社会問題小説・評論板

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二卵生系双子いじめ
日時: 2017/01/14 23:19
名前: 桜林檎 (ID: ueXHoJNS)

「ねぇ、ママはなんでパパと結婚したの?」

「ママはね〜、パパの素直で優しい所が好きになったの」

「へぇー!」

「ねぇ、雫。何があっても優しい人でいなさい。そうしたら」

「自然とあなたの周りに人が集まるわ」

「うん!」


*雫 - 14歳

「なんで、こんな事…っ」

雫「なんでって」





雫「面白いからに決まってんじゃん」



*雨宮 雫
成績優秀 スポーツ万能の完璧な存在
母親似で端麗な顔立ちをしている
双子で妹の和を毛嫌いしている

*雨宮 和
姉の雫とは似ても似つかない存在
父親似で美しいとは言い難い容姿
双子で姉の雫を怖がっている

* * * * * * * * * *

元 桜です
この作品は二卵生系双子いじめのリメイク版です!
前回考えて頂いたのに使えなかったキャラクター達を使いたい&いっそあの時の酷い文を書き直したく思いリメイクしました

リメイク版から消滅したキャラ、増えたキャラなどありますが大目に見てください^^;

後 更新は土日あたり更新の少しスローペースです

Re: 二卵生系双子いじめ ( No.1 )
日時: 2017/01/14 23:31
名前: 桜林檎 (ID: ueXHoJNS)

わたしは生まれてきて、何もかもが手に入っていた。

「雫ちゃん」

「雫!」

友達も

「さすが雨宮さんね」

頭脳も

「これなら県大会優勝も夢じゃないな!」

運動神経も

《人気者》になる全ての物を手に入れていた。わたしに逆らおうなんてする人はほとんどいない。

学校なんていう小さく区切られたフィールドの中で甘い蜜を吸う為には、人気者に好かれる従順な下僕であり、人気者の言う事成す事全てを

「正しい」

その一言で賞賛する。それがこのフィールドで生き延びるたった一つの生き方。

雫「ほら、和。感謝しなさいよ」

アンタはこのクラスの《団結力》と私への《従順な下僕》を高める為の、ちょっとした踏み台に慣れるんだから。

雫「父さんに似たあんたなんて、それくらいしか価値がないのよ」

アンタにそんな名誉な事が起こるなんて
これから先二度と無いわよ?

Re: 二卵生系双子いじめ ( No.2 )
日時: 2017/01/15 08:10
名前: 桜林檎 (ID: ueXHoJNS)

「雫ちゃんっ」

雫「ほむら」

こちらへコツコツと近づく足音。長い黒髪に白いリボンの少女を、幼馴染の遊澤ほむらだと認識するのにそんなに時間はかからなかった。

ほむら「はぁ…はぁ…、朝から走るのは辛いですわ…」

雫「なんで走ったのさ」

ほむら「雫ちゃんがいたからです!」

これがわたしの日常。ちょっと変な所があったりもするけれど、わたしは今の日常に充分満足している。

ほむら「そんな事より、雫ちゃん」

こちらへグッと顔を寄せるほむら。黒い高級感のある革靴が、コツンと美しい響きを聞かせる。

ほむら「あなたの妹さんの事なんですけれど___」

ほむらの顔は、薄紫色の瞳をより美しく輝かせていた。魅了されそうな瞳のその闇は、とても深い。

雫「ほむらも好きだねぇ⋯」

ほむら「だって、お慕いしている雫ちゃんの妹、ですもの」

くすり、と妖しげに笑うほむらは、如何にも満足気な表情でわたしを見ていた。

Re: 二卵生系双子いじめ ( No.3 )
日時: 2017/01/15 17:16
名前: 桜林檎 (ID: ueXHoJNS)

雫「おはよー」

「雫ちゃん、おっはよーっ!」

雫「っわ…みく!」

学校に着くなり、早速わたしに飛びつくのは、中学に入って初めて出来た友達の羽鳥三雲。通称みく。

三雲「遅いよ〜、でもまぁ…あの子よりか早いね!」

雫「あの子…って」

「きゃっ!」

まるでわたしの言葉を遮るかの様な、ボフン、という定番の音の後に聞こえた声の主。

雫「和…」

わたしの妹、雨宮和の声だった。ダサい黒縁のメガネに、何を意識したのかわからないツインテールは、格好の餌食になるには充分すぎた。

ほむら「和ちゃん、今日も素敵なファッションね」

三雲「うん。みくも尊敬しちゃう」

雫「でも、もっと可愛くしてあげるよ」

もしかしてあんた、こうなる事を自分で望んでたりする?

Re: 二卵生系双子いじめ ( No.4 )
日時: 2017/01/21 09:33
名前: 桜林檎 (ID: ueXHoJNS)

和「う…ぁ…」

その場にヘタりと座り込む和。その顔には、絶望の一言が尽きる。

和「やっ…辞めて…」

雫「やーめないっ」

黒髪のツインテールに手を掛けると、ゴムを外す。すると、纏められた髪がバサりと崩れる。

みく「みくのママ、美容師さんだから」

三雲と書かれた柄の赤いハサミを持って和に近づくみく。髪を手に取るとニヤリと笑った。

みく「切ってあげる」

和「ひっ…!」

そして、心底愉快そうな顔をした。

ほむら「みくちゃん」

そんなみくに静止の声をかけたのはほむらだった。みくは訳が分からないという顔をしたが、渋々と引き下がった。

ほむら「髪を切ると、雫ちゃんのお母様は気づくでしょう?」

雫「まぁね。お母さん、そういうの五月蝿いから」

お母さんはいじめや暴力。そういった類が嫌いな人だ。

ほむら「ですから、気づかない程度に傷つけましょ。みくちゃん」

みく「うーん⋯ほむらがそう言うならいいよ!」

和「ぐっ…」

そう言って、和の腹に一発の蹴りを入れるみく。クスクスと周りからは巻き上がる笑いは、その行為を肯定していた。

雫「…そろそろ先生くるし、座ろ」

みく「うん、わかったー!」

雫「あ、そうだ和」

その場でうずくまる和にわたしはたった一言。

雫「女子校でミニスカって、ほんとキモイから!」

それだけ言った。だって、妹にかける言葉なんてそんなもんでしょ?


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