社会問題小説・評論板

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そして少女は女王になる
日時: 2015/06/16 06:22
名前: 要 (ID: lkF9UhzL)

私秋月鞠香は片親育ちの中学一年生で、家庭はかなりの貧乏だ。
そもそも私というものは、
現在の私の馬鹿な母と馬鹿な男との不埒かつ無計画な行為の賜物であり、
天から下された罰そのものであった。
しかしその母は今現在までずっと私を女手一つで養ってきた。
そこは感謝するべきだろう。

朝昼晩、一日中働く母は、平日は真夜中にしか帰ってこない。
だから何時も夜までずっと私は一人だ。
私は狭いワンルームにかび臭い布団を二枚敷き、
湿ったままの髪を気にしながら眠りについた。






ある朝目覚めると秋月鞠香は西条鞠香になっていた。

被っていた薄い布団は厚手の羽毛布団になっていて、
電球の切れかけた蛍光灯が情けなくぶら下がっている天井は、
シャンデリアの光る豪華絢爛な天井になっていた。

ふと右を向くとそこにいたのは知らない男と母だった。

               



Re: そして少女は女王になる ( No.1 )
日時: 2015/06/16 06:36
名前: 要 (ID: lkF9UhzL)

戸惑う。

誰だってそうだろう。

母は言う。

「お母さん結婚したの」

「この、西条さんて人。あ、今は私も西条か…
 あ、でも、西条財閥って聞いたこと、あるでしょ?
 そこの会長さんなの。
 だからあのね鞠香、今日から貴方は秋月鞠香じゃなくて、
 西条鞠香なのよ。で、あのね、学校も変わるの。
 今日は…土曜日か。それで月曜日も祝日で休み?
 じゃあ火曜日からね。学校が変わるのは。
 鞠香は明日から白柳女学園に行くことになったの。
 学力的にもそのほうがベストかなって…いい?鞠香」

「え、あ…いい、よ」

「よかった!あ、ここはね、前の家からすぐ近くのところよ。
 白柳女学園まではちょっと遠いけど、鞠香のために運転手さんも
 雇ってるらしいから、通学はそこでね。」

なるほど、察しがついた。
どうやらこの家は新築だ。
確かうちの近所で馬鹿でかくて豪華な家の建築が行われていて、
話題になっていたところだった。この家は恐らくそれだろう。

しかし私はその直後気絶した。嬉しすぎて気絶した。

Re: そして少女は女王になる ( No.2 )
日時: 2015/06/16 06:47
名前: 要 (ID: lkF9UhzL)

三日間が過ぎ、とうとう学校へ行く日になった。
黒々とした外車の後部座席に乗ると、車が進みだす。

豪華な暮らしには結構慣れた。
私は流されやすい性格なのだ。
しかしながら、あの巷で話題のお嬢様学校、
白柳女学園の生徒、それも転入生に私はなるのだ。
かなり浮き足立つ。私はそんな特異なキャラクターになれるのか?
そうこうしている内に学校に着いていた。

周りの視線が痛い。

車から降りた途端、視線を感じる。当然だ、でも辛い。
校門前には初老の婦人が立っていた。
私を職員室まで案内するらしい。



職員室に着いてからも、何故だか周りの先生方までも私に視線を送る。
さらに職員室の開きっ放しのドアからは生徒たちの視線だ。
地獄。この世の地獄だ。視線地獄。
しかし一つ気づいたことがある。
視線というのは普通好奇心で出来ている。
しかし間違いない、この視線は、


「恐怖」によるものだ。

Re: そして少女は女王になる ( No.3 )
日時: 2015/08/21 22:17
名前: ゆき (ID: Fbe9j4rM)

すごいです、要さん!!!!!どんどん更新お願いします♪


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