社会問題小説・評論板
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- 朽ちる花のごとく
- 日時: 2015/04/29 10:01
- 名前: 園原 (ID: G1aoRKsm)
私は特別な人間よ。
欲しいものがあればなんでも手に入るし、私が望めばどんなことだって出来るわ。
頭脳だって身体能力だって、周りよりもずっと_優れているの。
おまけにこの美貌。誰もが振り向くようなその顔は儚げで、誰もが振り返る。
私に逆らうなんて_バカみたい。
_____________
はじめまして。園原と申します。
小説を書くのが初めてな上に更新が遅いですがよければお付き合いください。
地味に実話だったりします。
聞いた話なので曖昧な所は想像で補っています。あと若干盛っています。原型留めてないかも…ゲフンゲフン。勿論人物の名前は変えてあります。当たり前か。
人物紹介 ※随時更新
*七々扇学院高等部
二年生
伊賀崎 美姫/いがさき みき
大財閥、伊賀崎コンツェルンの一人娘。
普段は優等生だが、我が儘で高飛車な性格であり、学校の女王様。
逢坂 阿里沙/おうさか ありさ
伊賀崎コンツェルンまでとは言わないが大きな会社の娘。
ぶりっこキャラ。美姫の囲い。
天坂 菜穂/あまさか なほ
いじめには興味なし。いつも遠くで見ているが自分は関わらない。
美姫の囲い。
藤城 凛/ふじしろ りん
元気がとりえ。少し空気が読めない。
優の友達。
鈴木 優/すずき ゆう
地味で冴えないが心優しい少女。
あることがきっかけで美姫に目をつけられてしまう。
第1話 女王様 >>1
第2話 とある村の話 >>2
第3話 突然 >>3
第4話 地獄 >>4
- Re: 朽ちる花のごとく ( No.2 )
- 日時: 2015/02/13 03:21
- 名前: 園原 (ID: NGqJzUpF)
第2話 とある村の話
教室に入ると、クラスメートが一斉にこちらを向いて挨拶をしてきた。だが、いつものように駆け寄ってくるのは、友達_というよりは囲いと言うのが正しいのであろう_の阿里沙だけだった。少し違和感を感じた時、阿里沙が口を開いた。
「あっ、美姫っ!聞いた?鈴木の話っ」
「…聞いてないけど、どうしたの?」
本当は廊下で聞いたが。
阿里沙の問いにわざとらしく首をかしげて答える。
クラスメートがひそひそと一点を見つめて話していた。
鈴木の席だ。
アイツの…。
鈴木優。
地味で冴えなくてのろまでムカつくアイツ。
無駄に真面目だから、こんなHRギリギリの時間に登校してくるはずないと思うけど。
っていうことはやっぱり…。
「転校、するんだってぇ!」
阿里沙の猫なで声が耳にねっとりと張り付く。
「アイツさぁ〜?どんなに"お仕置き"してもぜんっぜん何にも言わないの!!つまんないよねぇ〜?まぁでも結局、一週間しか持たなかったけどぉ」
"お仕置き"。
女王様から嫌われると、女王様の召し使いからお仕置きを受ける。それがこの"国"のルールであり常識。
そしてお仕置きに耐えられなくなった者は…国からの追放、すなわち転校を余儀なくされる。
「そうね」
短くそれだけ言って席に座ると、鈴木の席にいた一人の生徒が近づいてきた。
「伊賀崎さんっ…」
話しかけてきたのは、ムカつくほどまっすぐな瞳をした奴だった。
- Re: 朽ちる花のごとく【第2話更新】 ( No.3 )
- 日時: 2015/02/13 19:10
- 名前: 園原 (ID: NGqJzUpF)
第3話 突然
「ねぇ、伊賀崎さん…」
近づいてきた女子生徒_藤城凛_を軽く睨むが、全く怯まずに凛は美姫の机を叩いた。
「…壊れちゃうわよ?」
ふふ、と笑いながら凛を見ると、周りにいたクラスメートたちも彼女に冷たい視線を送っているのが感じ取れた。
「ちょっ!?何やってんの凛!?やめてよ!!」
その時、先ほどまで凛と一緒にいた女子生徒が凛の肩を掴んだ。
高梨あずさ、だったか。美姫はろくに出てもいない部活の副部長。
「なんで、なんで、ゆーちゃんにあんなことしたの!?」
「やめてってば!」
高梨が凛の手を引っ張ってまた席に戻っていった。
なんなのあいつら。騒がしい。
ああ、確か鈴木の友達なんだったっけ?
