社会問題小説・評論板

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教室劇場
日時: 2015/10/31 01:54
名前: ゲンガー ◆zeLg4BMHgs (ID: KNtP0BV.)

この教室は、人形のための舞台。

そして、私たちはマリオネット————。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

登場人物

川奈 美優  かわな みゆう
女 14歳

現在のいじめのターゲット
気弱で大人しい


伊吹 沙菜  いぶき さな
女 14歳

表向きの顔はクラス1の優等生
いじめっ子たちのリーダー格


清原 梨緒  きよはら りお
男 14歳

チャラチャラしているが、どこかミステリアスな雰囲気を持っている
いじめを楽しむ傍観者
美緒の兄 双子


清原 美緒  きよはら みお
男 14歳

ムードーメーカーだが寂しがり屋 頭は悪い 中性的で女の子のような顔立ち
そのつもりはないのにいじめに巻き込まれている
梨緒の弟 双子


雛宮 愛莉  ひなみや あいり
女 14歳

美優の味方で、冷静で落ち着いた性格
しかし、100%優等生ではなく、いじめっ子に対して態度が悪くなったり、せせら笑うような一面も持つ
一ノ瀬 遥夏さん >>002


間宮 閖乃  まみや ゆりの
女 14歳

沙菜の友達で、一緒に美優を苛める
大人の前では正義感に溢れた優しい子を演じきる
夏目 織さん >>003


川奈 由真  かわな ゆま
女 6歳

小学1年生の美優の妹 愛読書はフランツ・カフカの『変身』
普段は無口だが、気味悪がられるほど人の心理を読むことに長けている
雪桜さん >>005


栗宮 透架  くりみや とうか
女 14歳 

綺麗な黒髪に似合わず、ここらでは有名な不良 いじめの傍観者として楽しんでいる
もともといじめの被害者だったが、相手が自殺をするまで追い詰め、復讐を果たしている。
purineさん >>008

月ノ夜 樹谷  つきのや きたに
男 14歳

頭はいいが、運動は苦手 いじめには関心がない様子
いじめられた過去がある 美優とは仲がいい
バラバラさん >>011

月詠 唯  つきよみ ゆい
女 14歳

クールで綺麗な少女。文武両道才色兼備。元天才スケーター。
集団行動が嫌いで、いじめられていた過去をもつ。中立の立場を守っている。
雨璃さん >>014

Re: 教室劇場【キャラ募集】 ( No.16 )
日時: 2015/10/26 17:44
名前: ゲンガー ◆zeLg4BMHgs (ID: KNtP0BV.)

>>雨璃さん

キャラありがとうございます!
とても詳しく設定していただいたので、さらに個性を引き出せるようがんばります!

>>ゆっこさん

コメントありがとうございます! とても励みになります
これからどんどん面白くなるはずですので、乞うご期待!

突然ですが、ここで一度オリキャラの募集を締め切らせていただきます
私の技能でいただいたキャラを十二分に扱うには、おそらくこのくらいが限度なので……

キャラ投稿してくださった皆さん、ありがとうございました!
そしてこれからも応援お願いします

Re: 教室劇場 ( No.17 )
日時: 2015/11/03 15:04
名前: ゲンガー ◆zeLg4BMHgs (ID: KNtP0BV.)


今日も世間はゆるゆると動いている。
退屈だ。退屈極まりない。
少年は自室の机の上のパソコンを起動させた。

“私たちの正義を貫くためにもね”

「正義、ねぇ」

隣の席の沙菜の言葉を思い出して、ニヤッと笑った。
実はあの台詞を聞いたときも吹き出すのを必死に堪えていたのだ。
正義。
それは、倫理、合理性、法律、自然法、公正とか衡平に基づく道徳的な正しさに関する概念であり、簡単に言うと道理的に正しいこと全般を指す。

「正義……」

ニュースの画面を開いて、面白い記事はないかと探す。
大使館前での乱闘、ハリケーン、不良品の化粧品の回収にスポーツ選手の引退……。
芸能人が離婚? 原因は不倫? ばかばかしい。
梨緒はこの世に正義なんて存在しないと思っていた。
それは童話であり、幻。
そんなことを考えていると、ふとある記事が目に留まった。
乳児に医薬品を飲ませて殺害。母親逮捕。

「……」

これくらいやっちゃうと虐待って感じがするけど。
右肩を撫でる。まだ跡は消えていない。

「……正義だって、あははは……」

なぜか涙が出てきた。笑いすぎたかな。

「……はは、あー、おもしろ」

涙に潤んだ顔を枕に押し付けるようにベッドに寝転ぶ。
ドアの開く音がした。たぶん美緒が帰ってきたのだろう。

Re: 教室劇場 ( No.18 )
日時: 2015/11/05 18:13
名前: ゲンガー ◆zeLg4BMHgs (ID: KNtP0BV.)

