社会問題小説・評論板

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いじめ—悪循環—
日時: 2017/05/17 22:32
名前: アリス・ワンダー (ID: PLnfHFFW)

私の学校には、女王様が、一人いらっしゃる。

郷野美玖。彼女は、このクラスのいくつものグループを束ねる、クラス一権力のあるリーダー。

先生たちは金と成績で黙らせ、生徒たちは運動能力と面白い話で虜にし、特に男子生徒は容姿とスタイルで、彼らを自由に操っている。

ただ彼女は、表面上だけ、いい子だった。可愛い、素敵な女の子。

でも、内面は、もっとドロリとしていて、最悪な、女の子なのだ。

Re: いじめ—悪循環— ( No.1 )
日時: 2017/05/17 22:45
名前: アリス・ワンダー (ID: PLnfHFFW)

「美玖ちゃん、おはよう!」

「おはよう」

 朝の1−A組。そこに、このクラスのリーダー、美玖が入ってきた。

 様々な女子が美玖に挨拶をしていくが、美玖はどれもそっけなく返していく。彼女は、朝、機嫌が悪いようだ。多分、私以外の女子生徒もそれを百も承知であいさつをしているんだと思う。

 美玖は通学バッグを片付け終わると、私のほうに近寄ってきた。

「南」
「はあい、美玖」

 唯一、このクラスで美玖を呼び捨てにできるのは、私だけ。私は彼女の取り巻きのトップで、とても彼女に信頼されている。

 美玖はひっそりと、小さな声でこう言った。その声は悪魔が悪だくみをしているように低く、それでどこか無邪気な子供のように弾んだ声だった。

「優衣、うざい」

 相川優衣。ああ、次のターゲットはあの子ね。私は何度かうなずく。

「あのねえ、私に毎日なかなか挨拶してくれないし、チクリマンだしい、KYだしい。ねえ、こんなのさ、いじめちゃっていいよね」

「いいとおもうよ」

 私はとびっきりの笑顔を顔に張り付け、優衣を睨んだ。

 それを見て、美玖はとても満足そうに笑い返し、優衣に近づいて行った。

***

「優衣、あなたに用があるの。いいえ、女子全員よ。ほら、女子の皆さん、女子更衣室に集合」

 美玖は優衣の腕をぐっとつかむと、廊下に引きずっていった。

「ああ、その前に、男子、女子は更衣室にいると伝えておいてね」

 私は優衣のもう片方の腕をつかみ、暴れないように全身の力を使ってその腕を固く握った。


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