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社会問題小説・評論板
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- 白は黒、一度染まれば戻れない
- 日時: 2018/12/01 16:00
- 名前: 白旗 (ID: 1kYzvH1K)
純粋な白い少女は、優しかった。
この世にいる者は、皆優しく穏やかだと思っていた。信じたかった。
しかし少女は知った。
人の口から出るのは感謝では無く悪態。
親が求めているのは優しさではなく聞こえの良い外聞。
少女は優しかった。
それが故に毎日聞こえる言葉に、心をすり減らしていった。
心ない行動に、傷つけられた。
それでも白い少女は誰もを癒せるように笑っていた。
しかし日を過ごす度、少女の口角は下がり、目は虚ろになっていった。
それでも笑い続けていた。
しかし聞こえた言葉
「××さんっていつも笑っていて気持ち悪いよね」
「人に好かれたいのかな?」
「何それキモい〜!」
それは少女を黒に落とすには充分だった。
少女は笑えなくなった。
心から、笑えなくなった。
少女は道化の仮面を着けた。
この日から少女は自分を喪った。
- Re: 白は黒、一度染まれば戻れない ( No.1 )
- 日時: 2018/12/01 16:12
- 名前: 白旗 (ID: 1kYzvH1K)
自分を失った黒い少女は言われるがままになった。
肯定の言葉の繰り返し、気分を損ねたら謝罪。
吐かれた言葉に、傷ついた顔をしていることに道化の少女は気付かない。
仮面の裏に、全てを隠していた。
ある日、虐げられた弱い者が地面に這いつくばっていた。
実は少しばかり残っていた白が、そちらに歩を進める。
そして心配する仮面を貼り付けて、声をかけた。
ただの気紛れなのだと、少女は絆創膏を取り出した。
感謝の言葉を聞いた時、少女の仮面にヒビが入った。
しかし少女は、その事には気付かなかった。気付かない、フリをしていた。
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