だ。
自己中な奴には、自分の意見を曲げない強さが。
自己嫌悪になる奴には、このままじゃ駄目だという向上心がある。
それは本人からしちゃ、消したいくらい嫌な自分なんだろう。憎み、恨んでるんだろう。
でも、と俺は考える。
そこも含めて【自分】じゃないのか?自分の短所は他人から見れば羨ましい長所になる事がある。その可能性を信じてみても良いんじゃないかって…。あの人達や色んな未練を見て、接して。俺は改めてそう思ったよ。

これはそんな事を教えてくれた、とある可笑しな部員達の物語…_。

+++++++++++

初めまして、八歌です。
右も左もわからない状態ですので、何かありましたら気軽に教えて戴けると助かります。

本作は問題に対して励まし、前向くための非日常な学園もの。登場人物の《欠点、状況改善》をテーマとして書いていきたいと思います。
同じ欠点を持った誰かが共感して戴けるような、そんな小説に出来ればいいな…と。
綺麗事にならないように頑張りたいです。

よろしくお願いします(`・ω・´)

追記:只今作品の登場人物の参考に
・自分の直したいところ
・自分じゃないけど直してほしいところ(悪口は不可ですよ)
・嫌だった、辛かったこと
・○○だったらいいのにと思うところ
(或いはこれらをコンプレックスとしたオリキャラ)を募集中です。話を元にキャラクターとして登場させたいと思っています。

というのも短所、欠点、悩み、代え難い状況…と言えど人それぞれなので、全部は分からないのです。なので辛くなければ、話をお聞かせ下さい。匿名で大丈夫です。

図々しいとは思いますが、よろしくお願いします(´・ω・`)

01「憧れの高校」 ( No.1 )
日時: 2014/10/05 21:51
名前: 八歌 ◆1HU22jSFBY (ID: 6i18Tf8q)

_…最初に言っておこう。
これから俺が話すのは、普通では有り得ない話だ。
あなたは耳を疑い、信じないのかも知れない。それはそれで、構わない。
だが、だ。これだけは言っておこうと思う。
《これらの話の非現実的な部分を除けば、全て明日のあなたに関わるかもしれない可能性なのだ》と。
…言ってる意味が解らない?だろうな。
俺も似たような話をされて戸惑ったよ。でも、今はよく解る。
《どんな欠点を持った人でも必ず長所はあるのだ》と…_。

俺がそう思う切っ掛けになったのは、高校へ入学したばかりの春の事だ。時間帯は放課後。ちょうど新入生が落ち着いてきた時期で、そろそろ所属する部活動を決め始める頃だろう。
そのせいあって、廊下の掲示板にはいつも賑やかな勧誘ポスターが所狭しと並んでいた。

「部活…部活ね」

俺はあまり深くは見ないで、それを眺める。部活という響きは中学でよく聞いたが、高校の部活は中学のそれとは違う気がするのだ。こう…青春、みたいな。だからどこに入っても楽しいんだろう。まあ、動くのは得意じゃないから運動部でなければどこでもいい。そんな風に考えながら、俺は何と無くそれを眺めていた。

「っあれ、蛍じゃん。こんちはー」

と、突然後ろから聞き慣れている声がする。ああ、このラフな感じの口調は恐らく…。

「応。こんにちは、稟。今日も元気そうだな」
「へへ、あったり前っしょ!オレは早めに彼女作って沢山青春しなきゃいけないんだからさ」

幼なじみの堺稟太だ。人懐っこくてフレンドリーなその姿は、同中のクラスメートの中でも定評がある。そういえば…こいつはどこに入るんだっけか。

「稟、部活は決めたのか?」
「全然…あ、でも気になってるとこならあるぜ」
「気になってる?」
「そ」

稟は頷いた。

02「微かな疑惑」 ( No.2 )
日時: 2014/10/05 21:16
名前: 八歌 ◆1HU22jSFBY (ID: 6i18Tf8q)

「ほら、この高校って人数少なかったり大会に出てない所は、部活じゃなくて部費の無い「同好会」ってなるだろ?けど、凄く人数少ないのに部になってる部活があるらしくて」
「部として成り立って無いのに部費がある、ってことか?」
「らしいね。でも何やってるかはさっぱりなんだよ。部活動の説明でもさ【一般人は来ないでくれ】って。無愛想な説明するし」
「ああ、文化研究部だっけか。あれは流石に驚いたな」

確か…そう、新入生歓迎会のことだ。野球部や美術部が【楽しいところなので是非来て下さいね!】と全力で部員の勧誘を行っている中で、そこの部はきっぱりと言い放った。【俺達文化研究部に凡人は必要ない。一般人は来ないでくれ】と。当然だが、会場はざわめき始める。同級生は顔を見合わせ、先輩方からは少しの笑い声と陰口。そこから察するにあまり人気のある部活ではないらしい。

「あれじゃ部員は減る一方だというのに。一向に同好会にはならない、か…確かに不思議だな」
「だろ?…だからこそ、オレは何をやってるか突き止めたい」
「突き止める?どうやって」
「入部するのさ。そんでもって、部活動に参加する」
「顧問の先生に教えて貰えば良いじゃないか」
「それがね…なんか隠してるっぽくて。全然教えてくれねぇの。何度聞いても『任意で文化を研究する部です』の一点張りで」

