社会問題小説・評論板

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狼少女の日常
日時: 2017/09/02 15:30
名前: ピアニッシモ (ID: 9yNBfouf)

今日も聞こえる罵声と打撲音
まぁその被害者は私じゃないけど

「ほら!アンタも参加しなよ!」
ケバケバしい化粧をした、いかにも馬鹿そうな女が私の肩を叩きゲラゲラと騒音と悪臭を撒き散らかす

何でもこんな胸糞悪い下手したら『犯罪』になりかねない、クラスのバカ殿の『お遊び』に巻き込まれなきゃなんないのさ

だから私は肩に乗せられた馬鹿女の腕を振り払ってこう言った

『どうでもいい。私は関係ないから』

________登場人物_________

霧崎マヤ
主人公
冷たい現実主義者
教師が嫌い
いじめには胸糞悪いので参加しない。


黒崎あやめ
被害者
大人しくおどおどしている為いじめられる

坂本なほ
主格犯
お嬢様で学校の女王(マヤ曰く『バカ殿』『アホ様』)
あやめをいじめる

小野寺みお
加害者
なつきに媚を売るスネ夫的ポジション

本多みつき
クラスの男子
あやめとおなじくおとなしく虫一匹殺せないような雰囲気だが…?
男の娘

各自の容姿はみなさんで想像してください

Re: 狼少女の日常 ( No.1 )
日時: 2017/09/02 15:34
名前: ピアニッシモ (ID: 9yNBfouf)

1話『バカ殿』

しかしまぁよく飽きもせずにやるものだ。
その熱意を勉強に向けたらどうだろうか。私達『生徒』の仕事は勉強していい成績を残す『イイコ』になることなのだから

そんな事を考えながら学校の図書室で借りた三国志を読み進める

私の一番好きな武将はやっぱり魏なら『于禁』だろうか
樊城の戦いで蜀軍に敗北し、関羽に命乞いをしたから巷では『チ禁』なんて呼ばれているらしいけど軍紀を守らずに曹操に離反した旧友を斬り捨てる忠誠心と厳正さは素晴らしいと思う。

もしそんな厳格な人が私のクラスに、いやこの学校の主ならあんな『バカ殿』の独裁なんて起きなかったかもしれない

クラスの奴らは私とごく一部を除いて全員バカ殿の『手駒』だ。
奴らは逆らった者の末路を知っているから妥当な判断かもしれないけど。
しかもバカ殿の家は名のある政治家で多大な影響力を持つ。多少の事件ならもみ消してしまうだろう

そんな願い虚しく胸糞悪い教室から出ようと本に栞を挟み席を立とうとすると『何か』が私の机にぶち当たり巨大な音を立てる

『何か』の正体は人間。クラスでは大人しく目立たない『黒崎あやめ』だった

しかもよく見ると頭から血が出ている。

「アンタ。大丈夫?」

不思議と血を見ても落ち着いているのは私が冷たいからかもしれない

「はわわ…早く保健室に連れてかなきゃ!」
慌てているが黒崎を軽々と抱え教室を出ようとするのは本多みつき
可愛らしい容姿に高い声、虫の1匹潰せないような性格のせいで女子に見えるが実を言うとこいつの性別は男
まぁ所謂『男の娘』って奴だ

「そんな奴死んでも平気でしょ。」
明らかに『自分がやりました』って雰囲気を出しながら本多の前に立つのは『坂本なほ』
よくある成金のクラスの女王様って奴だ
もっとも『女王様』なんて大層な二つ名より『バカ殿』の方が様になるけど

バカ殿の隣で「そーですよねー」とか必死に作り笑いをしゴマを擂るのは小野寺みお
バカ殿より金はないけど毎日のゴマ擂りが功を成したのかそばにいるのを許されている
まさに『番犬』って言うのが丁度いい

