社会問題小説・評論板
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- 嘘色シンデレラ
- 日時: 2015/09/25 19:27
- 名前: 雨璃 ◆bBGGdfy7eQ (ID: JY5SNCyh)
——そう、私はいつだって嘘でできたシンデレラ。
思い通りに行く、筋書きの上での世界。
だけどたどる道はもちろんいつだって「BAD END」。
その道の途中で、私が嫌いな人はとことん駆除する。
それがこの学級(世界)の法則。
それを壊す奴らなら…容赦はしない。
この世界の中心も、この世界の掟も、この世界の女王も
全て、私じゃなきゃ成り立たない。
私が幼い頃から努力して積み上げたもの。
——ほら、貴方はそうやって失望した目で私を見る。
「嘘つきだ」「偽善者だ」「悪魔だ」「自己中心的だね」。
もうお見通し。でも私がそれだけで絶望するとは限らないけど。
嘘なんて誰でもつく。偽善者?そんなの私だけじゃないはず。
私が悪魔ならあなたたちは神や天使なのかしら。答えはNO。
人間なんて所詮はその程度。嘘と本音と弱さと嫉妬。これくらいの成分がなければそれはもう人外としか言いようがない。
誰もが自分を一番に愛して、傷つけられたらプライドなんてあったものじゃない。
自分の思い通りにいかなかったことに腹を立てて、結局は自分のことばかり。
それが当てはまらないなら…ね?
——ほら、貴方はそうやって涙を流す。
誰だって自分の妄想で作り出した舞台で勝手に悲劇のヒロインになって朽ち果てていく。
だからそこで泣き崩れるの。私が悪者にされて、結局私が謝る。
そんな世界じゃつまらない。違反するものは絶対に私が許さない。
だからあなたの涙は無意味。
全てはあなたが自分の妄想で作り上げた舞台上の「公演」なのだから。
私はその世界にゲストとして入ってきた偽善者。
物語が終盤を迎える頃、きっとあなたは私の引き立て役で、もう主人公でもなければ悲劇のヒロインじゃない。
ただ泣くことしかできない、愚かな脇役。
物語はこれで完璧ね。
私の都合のいい世界はこうして出来上がった。
もちろん、そんな都合のいい世界を手放す気はない。
——嘘色シンデレラは幸せなんて求めない。思い通りならそれでいい。
* * *
いきなりprologueでした。←
こんにちは、雨璃です。最近ストレスや愚痴りたいことが溜まっているので、思いついた小説を書きます。
文才などは全くありませんが、完結はさせます。というより長々と書かないかと←
他板でも活動しています。
よろしくお願いします(._.)
+目次
- Re: 嘘色シンデレラ ( No.1 )
- 日時: 2015/09/25 20:15
- 名前: 雨璃 ◆bBGGdfy7eQ (ID: JY5SNCyh)
- プロフ: ほら、いつも貴女が1位。私はいつも2位。この繰り返し。そろそろ飽きた。
@敵対する二人の人物紹介
・月夜 奏/Kanade Thukiyo
私立天櫻学園中等部二年生。詳しく言えば転入生。
令嬢であり、完璧な悪魔とも言える女王様気質。
小さい頃から多くの人に期待され、その期待に応えようと幼い頃からなんでも頑張ってきた。
ストレスも溜まり、唯一の救いだったのは兄だけだが、突如その兄が小さい女の子を助けて交通事故に巻き込まれる。
失ってから一ヶ月後は、兄の写真に向かって語りかける様子が見られ、中学に上がる頃には完璧主義の女王様気質となり、兄に助けられた少女にいつか復讐することを決めている。
成績、運動神経、全て学園トップを誇っており、まだ一度しか二位になったことはない。
黒髪の腰より上まで伸びたロングストレートに紫の目の美少女で、色白柔肌。
全てが整いすぎているため、先輩や後輩、高等部にまで注目を浴びる。
