社会問題小説・評論板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

奥底の光
日時: 2015/08/10 12:29
名前: 希柳 (ID: izEMmXXq)

初めまして 希柳です。

閲覧ありがとうございます。


この作品にはいじめなどのシーンがあり、苦手な方は見ないのをおすすめします。

文も変になったりしますが

よろしくおねがいします。

奥底の光 1章 ( No.1 )
日時: 2015/08/11 17:11
名前: 希柳 (ID: izEMmXXq)

私が君に会ったのは、何もかもあきらめた時だった。




高校2年の時、私は自分の一部から声が消えた。

「ねぇ、なんか言ってみなさいよ。」
「あぁ。しゃべれないんだっけ。」

声をなくしてからいじめられるようになった。

「しゃべれない子なんか嫌よ。」
「いらない」

声をなくしてから存在意義がわからなくなった。

今息をしている理由が分からなくなった。


どんなに泣いたって嗚咽は出ない。
どんなに面白くたって笑えない。


もう自分が嫌になった。

死のうとも考えた。
でも臆病な私はそんな怖いことできなかった。



Re: 奥底の光 ( No.2 )
日時: 2015/08/10 13:04
名前: 希柳 (ID: izEMmXXq)

ヒュー

風が私の頬をかすめる。

私は声をなくしてから夜に近くの海に来るようになった。


いつもは息苦しいのに、海に来ると息苦しさがなくなる。

永遠に続く海は、私にとって居心地がいいものだった。



いつものように砂浜に寝っ転がる。
そんなときだった。

ブンブンブン

遠くの方からバイクの音が聞こえたのは。
それはどんどんと近づいてくる。


このまま通り過ぎるかと思ったバイクは見事砂浜で止まった。

「やっぱ海はいいよなぁー」
「だな。朔真は海好きだもんなぁ。」

騒がしい声があちこちから聞こえる。

そんなとこにいるのは居心地が悪くて、私は帰ろうと体を起き上がらせて帰路につこうと足を進める。

「おい、誰だ。」

透き通るような声に私は思わず足を止めた。

side 朔真 ( No.3 )
日時: 2015/08/11 17:10
名前: 希柳 (ID: izEMmXXq)

海。

俺が一番好きな場所。

俺は仲間と一緒に海に来ていた。
「やっぱ海はいいよなぁー」
ポツリと言葉を落とす。
それを拾ったかのように
「だな。朔真は海好きだもんなぁ」
俺の友人のハルが声をかけてくる。

ザザァーン

波の音が心地いい。

そんな時にザッと音がした。
音がした方に顔を向けると人がいたんだ。

「おい、誰だ。」
声をかける。
俺は振り向いた人を見て息をのんだ。

そいつは女で、すべてをあきらめたような顔をしていたんだ。

女は何も言わない。

俺はそんな女に無性に腹が立った。


Page:1