社会問題小説・評論板
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- Very bloody berry --血苺--
- 日時: 2017/09/20 21:01
- 名前: 水星の女 (ID: SkZASf/Y)
この世は何でできてると思う?
お砂糖と、ピンク色と、海と、好きなひと。貴女は?
私はね、これは全部夢だと思うの。この世なんて妄想よ。
じゃあ何故私に質問をしたの?
何故かしら。わからないわ…
夜の風に撫でられ、氷のように冷たい二の腕を汗ばんだ手でさする。身体は寒いのに、額からは汗が吹き出る。雪のように真っ白な肌に、シルクのような長い髪を揺らしながら歩く。それはほぼ走ってると言えるくらいの早歩きだ。少女は焦っていた。目はぼんやり青白い街灯に照らされ、潤んでいた。
この少女、花沢 あおいはとても美しいと評判の娘だ。
薄くブルーがかった瞳に、ツンと鋭い鼻梁、苺でも咥えてるように見える真っ赤な唇は、誰が見ても綺麗だと感じるような顔だ。
「いっ…」
あおいは小さく呻き、一瞬だけ立ち止まった。腹を抑え、顔は真っ青になっていく。
にゅるっ…
彼女は股の間から、粘液を纏った何かが出てくるのを感じた。押し広げられているようで、窮屈だ。それは、彼女の下着をピンク色に染めながら、すぽんと出た。彼女は呆然としたが、冷静に路地裏に隠れた。
誰もいないことを確認し、そっと下着を下ろしてしゃがんだ。冷たい風があたり、鳥肌がたつ。ぬるる、と温かい何かが再びこみ上げ、そこから出たのは
赤黒い、クランベリーだった。
続けて2、3、4粒と自分から飛び出すクランベリーを、少女は泣きそうな顔で眺めていた。
それは20粒ほど出た後、ピタリと治った。彼女の穴も、粘液を垂らしながらぴしゃりと閉じている。
スカートからティッシュペーパーを出し、拭った。冷たくなっていた。下着はビニール袋にしまい、カバンに戻した。彼女はそのまま何事もなかったように、路地裏を出て帰路に着いた。
- Re: Very bloody berry --血苺-- ( No.1 )
- 日時: 2017/09/21 17:54
- 名前: 水星の女 (ID: SkZASf/Y)
自己紹介がまだだったので、
作者の水星の女です。
私は血液嗜好症という障害を持っています。
普通の人は考えられないそうですが、私は血を舐めたくて仕方がない衝動にかられる時があります。
そんな私の苦悩と理解されない苦しみを、妄想というベールに包んでここに記します。
全てショートストーリーです。苦手な方はご注意を。
- Re: Very bloody berry --血苺-- ( No.2 )
- 日時: 2017/09/27 22:06
- 名前: 水星の女 (ID: SkZASf/Y)
あっ
立ち込める湯気と石鹸のにおいのなか、火照った桃色の肌に滲む 鮮血。
特に何も考える隙もないまま、つい無意識に、本能的に腕にしゃぶりついて傷を舐める。
鼻から抜ける、鉛のようなかおりに鳥肌がたった。
足元から何かが這い上がってくるような、恐怖と快感の混じった感情。
彼は、顔の産毛を剃ろうとして剃刀を手にもっただけだった。たまたま手が滑り、たまたま落ちた剃刀は、彼の腕の外側を、浅く浅く傷つけたのだった。
滲む美しい赤は、濡れた彼の身体の上を侵食した。
彼は鬼気迫る表情で腕を舐める。浴室内に唇と唾液の音が響く。
彼は興奮していた。自分の血液でだ。
興奮は高まりを増し、脳内は悦楽に溺れる。
それは彼の身体を支配し、しばらく消えることはなかった。
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