とことん完璧を追求し、邪魔なものは駆除するため、平和だった学園に革命を起こした悪魔、という称号まである。
一度二位になった頃、冬休み明けに賞をもらうとき、「二位はプライドが許さない。次からは一位の座は誰にも譲らない」ことを宣言し、見事にそれから一位独占 という新たな記録まで残している。
・桃葉 胡桃/Kurumi Momoba
奏のクラスメートであり、一度事故に巻き込まれかけた少女。
旧家の令嬢であり、誰にでも優しい天使とも言える少女だが、奏から一位を奪った記録の持ち主であるためお互いライバル関係にある。
小さい頃からなんでも努力してやってきて、息抜きに散歩している時に交通事故に巻き込まれかけたが、奏の兄に助けられ無事だった。
本人は奏が命の恩人の妹だということに気づいていない。
文武両道才色兼備、出来のいい娘だと好評で、学園でも有名人。
奏が来る前は、学園でもトップクラスの生徒だったが、その努力は奏の前では敵わず、プライドが多少傷ついている。
しかし、実は脆く泣きやすいタイプで、奏に「邪魔」と言われ始めたあたりから崩壊し始めている。
平和だった学園で、初めて目をつけられた被害者。
栗色の内巻きショートカットにダークブラウンの目の美少女。
命の恩人が自分のせいで亡くなったことを知らないため、奏にもよくその話をしていた。
- Re: 嘘色シンデレラ ( No.2 )
- 日時: 2015/10/25 12:55
- 名前: 雨璃 ◆bBGGdfy7eQ (ID: 5fLl8M0A)
*奏side
私は全てを支配する人として生まれてきた。
そんなのはちょっとした妄想でしかないのだけれど、その妄想だって私の前では現実になってしまう。
私は、支配を高めて復讐をしなきゃいけない。
犯罪?そんなのは知らないわ。
私の兄を犠牲にしたあの女を私は絶対許さない。復讐してやるんだと誓った。
そのために、一年の途中からこの私には到底似合わない学園に転入してきたんだから。
たとえ、それを兄が望んでいなくても。
* * *
*胡桃side
「キャーッ!」
道の真ん中をあの子が歩くたびに、隠れファンやファンの黄色い歓声が空いっぱいに響き渡った。
黒髪の絹糸のようなサラサラの綺麗な髪がふわりと風に舞い、紫の綺麗な目は前をしっかりと見据えている。
そして、完璧とも言えるルックスの彼女は、ほかの優等生とはまた違った異様であり、美しい雰囲気をまとっている。
服からのぞく細い手足。
色白で、その肌は見て分かるほど柔肌である。
細い足で一歩一歩学園の門へ歩いて行き、閉ざされた門が係りの手により開かれると、細い腕で自らの髪をはらった。
この行動は最近毎日見られる行動で、噂は直ぐに広まった。
『お礼を示す行動』
『なにかの忠告』
『実はなにか能力を持っているのでは?』
いろんな噂も彼女にはあるが、本人はそれを全否定する様子も認める様子もなく、噂なんかないような振る舞い。
私は正直胸騒ぎがしている。
噂の中にある『なにかの忠告』が一番有力なのでは?という意見を持っている。
『二位はプライド的に許さないの。邪魔は不要。いつでも私はこの学園のトップに立ってみせる。これからは二位との大差をつけて一位になり続けてみせる』
去年の冬休み明けの彼女の言葉が胸に引っかかった。
まるで私を邪魔だと言っているように感じた。
でも、それ以降彼女は私に優しくしてくれていたからそんなはずはないと思っていた。
だけど、最近は話していない。
最後に話したのは確か……五週間前。
一週間前二年生に上がったばかりだから、二年になってからはまだ一度も話していない。
「私を助けてくれた人が私の代わりに事故で命を落とした」という話をしたあたりから、彼女の様子は少しおかしくなった気がする。
だからこんな胸騒ぎがするのかもしれない。
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