あーあ。
ご愁傷さまでーす。
気持ちを押さえながら、阿里沙に優しく微笑みかけた。
「次のターゲット、どうしようか?」
__.....一週間前
「最近、何もなくて暇ね…」
「阿里沙もそう思うなぁ。なかなかターゲットも見つからないしぃ」
ぷう、と可愛らしく(ぶりっこ特有の)顔を膨らませた阿里沙と一緒に歩いていた美姫_すなわち女王様は、暇だった。
前のターゲットが不登校になってから一ヶ月間、新しいターゲットは見つからず、生徒にとってはいい意味で、美姫にとっては悪い意味で、平和であったのだ。
ターゲットが見つからずむしゃくしゃしている美姫は、いつもより言葉に棘があり、行動も落ち着きがなかった。
「ゆーちゃん、おはよぉ」
「おはよう、凛ちゃん」
その時前に見えたのは、同じクラスの鈴木優と藤城凛。
美姫は別に二人に恨みはないし、まず話したこともなかったのだが、今は別だ。美姫はずんずんと歩く足を速め、二人に近づいていく。
「ちょっ、美姫ぃ?」
「きゃあっ…」
美姫が早歩きになり、焦ってついてきた阿里沙が美姫に話しかけた時、か細い悲鳴が響いた。
「ゆ、ゆーちゃん!?」
阿里沙は足を止め、近くで様子を見ていた。
あまりよく見ていなかったが、恐らく美姫が優にわざとぶつかったのであろう。
優は廊下に踞り、足を押さえていた。
バランスを崩して足を捻ってしまったのだ。
しばらくすると、美姫は優と同じように廊下に倒れ込んで、すすり泣きを始めた。
「…」
阿里沙は察した。
これは演技、だと。
「私の鞄が…っ」
美姫が涙をすすりながら言い、誰にも見えないように小さくニヤついた。
それが、地獄の始まりであった。
- Re: 朽ちる花のごとく ( No.4 )
- 日時: 2015/04/29 09:57
- 名前: 園原 (ID: G1aoRKsm)
- プロフ: http://ひさしぶりの更新です
第3話 地獄
「ひっく…ひっく……」
美姫がわざとらしくすすり泣く。
こいつはとことん性根が腐りきっている_と阿里沙がしばらく動けずにいると、美姫がすこし首を捻って阿里沙を睨んだ。
「あーっ!美姫だいじょぉぶ?」
睨まれた瞬間我に返った阿里沙は、焦りを全く感じさせない素振りで美姫にかけよった。
「ちょっとぉ…鈴木、だっけ?この鞄ちょー高いんだよぉ!?」
相変わらずのねっとりとした声で優に詰め寄る。
あまりの迫力に優が後ずさる。
阿里沙はそれを見て微笑み、優の手首を掴む。
「いッ…」
優が聞き取れないほどのか細い悲鳴をあげたが、阿里沙はお構いなしに手首を握る力を強くする。
さっきまであれほど威勢のよかった凛も、すっかり萎縮して、優の姿をただ呆然と眺めるだけだった。
「ちょうどよかったぁ。ターゲット、見つかったね、美姫」
何が【ちょうどよかった】のか。
自分から仕組んだ癖に。
阿里沙は自分の言葉に内心うんざりしながらも美姫のほうをちらっと見る。
「…そうね」
ゆらゆらと立ち上がる美姫の表情は、恍惚に満ちていた。
「覚悟、しといてよ?」
美姫が決め台詞のようにそう言うと、凛が優の手を引いて、逃げていった。
優が落とした、財布にも気づかずに。
- Re: 朽ちる花のごとく ( No.5 )
- 日時: 2015/04/29 17:31
- 名前: ウラジミール (ID: z5Z4HjE0)
オリキャラって募集していますか?
- Re: 朽ちる花のごとく ( No.6 )
- 日時: 2015/04/29 18:08
- 名前: 園原 (ID: xV3zxjLd)
>>6
募集はしていません、すみません
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