社会問題小説・評論板
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- そして、少女は堕ちて行く。
- 日時: 2015/06/26 06:30
- 名前: 池野ほとり (ID: lkF9UhzL)
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どこから道を外したのかは、分からないけれど。
今が楽しければ、それでいいじゃない。
如何して、駄目なのよ。
いいじゃない…私たちがいいなら、それで。
何で、何でよ。
死にたい。
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■主要人物
稲葉 小夏 (いなば こなつ)
運動も勉強もまあまあな、全てにおいて平均値な女子。
しかし、中学校に入って千里たちと関わるようになってから、
クラス内でも上位カーストに立ち、非行に走り始めるようになる。
朽葉 千里 (くちば ちり)
悪い意味で、クラスのリーダー的存在。
彼女の言うことなす事で、クラス全体が動くほどの権力を持つ。
花柳 和歌 (はなやなぎ わか)
千里とは幼馴染で、とても仲がよい。
霧島 霞 (きりしま かすみ)
わがままな性格であり、少しぶりっこ。千里たちと仲がよい。
- Re: そして、少女は堕ちて行く。 ( No.1 )
- 日時: 2015/06/26 06:49
- 名前: 池野ほとり (ID: lkF9UhzL)
「千里、鍵持ってきたよ」
「オッケ、頂戴」
購買部の鍵が開けられる。
この「購買部ドロボー」も初めてだいぶ経ち、緊張感も抜けてきた。
「購買部ドロボー」というのは、放課後誰もいない鍵のかかった購買部に、
職員室から鍵をかすめ、鍵をこじ開け、中の商品を大量に盗み出してしまうというちょっとした「遊び」だ。
「今回は何にするー?」
「パンとか欲しいなー、新作のメロンパンとかいこうかなぁ」
「あ、私シャープ芯切らしてたんだぁ。もらっちゃお。可愛いやつない?」
「私も切らしてたわー。霞、こっちにいいのあるよ」
欲しいと思った物は手当たり次第に手に取り、カバンに押し込む。
私も色ペンやジュースを幾つかカバンに流し込んだ。
「あ、そろそろ人が来る時間じゃん、小夏ぅ、鍵あんたが持ってる?」
「違うよー、和歌じゃない?」
「あ、ごめん私だぁ。ちょっと待って。これ欲しい。」
「もー頼むよ霞ぃ」
各自カバンの中を確認してから購買部を出、鍵を掛けなおす。
「今回鍵返しに行くのって誰だっけ」
「あ、私」
「オッケ。和歌、あたしたち校門前でたむろっとくから」
職員室の鍵をかすめる、とは言ったけれど、うちの学校の職員室は、教室の鍵をすべて無用心ながらも職員室前の廊下に置いてあるので、盗み出すのはいたって簡単だ。
校門まで歩き、和歌が来るのを待つ。
「なんか最近さぁ、刺激ないよねぇ」
「あ、霞も思ってた?私も。なんか、飽きたっていうか…」
「もっと何か、やりたいかなぁ〜」
「あ、和歌じゃん。和歌ー!こっち!」
「ごめんごめん、待った?行こ」
そういって私たちは歩き始める。
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