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社会問題小説・評論板
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- 壊れたお城
- 日時: 2017/02/17 16:39
- 名前: 鰻 (ID: l8Wvg9Qa)
県内でも名の知れたお嬢様学校、花栄女子学院。生まれつきのお嬢様が通う名門校に聳えるのは、高い高いピラミッド。
自分の家系が如何に権力を持っているかで決まる格差社会に生きる哀れな少女達は、いつもその地位に脅かされている。
私──二階堂麗華はというと、そんな心配したことがない。何故なら、この学校の頂点に立っているのは私だからだ。よほどの権力者でも、私にはとても敵わない。
だから私に逆らう者なんていない。
逆らったら最後、とてもじゃないけれど生きてはいけない。
この学校は私のお城だ。
- Re: 壊れたお城 ( No.1 )
- 日時: 2017/02/17 18:23
- 名前: 鰻 (ID: l8Wvg9Qa)
美しい姿勢で、堂々と教室までの廊下を歩く。
私とすれ違うたびに周りの生徒は頭を下げ、「おはようございます!」と強張った笑みを見せる。
軽く「おはよう」と返して、2年A組の教室へ入る。
クラスメートはすぐに私の存在に気付き、急いで「おはようございます!」と頭を下げる。美しい笑顔でその横を通り過ぎ、一番後ろ、窓際の私の席へ着く。
そして、二人の少女が近付いてくる。
「おはようございます。麗華様」
「おはようございます」
「あら、おはよう亜依子、莉愛」
私の取り巻き、金有亜依子と西城莉愛。このクラスで私の次に権力を持っており、そのおかげで彼女たちは私と共に行動できている。
どちらの親も相当なエリートで、その血を引き継いだ二人は美しい。もちろん、私の方が美しいけれど。
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