社会問題小説・評論板
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- いじめってなに?
- 日時: 2015/08/22 14:28
- 名前: ゆき (ID: Fbe9j4rM)
また、ゆきです!また、いじめ小説です。今回は、詩みたいな小説です。ひとりのいじめられてる女の子の話−。
すどう りかのにっき
プロローグ いじめってなに?
いじめってなに? そう、おもってた。
−だけど。あたしが、体験することになるなんて。
五年四組の教室、ひとつの沈黙−。騒がしい教室の中、ひとりいきをひそめてる
子がいるのに、みんな気がついたでしょうか。
「 ハイ、これに書いてくださーい。終わった人から、前に置いてくださいねぇぇぇ。」
悪魔の手紙、「いじめ発見アンケート」。だいたい、先生が無神経だ。だれが、
私はぁ、いじめられてまぁす。それはぁ、金城ゆかりさんとぉ、山崎結愛さんでぇす。
なんて書くもんか。いじめがエスカレートするだけだ。−いじめ……寒気がする。
ゆかりと結愛に見られてる。そんなこと、書けない…。
適当に書いて、さっさと出した。お母さん、お父さん…。た・す・け・て
ああ、みんな気になってるよね、いじめってなに?ってコト。いじめってね…
人間は、笑えば元気になる。元気があれば、なんでもできる。その元気の源、笑いを
奪うんだ。それとりかのお母さんお父さんは、もう死んでる。りかは、孤児院に
すんでるんだ。友達は、ひとりもいない。あ、ひとつ涙がこぼれた。
涙がこぼれてもいいように、この席にしたんだ。でも、なみだって、なぜいるの?りかには、いらないのに。
あ、もうわかったとは思うけど、いじめっ子は、きんじょうゆかりと、やまざきゆいだよ。
そのひとたちが、りかの人生をこわしたの ええとね、孤児院の先生、だいすきだった。
なのに、交通事故で死んじゃった。りかの見方は、ひとりもいなくなっちゃった。
だから、孤児院の先生になりたいっていったの。そしたら、結愛とゆかりは、わらってた、ばかばかしいって。
りかは、ゆかりたちがだいきらい。だいきらい。だいきらいだ。−いつか、ころしたいくらい。
- Re: いじめってなに? ( No.1 )
- 日時: 2015/08/23 11:49
- 名前: ゆき (ID: Fbe9j4rM)
ゆかり
なんで、私は壊れてしまったんだろう。
……………………………………………………………………………………………………
私は、いっしょうけんめい踏ん張って、ずっと耐えてきたよ?
お母さん、お父さん、もう疲れたよ?
お母さん、お父さん、もう一度、頭を撫でてよ。
それが、私のただひとつのエネルギー源なのだから。
エネルギー源を失った私は、いじめをしてしまった。
お父さんもお母さんも死んで、見方はだれもいない少女を、犠牲にするくらいに−。
結愛も巻き込んで、最低だ。私は、幸せな家庭の子なのに、どうしてこんなに辛いんだろう。
私は、大人に、なれないよ。
もうつらいから。
しにたいよ。
これから、屋上に、行くね。
- Re: いじめってなに? ( No.2 )
- 日時: 2015/08/23 17:29
- 名前: ゆき (ID: Fbe9j4rM)
トントントントントン。上履きが音をたてる。非常階段を上っているのだ。
わざわざ非常階段を上っているのは、屋上に入るのが厳しく禁止されているから。
ゆかりは、屋上にいった。だれもいない。
遊んでいる人たちを見て、ゆかりは言った。
あなたたちはいいね。 アナタタチハイイネ。
ここから、降りたら…。ぼんやり、ぼんやり考えていたら、コーン、コーンと
授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。ゆかりは、教室にはいかなかった。
いけなかった。すると真下のクラスが、騒がしくなった。
「ゆかりがいない」「奏知ってる?」「ううん」「玲奈はー?」「知らなーい」
少し、胸が痛んだ。私は、ここにいるのに。だれかが言った。「別によくない?どーでも」
「確かに」「どーでもいーね」
ゆかりは、はっとした。私のこと、どうでもいいって思ってるの?
それなら。
私は死んでもいいの?そっか、私はどうでもいいんだ。死んでもいいんだ。
私は死ぬ。赤茶けた床。白い柵。そして、白い柵に、石で書いた。
「私は死ぬ。私はどうでもいい。私は、死んでもいいんだ。死んでもいい、死んでもいい。」
下を見た。ずいぶん高いところにいるのだろう。車が小さく見える。
ふいに涙が溢れてきた。ゆかりは、小さな泣き声をあげる。−死ぬ前の涙。
ゆかりは、紙に書いた。「五年四組へ 死ねば、楽になれるから、疲れたから、死にます−。
今までごめんね、梨花。バイバイ、みんな。五年四組、金城ゆかり」
よし、死のう。もう疲れた。死ねば、天国に行ける−。
……柵を乗り越えて……
ゆかりは、柵を乗り越えてぎりぎりに立った。バイバイ。みんな。
柵から手を離すと、凄い速さで地面が近づいてきた。「いやああああああっ!」
「バン!」 コンクリートにぶつかった。
痛い。目が、見えない。耳が、聞こえない。意識が朦朧として、視界がぼんやりしてきた。
「うっ…」これ…が、死ぬ…とい…う…こと…か。眠くなった。
頭のなかに、しんじゃだめ!しんじゃだめ!という警報が出たけど、ゆかりはそのまま息絶えた。
そして、頭の中が真っ白になった。
- Re: いじめってなに? ( No.3 )
- 日時: 2015/08/24 19:26
- 名前: ゆき (ID: Fbe9j4rM)
ゆかりが死んだのを知った。
梨花は、ほっとして、帰ろうとした。
「ちょっと待ちなさい!」な、なに?そこには、結愛と少女たち。
「ゆかりが死んだのは、あんたのせいよ!」私のせいじゃないよぉ…。
ひるんだけど、醜い醜い、結愛の顔を見ると…。
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」なぜか言っていた。なぜか殴りかかっていた。
バン、バン、バン。「ううっ…」ドテッ!結愛は、倒れた…。
ふっと息をつく。目を見開いた少女たち。
私は叫んだ。「わかったわねっ!?」
「このわたし、須藤梨花様に逆らったら、どうなるかがっ!」
「は、はいっ!」少女たちは恐れ戦いた。
最後の一撃。小さくつぶやいて、結愛を蹴り飛ばす。「ううっ!」
教卓に頭をぶつけた、結愛!
「あはははははははははっ!」少女たちは笑った。
「じゃあね、あなたたち!」「は、はいっ!」身を翻して、ドアへ向かう。
「わたしは、お姫様!」だれもいない孤児院。鏡に言う。
鏡よ、鏡。五年四組のお姫様はだ・あ・れ?
はい、それはわたくし、須藤梨花様。
はい、それはあなた、須藤梨花様でございます。
なんだか鏡が言ったみたいで、「オホホホホッ!そうよ、そのとおり!」
って言ってみた。それだけで幸せだった。
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