まぁ無駄話はこれまでにして私も少し忠告するか。学校で人が死んだなんて事になったらこっちも面倒になる

「どいてあげなよ。本多の言う通りソイツ死ぬよ?
『学校で人が死にました』なんてなったら当然警察沙汰…流石に不味いんじゃない?色々と」

自分でも驚いた。私ってこんな低くて冷たい声出せるんだ

バカ殿はバカ殿で竦んでいるし本多は本多でその横を目もくれずにすり抜けて黒崎を抱え保健室に向かった
私も本多の後を追いかけて教室を出る
その時私は聞いてしまった

小野寺が悔しそうに小さく舌打ちしたのを
女ってこわいねぇ
そんな事を考えながら教室を出た

Re: 狼少女の日常 ( No.2 )
日時: 2016/08/15 18:41
名前: ピアニッシモ (ID: PGYIXEPS)

2話『かめん』

今日も僕は仮面を被る。来るべき時笑い狂える為に

坂本さん、いや『女王サマ』は今日も今日とて『哀れな被害者』黒崎あやめでストレス発散

いやぁ、『悪趣味』。この一言に尽きるねぇ
此処で正義感の強い馬鹿なら『やめなよ』なんて言って鉄拳制裁!なのかもしれないけど生憎僕はそこまで馬鹿じゃないし人間が出来ちゃいない

それに、この『異常』がむしろ僕達には『正常』であり『日常』なのだ。
まず、あの女王サマに逆らった『愚者』の末路を皆が知っている事…ここまでは皆のお察しのとおりだ。
それを持ってもまだ疑問に思うことがあるだろう?それは…
『何故、誰も逆らわずいじめに加担しているのか?』

これはあくまでも僕の推察だが、女王サマは『憂さ晴らし』をさせているのかもしれない
あの独裁政治に近い我侭し放題の態度に皆は腹が立っているのは火を見るより明らかだ。
そこで『生贄』、黒崎あやめを文字通り『生贄』として差し出す事で皆のストレスを解消させつつ皆の不満も無くし、自分の『女王』としての地位を磐石にする…
なおかつ、自分の手は汚さずに高みの見物。って訳だ



無駄話はここまで

流石にただぼーっと見ているだけじゃ『おとなしくビビリな本多みつき』の仮面が剥がれちゃうから怯えたふりでもしていよう
うまくできるかな?笑顔出ちゃったりしてないかな?

そんな心配は杞憂に終わった。いつも女王サマにヘコヘコしている『駄犬』小野寺みおが
僕を指さして
「あいつなんかビビっちゃってますよー」と騒いだからだ
やっぱり『駄犬』は所詮『駄犬』だ。こんな下手糞な演技すら見抜けない
しかしそんな駄犬が僕を指差して笑うのだ
…犬の癖に生意気だな。その指へし折られたいのか?
おっと、本音がでちゃったや。

とか駄犬にイライラしたりしていると重たい何かが机にぶつかる音がした

やれやれ。とか考えながらも音にビビった演技をしつつ音のした方をみると分厚い本に栞を挟んだ女の子『霧島マナ』の机に『被害者』黒崎あやめがぶつかり頭から血を流していた

確か頭からの出血って確か結構やばいんだよね
しかし流石に『まだ死なれちゃ困る』なんて言ったら『本多みつき』の仮面が剥がれちゃう…
こんな時『本多みつき』ならどうするだろうか?
『ヘタレで優しい本多みつき』ならね

「はわわ…早く保健室に連れていかなきゃ!」

うえっ、『はわわ』だって
言った本人でさえ気持ち悪いなぁって思う
でもこれで僕の吐き気と引きかえに仮面には傷一つ付かなかったわけだ
吐き気を押さえ込みつつ被害者を抱える
勿論ちゃんと横抱きだよ?流石に怪我人を担ぐわけにはいかないから

とか考えていたら女王サマが
「そんな奴死んでも平気でしょ」
って僕の道を塞いだ

言えるなら言ってやりたい
『お前は何を言っているんだ』って
何だ?『あなたが死んでも代わりはいるもの』ってか?
それともアレか?金持ちと公務員の十八番の『揉み消し』か?
そんな事を考えていたら駄犬が「そーですよねー」とか必死にゴマをする

