社会問題小説・評論板
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- 光と影
- 日時: 2015/12/19 10:34
- 名前: ちな ◆i6iVWi1xEo (ID: SI2q8CjJ)
初めまして。
初投稿ですがよろしくおねがいします。
中学生のいじめ系を書いていきます。
*********
・藤原 優奈(ふじわら ゆうな)
中学2年生。優しくて正義感が強い。
でも自分の思っていることが言えなくて
周りに流されてしまう女の子。
・黒田 梓(くろだ あずさ)
優奈と同じクラスで親友。
噂をよくながす。
・高山 萌花(たかやま もえか)
優奈と梓の共通の友達で同じクラスの親友。
・佐藤 美姫(さとう みき)
都会から転校してきた女の子。
クラスに馴染めず・・・
- Re: 光と影 ( No.1 )
- 日時: 2015/12/19 10:47
- 名前: ちな ◆i6iVWi1xEo (ID: SI2q8CjJ)
「転校生?どんな娘だったの?」
「そういやー、優奈ってば。昨日休んじゃってたかー。」
梓はいじわるそうに笑みを浮かべる。
「優奈、転校生とは関わらないほーがいいよ。絶対、浮くし。」
萌花が口をとがらせて言う。
********
ガラっ—
「おはよう!」
「優奈ちゃん!」「体調良くなったんだ!」
「ごめんね。メールありがとう。」
隣の席は・・・見知らぬ女の子が座っていた。
女子たちは遠巻きにそれを見ては・・・
笑っている—・・・・・
「あ、あのー」
女の子に声をかけようとして。
「優奈もさー。おもうよねー?」
梓が耳につぶやく。
「私は嫌いだわー。」 「うちもー。」と萌花が低い声を落とす。
「でも・・・あ、だよねー。」
・・・・できるだけ明るくはっきりと・・・・
笑い声は広がる。私は少し胸が痛くなった。
- Re: 光と影 ( No.2 )
- 日時: 2015/12/19 10:55
- 名前: ちな ◆i6iVWi1xEo (ID: SI2q8CjJ)
授業が始まる。
隣を見ると・・・うつむいてる女の子。
名前は佐藤美姫さん。都会の近くから来たらしい。
よく見ると、かわいいとは真逆の美人ってカンジかな。
「ちょっとこれみてからさー。ななめ回してよ。」
「うん。」
パラっ・・・・
『佐藤美姫さんと口きかないでね。
聞いた人はどうなるか、
もちろんわかってるよねー』
言い出したかった・・・ホントは・・・・。
言えない・・・よ・・・・
キーンコーンカーンコーン—。
「体育、外だってさー。だっるいよねー?」
「萌花は運動オンチじゃないの。」
「そういう梓も言えないほどじゃない。」
「あ、見てよ。あれ。」
佐藤さんの姿があった。一人で移動している。
- Re: 光と影 ( No.3 )
- 日時: 2015/12/19 11:05
- 名前: ちな ◆i6iVWi1xEo (ID: SI2q8CjJ)
「席が隣の人とペアで、バドミントンして貰います!」
「えっ・・・」
「優奈かっわいそー。」
「もー。梓はあ。からかわないでよ。」
********
「佐藤さん、こっちでいい?」
あちらこちらに笑い声が飛び交っている。
「優奈ちゃん話しかけてくれてんのにどういう神経してるわけ?」
「優奈ちゃんかわいそうじゃん。」
聞こえてないふりして—
「佐藤さんいっくよー!」
バン—
遠くに飛んで行き、誰もいない倉庫裏に飛んで行った。
たっ・・・
「佐藤さん。ごめん。」
慌てて追いかける。
「うーん。とれないかも。」
佐藤さんの声?すごく高い。
「ごめんね。」
「いいよ。私だって飛ばして悪かったし・・・」
「じゃなくて・・・さっきと、授業前の時。話しかけてくれようとしたでしょ。そっちまで孤立しちゃうかと思って。」
「佐藤さん・・・」
うつむいていた彼女は、太陽の光を浴びて笑った。
美人でリボンをまいた、ふわふわの茶色の髪が揺れている。
「優奈でいいよ。」
「じゃあ、美姫ね。」
- Re: 光と影 ( No.4 )
- 日時: 2015/12/19 11:17
- 名前: ちな ◆i6iVWi1xEo (ID: SI2q8CjJ)
「優奈。さっき佐藤と口聞いたでしょう。
体育倉庫の裏でみたんだよ。」
「あれは・・・羽が飛んで・・・それで。」
「いーい。裏切ったらダメだからね。」
肩に手を置き、耳元でささやかれた。
「あ、梓?」
「優奈ー!着替えよ、遅れるよ。」
この光と影の温度差が怖く感じた。
********
昼休み—
笑い声があちらこちらで飛び交う。
少女の瞳から涙が・・・
「だーれぇ。あんなことしたの。」
「ひっどーい。」
明るくて笑っていた。
思わず唇を噛みしめて・・・・
机に書いてあった落書きを消そうと、消しゴムに手を伸ばす。
「優奈っ!なにやってんの!」
萌花が肩を掴んでこっちに引き戻そうとする。
だけど・・・、
「こんなの・・・こんなのほっとけないから。ホントは・・・、みんな
気づいているんでしょ。萌花も、」
その場がしーんと静まった。
私は消しゴムで机に書かれた言葉を消していく。
「美姫ちゃんの気持ち考えたらわかるでしょ。」
「ふーん。萌花っ!」
「あー、梓っ。」
他の女子たちも慌てて飛び出す。
「優奈ちゃん・・・」
瞳を涙でいっぱいにした美姫が口を歪める。
「ごめんね。美姫。」
ぎゅっと美姫を抱きしめた—
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