社会問題小説・評論板
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- 天国の砦
- 日時: 2018/02/08 09:36
- 名前: おちゃ谷 (ID: 0xGRiuWU)
スクールカースト。誰もが怯え、そして這い上がれることは滅多にないヒエラルキー。皆自分の位置を守るために、下に堕ちないように、必死に生きている。
そんなことは人間の本能であって、ヒトはチンパンジーのような気遣いはない。上の者が下の者に気を配る世界がある中で、やはり人間界は暗黙の了解としてピラミッドにより全てが決まるのだ。
- Re: 天国の砦 ( No.1 )
- 日時: 2018/02/08 22:15
- 名前: おちゃ谷 (ID: LJMHYFdO)
天国の砦──麻倉中学校3-2は、そう呼ばれている。
それとは裏腹に、隣に位置する私のクラス、3-3はまるで地獄だ。
とは言っても、私…相澤のぞみは、その感覚がよく分からない。なぜならば、私こそがこのクラスのピラミッドの頂点だからだ。
3-3は、この学年の中で一番カースト制度が激しい。誰が決めたかは分からない。でも必然的にそうなっていた。
文化部や帰宅部、とにかく目立たない奴らは3軍。運動部、吹奏楽部などは2軍。そして私達、女子バドミントン部、男子サッカー部、野球部は1軍。
部活で分けられたわけではないが、なんとなくそういう雰囲気になっていた。誰も這い上がろうとせず、俯いて自分に与えられた空間を過ごす日々。
対して2組は、「みんな仲良し、協力しあおう」みたいな模範的仲良しクラス。たぶんバドミントン部がいないからだと思うけど、地味な奴らがカースト制度をなくすクラスづくりを行い、言うなれば四民平等。スカート丈を折らないとか、みんなが等しくあるための協定までつくったらしい。
- Re: 天国の砦 ( No.2 )
- 日時: 2018/02/08 23:24
- 名前: おちゃ谷 (ID: LJMHYFdO)
そんな「天国の砦」に憧れるうちのクラスの生徒も少なくない。でも、この教室から逃げることなど許されない。
だって、このクラスには「4軍制度」があるのだから。
「…ちゅーもーく!今回の4軍は〜〜っ!!」
「どぅるるるるるるるるっ」
「ばーん!山崎紫音!!」
ツインテールの少女・本郷ゆりかが高く掲げた髪には、「山崎紫音」と書かれていた。
「え、わたし…なんで…!?や、やだ、やだあ…!!」
「うるさいなぁ。山崎さん、決まったことなんだから…」
ゆりかは泣き崩れる山崎に近寄り、
「いちいち反抗しないでよねっ!」
その腹を容赦なく蹴った。
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