殴りたいあの笑顔
守るんじゃなくて攻撃したい

とかイライラしてたら霧島マナがこっちにイライラした目つきで歩いてきた
常に目つきイライラしてるじゃんなんて言ったら蹴りが僕の顔面にシューッ!超!エキサイティン!ってなるから黙っていよう

「どいてあげなよ。本多の言う通りソイツ死ぬよ?
『学校で人が死にました』なんてなったら当然警察沙汰…流石に不味いんじゃない?色々と」

うわっ、声低っ…て今はそれどころじゃないや
幸いさっきの霧島さんのおかげで女王サマは怯んでいる。

その先をスラリと通り保健室にむかう

まぁ精々嬲って遊びなよ。『女王サマ』
その度首を締めるのは自分自身だ
ねぇ知っている?
『おもちゃってのは高い所から落とした方が楽しい』のさ

Re: 狼少女の日常 ( No.3 )
日時: 2016/07/23 21:09
名前: ピアニッシモ (ID: khvYzXY.)

第三話『じょおうさま』

私は学校の女王様。

学校の者は校長ですら『お父様に言うわよ』と言えば頭を垂れ私に媚を売る

逆らう者なんていない

さぁ、今日も『奴隷』で優雅に遊びましょう


『奴隷』は皆が殴っても蹴っても文句を言わず蹲るだけ
本多みつきなんかは怯えた様子でこっちを見ている
この学校で私に従わない者なんて居ない…そう思っていた

ただ一人『霧島マヤ』を除いて
霧島マヤは澄まし顔でなにやら分厚い本を読んでいる

何故

私に

この『女王』に

『絶対の女王様』に

従わない?

私は頭に血が上り近くの男子に命令して『奴隷』を思い切り蹴り飛ばさせた
しかしコントロールが悪かったのか『奴隷』は私が最も憎む霧島マヤの机に当たり大きな音を立てた

席を立ち移動しようとしていた霧島マヤは突然『奴隷』がぶつかってきたと言うのに眉一つ動かさないで「あんた。大丈夫?」なんて声をかけている

憎い

その澄まし顔が


「はわわ…早く保健室に連れていかなきゃ!」

さっきまで怯えていた本多みつきが『奴隷』を抱え教室を出ようとする

「そんな奴死んでも平気でしょ」

不思議とそんな言葉が口から零れ出た

そうだ、私は『女王様』
私以外は皆『下僕』
死んでも変わりがいる『奴隷』なんだから

そんな事を考えていると霧島マヤが本を机に置き本多みつきに近づく

その目つきは正に『怒り心頭』と言った感じで普段何があろうと『どうでもいい』で済ませる彼女とは思えなかった

「どいてあげなよ。本多の言う通りソイツ死ぬよ?
『学校で人が死にました』なんてなったら当然警察沙汰…流石に不味いんじゃない?色々と」

その一言で教室はしんと水を打ったかのように静まり返った
私はただ怯えるしかなかった
だってその時の彼女の目は

冷たく感情が篭っていない氷みたいで
まるでかわいそうなゴミを見るような
捕食者が息も絶え絶えの獲物を哀れむような目だったのだから

固まる私の横を本多みつきと霧島マヤはするすると通って教室を出る

その瞬間教室がざわつく
多分さっき固まった私の事を噂しているのだろう

「まぁまぁ静かにしてくださいよー。
そろそろ…先生きますよ?」

場を諌めるかのように口を開いたのは特別私に忠実な『番犬』小野寺みおだった

小野寺みおは先程も述べた通り何故だか知らないがこのクラスで1番私に忠を尽くす人間だ
本人曰く『私が素晴らしいから』らしいけど…

まぁ考えるのは良そう。疲れちゃった

各々自分の席に着き教師を待つ

さて、次は『奴隷』でどう遊ぼうかしら?


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