社会問題小説・評論板

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少し前のお話。
日時: 2017/06/26 01:42
名前: 小夜 (ID: vyWtoaEp)

あるリア友さんの話を中心に私目線で書きます。

注意!ほぼノンフィクションです!
本人が見たら気づくと思うくらいにリアルに書きます。

Re: 少し前のお話。 ( No.1 )
日時: 2017/06/26 02:24
名前: 小夜 (ID: vyWtoaEp)

あの子はいつもいつも笑顔だった。
複雑な家庭、学校での悪口、本当のあの子を理解しない友達。
そんな状況でも笑顔だった。
でも、きっと誰よりもとは言えないけど苦しかったんだろうな。

あの子は転校してきた。
「初めまして!」
満面の笑みで言った。
私は思ってしまったんだ(あぁ、この子は笑ってない。)
笑顔なのに偽物だって作り物だって分かってしまうんだ。
だって、私も作った笑顔でいつも何とかしてきたんだから。

「ねぇ!君、女の子だったんだ?」
席替えのときなぜかたまたまあの子と隣になった。
(あ、また笑ってる。私にばれてることはまだ言わないでおこう。)
「そうだよ〜?男子だと思ってたの〜?」
私も偽物の笑顔で明るい雰囲気を作りつつ言う。
「うん。ごめんね。」
申し訳なさそうに言っているがきっとこれも偽物。
「ううん?気にしないで〜?」
私も偽物で返す。
私はこの子のすべてを隠して一人で抱え込むところを気に入った。
全てを諦めたようなその瞳、笑顔のまま変わらない口角。
それから、無理矢理明るくしているであろうその声。
私の宝物にすると、絶対に何年でもかけて変えてやると決めたんだ。

Re: 少し前のお話。 ( No.2 )
日時: 2017/06/26 01:55
名前: 小夜 (ID: vyWtoaEp)

ゆっくり、ゆっくり仲良くなっていく。
新しいことを知った。
あの子と誕生日が近いこと、家庭が複雑なこととかね。
私は聞いていないけど分かったことがある。
あの子は私より演技が下手だ。
というか、まだ使い慣れていない。
その証拠になぜか大勢の人に嫌われている。
不登校気味なせいもあるかもしれない。
でも、これは流石にうまく立ち回れていない場合しか起きないと思う。

自分を消しているのかもしれない。
それとも、見失っているのかもしれない。
感情も全くでは無いがかなり薄い。
愛されたかったのかもしれない。
ならまず上手く隠しつつ利用しなきゃならないと思う。
仕方ない、私が舞台は整えておこう。
私があの子の仕事は請け負う。
あの子の居場所は私が作る。
どれだけ変な噂が立とうと、どれだけ私が嫌われようとも

Re: 少し前のお話。 ( No.3 )
日時: 2017/06/26 02:06
名前: 小夜 (ID: vyWtoaEp)

気付いていた。
あの子は楽しいことがない。
私が居場所を作ったって意味など無い。
それでも、いつ戻って来ても壊れないくらい頑丈にしておくからね?
早くあの子の本当の心に気付いてあげてくれないかな。
私じゃダメなんだ。
あの子には私じゃ意味が無い。
私じゃ守れない。

本当の僕を知っている人なんていない。
そうだね、私も本当の私を知っている人なんていないよ。
僕の側に何故いるの?
あなたを誰よりも大切にしたいからだよ。
なんて言葉はきっとあの子には建前にしか聞こえない。
なら、全て行動に起こして見せようじゃないか。
私の本気を。私の全力を。

Re: 少し前のお話。 ( No.4 )
日時: 2017/06/26 02:22
名前: 小夜 (ID: vyWtoaEp)

毎日迎えに行こう。
少しでもあの子だけに対しての悪口を消せるように。
あの子のためだけのグループを作ろう。
問題のある人ばかり集まればあの子はそこまで目立たない。
同じ役割になろう。
あの子が学校に来れなくても他の人に負担がかからないように。
同じ部活に入ろう。
連絡方法はなくっても部活に来ないせいで言われる文句を消せるように。
あの子が学校に来たら挨拶をしよう。
少しでも他の人が声をかけられるように。
あの子が怖いものからは私が守ってあげよう。
限界はあるけど、少しでも悩まないように。
たまには弱点も見せて私の方が下だと思ってもらおう。
ほんの少しで自信をつけられるように。
そうしてずっと側にいた結果私たちは付き合ってると言われるようになった。

女の子たちとばかりいるあの子はまた悪口を言われてしまう。
なら、私が崩すんだ。
「女の子とばかりいる人」じゃなく「私とばかりいる人」にすれば私が庇える。
付き合ってる?言いたいだけいえば良い。
私たちは友達だと言いつづけるよりみんなに愛想を無くす方が早い。
いや、他の人とも同じような噂を立てて私が悪者になるよう仕組もうか。
色んな方法を試してみるのも良いかな?
これはこれでたまらなく楽しい。

Re: 少し前のお話。 ( No.5 )
日時: 2017/06/27 02:51
名前: 小夜 (ID: vyWtoaEp)

あの子は次第に私をおもちゃや犬のように思うようになった。
ここまで持ってくるのに一ヶ月半もかかってしまったが、準備は万端。
グループは男の子(あの子を含めて)四人、
女の子は(私を含めて)二人で出来ている。
そのグループのうち最低でも三人は私の味方。
理由は簡単、私に好意を抱いている人とその人ばかりといる友人さん。
それから、私に依存している人がいるから。
どうがんばろうとあの子は4対2が限界。
この状態で私とあの子で喧嘩をすれば良い。
これで、あの子が他の人とばかりいる理由が出来る。
学校に来れないのでけなされることもなくなるはず。
どう?私の本気。これであの子は自由になれるはず。

予定通りあの子が怒るように仕向けて、私が悪者だとみんなにアピールした。
全て上手くいった。はずだった。
あの子はそれでも休むことを許されない。
私は予想外の自体が一つだけ起きてしまっていたことを気付かなかった。
クラスメイトは想像以上に私をいい人だと思っている。
そのせいで、あの子が悪者にばかりされてしまう。
なら、作戦変更だ。真面目な子の演技はやめる。

二学期から私は遅刻や忘れ物、授業中に寝るなど真面目なキャラを崩していった。
委員会の仕事も少しずつサボったり適当にしたりするようにした。
それから、グループ以外のみんなと話すのも最低限にした。
笑ったりなんかしなくなった私は少しずつ評価が落ちていった。
我ながら完璧!なんて一人で思いつつ、少しあの子の評価をあげていった。
不登校者を学校に来させること、仕事を精一杯一人で頑張るところ。
どんな状況でも笑って愛想良く接するところ。
良いことばかりをしている人のように見えてきたはず。
これでやっと私が悪者であの子は被害者だという設定が完成した。


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