そりゃそうだろう。名前が文化研究なんだから。

「でもオレは違うと信じてる。だって部活なのに任意っておかしいじゃん。だから怪しい。あれはぜえぇったい怪しいだろ!」
「そうか?…本当だったらどうする気だ。お前、感想書くの苦手だっただろ」
「う。大丈…ぉ………夫。いや大丈夫さ」
「どうだかな」
「大丈夫だって。あっ、ほら。お前もいるし!」

…は?
唖然しながらと彼を見返すと、稟は期待の眼差しで子供っぽく笑みを浮かべていた。お前は前もって了承を得るという手段を知らないのか。

「待て、何で俺が」
「だって蛍入りたい部活無いっていってたじゃん!だから入ろ」
「断る」
「断んな!昔からの仲だろ。それに一人じゃ怖いんだっての」
「じゃあ止めとけばいいだろ」
「え、だって気になるし…でも一人はやだ!」
「諦めろよ、じゃあ」
「諦めたくない…もう、お前なら一緒に入ってくれるって思ったんだけどなぁ。他の奴には断れたし」
「…他の奴にも声を掛けたのか?」
「一応ね?」

彼はきょとんと答える。

03「短所は長所」 ( No.3 )
日時: 2014/10/05 21:17
名前: 八歌 ◆1HU22jSFBY (ID: 6i18Tf8q)

…昔っからこいつの周囲を巻き込む性格は有名だ。根が悪い奴じゃないんだが、そういう所では正直な奴なんだろう。俺は溜め息をついて問いかけた。

「結果は」
「即答で断られた」

だろうな。

「な。頼むよ蛍。仮入部だけでいいから」
「………しょうがないな」
「よっしゃっ」
「でも仮入部だけ。仮入部だけだぞ。合わなかったら即別の所にいくからな」
「わぁってる。そん時はオレも一緒だし」
「何でも一緒にしたいのな」
「当たり前じゃん。蛍と一緒だと退屈しないし」
「なんだそれ。…まあいいが」

俺は思わずクスリと失笑する。相変わらずだな。
稟のこういうところは嫌じゃない。少し子供っぽいとも思うが、時々可愛いとも思う。女子のように愛らしいという意味でなく、子供の悪戯のように微笑ましいって意味だ。俺は悟られないように首を傾げるふりをして、喜ぶ稟に問いかけた。

「で、見学の日付は?何曜日に活動するんだ」
「今日。でもって活動は毎日」

また急な話だな。

「毎日あるのか」

稟は納得いかないように頷いた。

「そうなんだよ…おかしいだろ?任意で文化を研究するのに、毎日って」
「物好きが居るんだろ」
「部員全員?」
「かもな」
「え、やだ」
「じゃあ止めとけ」
「それもやだ」
「おい」

こいつの嫌々癖は何とかならないのか。

「まあ」

なる訳ないよな。小さい頃から一緒だが、治りそうな気配は一切無い。でも、それはそれで良いんだろう。何事も【はい】の稟は、どういう訳か似合わない気がするから。嫌な事をはっきり嫌だと言える。それがこいつの長所であり、また短所なんだろうな。

「とりあえず行ってみるか。今日は暇だし。場所は?」
「今日はって蛍、今特に何もしてねぇじゃん。剣道も辞めちまったし。えっと…ああ、場所は第二資料室」
「資料室か。いかにもって所だな。こりゃ期待は出来なそうだ」

04「期待と微笑」 ( No.4 )
日時: 2014/10/05 21:19
名前: 八歌 ◆1HU22jSFBY (ID: 6i18Tf8q)

「んなことないって!この名探偵・稟太が正体を見抜いてやるっ」
「それは頼もしいな、名探偵・稟太。今までの戦歴は」
「ゼロ」
「だろうな」
「でも素質はあるし!多分あるし!…って待てって、蛍、名探偵を置いてくなっ」
「はいはい。ゆっくり歩くから慌てずに来い。名…迷探偵様」
「おう、絶対暴いてやるからな!」

…元気なこった。その元気を勉強のやる気辺りに回せればいいんだが、まあ無理だろうな。なにを。本当の事だろうが。馬鹿というか、可愛いな、ほんと。俺達はそんな冗談を言い合いながら、第二資料室へと足を運ぶ。
さっきも言ったが、きっとどんな部活でも楽しいんだろう。例えそれが文化を研究し纏めるだけの部活だとしても、だ。色々な先輩方がいるかもしれないし、俺達が進級したら、今度は後輩が来る。そこでも面白い人間模様が見れそうだ。何せ高校だから。【今まで居た中学】とは、違うのだから。

「助手に先手を越されるなよ、名探偵」

俺は横の見慣れた幼なじみにそう声を掛けると、期待を胸に、前を向いた。
まあ、これもまた一興だろ。つき合わされるのも悪くない。正直…今この時間が、楽しい。

「おう。どんな所なんだろうな」

稟はコクリと頷くと、頬を緩ませる。まあ、どんな所だろうが人は良いとこさ。きっとな。俺は心の中でそう答えると、また一歩、部室へと歩を進めた。


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