「うわ、まっず」

透架は火がついたままのタバコをはき捨てた。
なんか変な味がする。大人の味ってヤツかな? あははは
においだって加齢臭みたいな臭いだし。

「やーめた」

足元のタバコを踏み潰すと、そのまま公園を立ち去ろうとしたとき、

「ねえ、そこのお姉さん」

振り向くと、小学生だろうか、小さな女の子が立っている。

「お姉さん、中学生でしょ? だって私のお姉ちゃんと同じ制服だもん
さっきの、タバコだよね? ダメじゃないの?」

めんどくさい子供だ。そんなのいちいち言わなくていいじゃん。

「『めんどくさい子供 いちいち言わなくていい』……当たった?」

……何この子。気持ち悪っ。
無視してその場を去ろうとすると、その子は私を指差して、

「逃げた。本当のことを言われたから逃げた」
「……黙ろうか?」

小さい子相手にキレてるなんて、かっこ悪い。
そうはわかっていても、ちょっときつい口調になってしまった。

「まだ小さいからわかんないでしょうね、いろいろあるの、あたしにも」

それだけ吐き捨てて、それこそ、逃げるように公園を出た。


Re: 教室劇場 ( No.19 )
日時: 2015/11/19 18:45
名前: ゲンガー ◆zeLg4BMHgs (ID: KNtP0BV.)


俺は、臆病だ。

「おはよう」
「……」

美優は俺に気づいていない。
当然といえば当然だ。
彼女はクラスのほとんどの人に無視され続け、それが日常と化している。

「おはよう、美優」
「……話しかけないてください」

彼女はそっけない。
これもあのいじめが原因なら。
いじめは残酷だ。人格までも変えてしまう。
上履きも履かずに去ろうとする美優。

「まって、上履きは?」
「……」

美優は上履きを出して……にっこりと微笑んだ。
上履きは油性ペンで書かれた中傷の言葉でいっぱい。
そしてそれは、以前と変わらない笑顔。
よかった。
彼女は酷いいじめにあっても、強く耐えているようだ。

「心配してくれて、ありがとね」

美優は小さな声で言って、教室へ行った。
強い。美優は、強い。
そして、俺は思う。
俺もあれほど強ければいいのに———。

Re: 教室劇場 ( No.20 )
日時: 2016/01/14 15:39
名前: ゲンガー ◆zeLg4BMHgs (ID: F5aTYa7o)

「……このクラスに今足りていないのは積極性です。
 なので、私から積極的に物事に取り組み、クラスのみんなを引っ張っていきたいと思います」

沙菜はいかにも優等生のようにいい、スピーチを締めくくった。
いや、「ように」ではない。
優等生だ。私は完璧で、完全な優等生。

現にそれはこの拍手が肯定してくれる。
クラスメイトは皆、誰もが思ったに違いない。「伊吹沙菜は賢い」と。
そうでなきゃ、価値のない話にわざわざ拍手するバカもいないだろう。

「……ありきたりな話だったね、伊吹サン」

突然、あまりにも急に隣の男子が話しかけてきた。
動揺を隠し切れず、しかも内容がくだらないからかい。
なんなのだ、コイツ——清原梨緒。

「あんなありきたりな話で1分持たせるなんてすごいね。
 しかもあの女の子達はずいぶん聞き入ってたみたいだけど、退屈この上ないのに人を惹きつけるなんてさすがだよね」

褒めているのか、けなしているのか。
怪訝な顔をすると、彼はニヤッと笑った。

「やっぱり友情? 女子ってすごいね。
 ね、じゃああの目立たないこのこととか俺よく知らないんだけど」

指差した先ではちょうど月詠唯が話しているところだった。
私もあまり詳しくは知らない。

「そっか、女子だからってみんなで仲いいわけじゃないんだぁ〜。
 そういえば、ねぇ? そうだもんねぇ〜」

わざとらしく言葉を濁す。
わかってる、きっと美優のことだ。

「言いたいことがあるならはっきりいえば」
「いや? 今はもう聞きたいこともないし、いいかなぁって。
 またなんかわかったら教えてね」

ニコニコする梨緒から目をそらすと、美優と目が合った。

ああ、今日はついていない。
私は早速紙切れに今日やることを書いて、閖乃にまわした。


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