社会問題小説・評論板
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 小さく狂った舞踏会
- 日時: 2015/01/31 23:41
- 名前: ika (ID: 9RGzBqtH)
[登場人物]
海南 鳴 (かいな めい)
いじめられっ子。
黒髪を横でまとめている。
地味目な印象の高校生。
多野 結那 (たの ゆいな)
鳴の学校にやってきた転校生。
黒髪のロングヘア。
いつも敬語を使っている。
でも、裏の顔は……
米沢 香奈 (よねさわ かな)
鳴をいじめている。
ダークブラウンの髪のツインテール。
クラスのトップ。
- Re: 小さく狂った舞踏会 ( No.1 )
- 日時: 2015/02/01 00:04
- 名前: ika (ID: 9RGzBqtH)
「鳴、これ捨ててきてくんない?」
床に転がったゴミ箱と散らばったゴミの山。
そして、そのゴミの中心にこの私、海南 鳴は座り込んでいた。
「いいよね、鳴」
いや、座らされたと言った方が正しいかもしれない。
目の前にいるのは私を何時もいじめてくる、米沢 香奈。
彼女は、今日も私の前に立ち、薄笑いを浮かべていた。
「……うん、わかった」
勿論、私に断る権利なんて有りはしない。
私は立ち上がり、ゴミを拾って転がっていたゴミ箱に戻した。
そして、そのまま私はゴミを捨てに教室を出る。
「あいつも一緒に捨られればいいのに」
香奈とその友達の笑い声を背中に聞きながら、私は静かに廊下を歩いていった。
- Re: 小さく狂った舞踏会 ( No.2 )
- 日時: 2015/02/01 00:26
- 名前: ika (ID: 9RGzBqtH)
『新色登場!』
宣伝用のポップには桜色のペンでそう書かれてあり、その下には高級感溢れる口紅が置かれていた。
口紅は桜色で、香り付き、さらに落ちやすい、という宣伝文句がパッケージにも書かれている。
女子高生なら、誰もが目を輝かせるであろうそれを私は沈んだ気持ちで眺めていた。
数時間前___
「鳴、これ買ってきてよ」
何時ものように荷物をしまいさっさと帰ってしまおうとした私を香奈は呼び止めた。
「綺麗でしょ、これ」
彼女が見せてきたのは、雑誌の新商品を紹介するコーナー。
そこには、特徴的な桜色の口紅をしたモデルの写真が写っていた。
「私、これがほしいの」
彼女がそう言ったとき、私は右端に書かれた値段表示に気づいた。
その値段はとても、女子高生のお小遣いで買えるようなものではない。
「…… 」
「無理なら、親の金でもなんでもいいからさ」
彼女は、お得意の薄笑いを浮かべてこう言った。
「絶対、買ってきてよね」
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