社会問題小説・評論板
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- 造花の少女が萎れるとき。
- 日時: 2015/02/12 10:11
- 名前: ファルル ◆PceToXXaTU (ID: nUPupIAw)
造花の貴方が萎れるとき
私はどう対応すればいいのだろう。
今更汚れた自分の手を差し伸べるわけにもいかない。
貴方が、足掻けば足掻くほど沈んでいくようで、上から見てるのに
何もできない私を、貴方が許してくれるわけもないよね。
汚い手を仮に差し伸べたとしよう。でも、そこに貴方が手を取ってくれる自信はない。
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造花の貴方が萎れるとき
私は愉快に嘲笑うのだろう。
痛めつけた彼女を見るのが楽しくて
思い通りに動く彼女を支配するのが楽しくて
でも、影であの人と話してたら嫉妬するから
解放しようとしても嫉妬の感情が許さなかった。
今更恐怖に駆られて、解放しようとしても貴方は従わないのでしょうね。
今まで散々痛めつけてきたんだから。
当然の結果です。じゃあ、私は偽って嘲笑えばいいのだと
いつまでも罪悪感に支配されていましょう。
でも、貴方は本当にそれでいいの?
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造花の私が萎れるとき
あの子は手を差し伸べないだろう。
差し伸べても、今更かよと嘲笑って払ってやる。
あの子は取り巻きの中心で嘲笑うんじゃない?
私も嘲笑い返してやるわ。可哀想な子ね、情けないわねって。
強気だけど、弱ってるふりをしてた私。
そんな仮面が壊れれば、私はきっと汚くなってしまう。
否、もういっそのこと本心をぶちまけてやろうか。
でもね、萎れることがあったって
私は決して死んだりはしない。
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造花の少女が萎れるとき 目次
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※注意
文才がありません。おまけにすごく短いです。
多分、30話位で終わると思います。
逆転のお話なのでいじめ要素は後半控えめにしています。
- Re: 造花の少女が萎れるとき。 ( No.1 )
- 日時: 2015/02/12 10:21
- 名前: ファルル ◆vtGtozvVgo (ID: nUPupIAw)
- プロフ: トリップテスト中です。
ああ、彼女はなんと儚いのだろう。
弱ってるふりをして皆にそう言われた。
でも、私は強い。儚くなんかない。
いじめは受ける。でも、涙を流したことはなかった。
何故なら、暴力はされても暴言は言われなかったから。
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「おはようございます」
いつも通りの声で扉を開ける。
水は降ってこない。先生が、零した水を乾かしても、「ここに何か零した?」と聞くのだ。
皆は恐れて、水だけはかけない。
「あら、澤野さん。今日も学校に負け犬面しに来たのかしら?案外忠犬?」
クスクスと笑い声がする。
このクラスの、支配者。
「…別に、そんなわけじゃないです」
「あらあら。ねえ、でもわかってるでしょ?」
——「海羽 栞」(みはね しおり)。
「私からすればね、忠犬にしか見えないの」
ゾクッとする程の冷たい声。
なんなの、この人は。
——このいじめが起きたのは、先月だった。
- Re: 造花の少女が萎れるとき。 ( No.2 )
- 日時: 2015/02/13 12:15
- 名前: ファルル ◆K1rKFgUOGs (ID: nUPupIAw)
- プロフ: トリップテスト中です。
「澤野って好きな人いるわけ?」
「え?なんですか急に…」
如何にも告白する気満々の先輩の言葉。
というか、好きな人いるわけ?って聞かれても…。
告白しようというのなら、言ってしまえば先輩は浮気になる。私のクラスの栞ちゃんと先輩は立派な交際をしているのだ。
「いいから答えろ」
「え、いませんけど……」
言われた通り素直に答えた。
先輩がふっと微笑み、私の髪に触れる。
「先輩?」
「俺と遊んでみない?」
噂には聞いていた。というより、本人の口からも何度も。
先輩は、付き合うことを「遊ぶ」と言うことを。
彼には彼なりの過去があるようだが、それを知る者は小さい頃から顔馴染みの私しかいない。
先輩は、付き合うのは一時的な気持ちなんだから、遊ぶという表現をするけど
私はそうは思えなくて、髪に触れていた手を払うこともしないまま先輩をまっすぐ冷たい目で見ながら問う。
「先輩、浮気するんですか」
帰ってきた言葉に、背筋が凍った。
「そのつもり。栞だって俺を捨てるんだから、傷つかないうちに捨てたほうがマシだろ」
——「先……輩?」
奥の死角になっている影から微かに聞こえた声。
栞ちゃんのものだった。駆けていく音が聞こえて、先輩の手を払い追いかけた。
「待ってっ」
その声に立ち止まった栞ちゃんの肩は震えていて。
聞かなければよかったと。
「澤野さんなんてっ、大嫌い!泥棒猫!」
「違…っ!」
「何が違うのよ。え?言い訳するっていうの?笑わせないで。よくそんな顔で追いかけてきたわね」
ぶつけられる言葉に、確信した。
——嗚呼。
「あんたなんか、私の視界に二度と入ってこないで。いっそ死んでよ、ねえ。さっさと失せて!」
——いじめられるな、って。
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